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56)ほろほろほろ

菊の花がゆるく風におされ

黄色い微笑みうかべ

この部屋いっぱいに笑い声が響く


ほろほろほろ、と

落ちる花びらは放ってあった

くろいろのスリッパのなかへ、入る


あッ、

っと小さな声にして

恥ずかしすぎて両眼を瞑る

ときまさにひるの3時であった


世界はいつにも増して

真実をひた隠しにするが、この

いままさにときの止まったピアノを


止め続けることはできるのか?

赤レンガを叩きつける雨音を

菊の花に聴かせてあげたいだけのことだけど





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