39)愛の人《改》
とても悲しかったよ。
愛が角砂糖が崩れるように
崩れてしまって。
涙まで
出なかったよ。
アゴが外れかけちゃって、さ。
もう、ふざけんなッ!
っていうくらい、
大笑いさせてもらったよ。
ええ、
だれにもなにもあげないよ。
虫は、
虫のまま、
歌を歌うのさ。
とても悲しかったよ。
とても、
暇だったので、
なにも考えずに
いられなかったんだ。
そしたら、
いっぱい、真実ばかりが
見えてきたんだよ。
あッ、
青虫だったよ。
愛が角砂糖が崩れるように
崩れてしまったけど、
なんてことないさ。
もともと。
愛なんてただのまぼろしなんだからさ。
かたくなにこばむ
未来の失望を、
どこの誰なら、許してくれたというのかね?
嘘ばっかり、言って、さ。
だーれも、
許さないじゃない?
ええ、あたしも、許さないよ。
あたしの未来を。
なんの、夢も希望も喜びも
なかった未来の風景が、
とても
殺風景だったけど、
あたし、
だからって、負けたりしなかった。
だつて、
よく言われるように
あたし、
馬鹿は死ななきゃ、なおらない。
の、
馬鹿なんで、ね?
えー?
虫は、死んでも虫のまま。だよ。
ごめん!
あたし、死んでも、馬鹿のまま、だったね?
あーあ、それにしても、
愛にすべてをかけたかったよなぁ。
もう、涙出そうに、
なりそうな………
ひとりが、怖いから…




