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80)そんな目をして、 どうして愛を手ばなすの?

そんな目をして、

どうして愛を手ばなすの?


ぼやけて明るい、

たちこめた桃色の水蒸気でみえない。



曇り空に流れる涙の川から

雨の雫が、

なんぷんもかけて

あの頃の優しかった

仲良しの学級委員長だった彼女に、

ぽつりぽつりと落ちる午後、


ごめん、もうがんばれない、これ以上

なにもいらない、って小声でね、


それでも、『助けて』とだけはいわないから、って。



そんな目をして、どうして残暑を乗り切るの?

ぼやけて明るい、静かな海上には、

誰にも望まれない、蜃気楼もみえないのに。



黄金の暖かいこだわりの生々しい供物が

それは食べ物ではなく、

私のラブ&ジェラシーなのに

むろんよ、あなたいがい、その暖かさを知らない。

その狂おしい暴風雨まがいの

好き好き大好き殺したい、あの、触感も。


そんな目をして、どうして残暑を乗り切るの?

って?

知らないよ、残暑なんてさ。


秋が、ほら、もう、ここに、

ここにきてるんだから。



それを知っていても、

どうしても、愛を手ばなすの?


ぼやけてみえない、

もう2度と出逢えないと知っている

いまやガラクタとさえ呼べない

ぐっちゃぐっちゃの、愛の哀しみ。






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