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63)失くして気づく夜にただ泣く
君が何を
ほしくてあんなに泣いたのか
知らない朝の街は霧雨
君が僕を
呼んでたあの夜の細い声、
忘れてしまった、氷雨に濡れてる
なにが君を
そんなに泣かせ、凍らせる、
知らないままただ、愛しいくちびる
君が僕の
ためにあんなに泣いた理由わけ、
聞かされたとき、死にたくなった
君が何を
手離し僕を求めたか
知ってる人の、胸には、雪、降れ
僕はただ
あたたかな君を好きだから
この窓を閉じ、空気を止めた
夜の街
初雪が降る駅前に
傘もささずに待っててくれたね
泣きながら
叩いてきたのは僕のことを
ホントに大事にしてくれたから
いない横
いつもとうぜんいる君が
いないベッドに、ぬけがら一匹
知ってるよ
こんなにさみしい独り寝の
夜は長いし、あゝ追いたいよ




