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60)このさびれた太陽


のぞみは

聖なるともし火ともるリビングで

敬虔な祈りを捧げたいのです

風の音は

さらさらさらと、

あの教会へ流れていきます



海のいろがあおく

空のいろもあおく

どっちがさみしいかを

虹の橋に尋ねているのです

私は

そんなこころを切り裂いたから

雲の上で寝転びながら

かつて君の言葉が好きだと信じたころの

明るさをさがすのです

きっとまた

今日もしずかに朝が死ぬ

うす暗い背中のビルに押し込まれ

白昼の悪夢に心を飲み込まれるのです



すこしだけでも

生きる誓いをしてみたら

明るく笑った

君が好きになりましたね

恋が人魚に届かない夢なのなら

私の胸からもどんどん遠ざかる風も吹く

抱きしめたいのに

遠ざかる

雲間に漂う人魚を捕まえて

その孤独を

救ってあげたいのです

でも愛しても

愛しても、私じゃ足りない?

足りない

かなしい君の

遠ざかる影

夕暮れに

救いたいのに

救えない影



海のそこにいきます

そのかなしい人魚の瞳をなぜか

乾いていると嘘をつくのです

それは、深夜

月光に

照らされながら

しずかな光のなか、眠りますよ

夕暮れよりもかなしい水だけ飲み干し

あのときの甘い匂いと

届かない冷たいその指で

それでなくてもせつない夜を

君よりもせつない朝にする気なのでしょう?










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