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65)貴女の風


悲しげな瞳、

なら、みた



でも、

ただ、あの記憶が消せずに

かつて、貴女に出逢った心を

誰にも、共有されたくない


おそらく、悲しいのだろう

涙とか、出やしないのだが

悲しさもわからないまま

僕はひとりでいい

って負け惜しみじゃないよ

僕の中で一番

完結しているのだから



僕は、気づいてたよ



抱きしめたあの頃の

甘い香りが貴女ものではなかったって



なぜって、

貴女からは、

ただの青い風の音しかしなくて

なぜなら、

貴女は

やさしい声もあたたかい笑顔も透きとおる

春の日の花の幻影みたいだったじゃないか?


そういう、

抱きしめられない姿かたちを想って

白い息を弾ませながら

からみ合わせた瞳が

通じているのだという憧れを

あなたに語っても恥じることない

僕は僕でありたかったんだ


ホントにホントに、そうなんだ


ただ、あの記憶が消せずに

かつて、貴女に出逢った心を

誰にも、共有されたくないという


悲しげな瞳の煌めきだけは

僕だけのものなのだろうという

まぼろしに縛られて


愛を手放せず

まぼろしに縛られて


愛を消せないていたらく

まぼろしに縛られて


いつまでもいるのだ

貴女の風が消せないのだ、


いまも、いつまでも



悲しげな瞳、

なら、みた







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