44)長恨歌(ちょうごんか、「こ」が濁ってるところ、要注意、ですよ)
唐の、李太白という詩人の日本では知らぬ者とてない(楊貴妃のものがたりとして)有名な詩。
そのタイトルが『長恨歌』、で、なぜ、恨、が、ごん、と読むと私が思い込んでいるか、理由はわからない。
諸星大二郎先生のマンガのどこかに、そのものズバリが出てきていたような。
そのときの読み仮名が、そうだったのか、あるいは、高校時代、国語の授業(国語とはいえ、漢文)で習ったとき、そういう読み方を教わったのか?
はっきりとした記憶もないまま、そう読むと断言しているのは、どうかと思うよ?
もし、すべてが私の記憶違いだというのなら、この詩においては、そう読ませる、という私の勝手なふりがなだと、思ってくださいね?
べつに長くなくてもいいんです。
でも、ほら。
そんな名前の、メイドインチャイナの詩が、
あったり、
したでしょう?
だから、です。
べつにそんなに、
恨んでなんかも、ないんです。
ただ、やっぱり、すこしは恨んだかな?
それは、しかたのないことね。
あんな別れかた、あんまりだったわよ。
そんなあいつのこと、好きなままである
はずないだろ?
あーあ。
でも、ね、嫌いってわけじゃあ、ないんだね。
ちょっとだけ、
未練なんかもあったりね?
あー、うそうそ。
なーんも未練なんか、ないんです。
この、
新宿の、バカでっかい交差点で、
あたしはいつだって
あいつの影を探したり、探さなかったり、
ラジバンダリー、って懐かし。笑。
あたし、蛇になりたかったな。
ピアスしてなくてもね、
そういう『仕留める長いモノ』に
なりたかったと、いっている。
ほら、矢のように、ピューッ!って、
獲物みつけて、襲い掛かって、噛み付いて、
それで、仕留めちまう、正確無比な攻撃。
あたし、情けないのは、イヤだな。
ちょっと、ヒラヒラ舞う蝶々を見あげて
舌舐めずりだけしてる
なっさけない蛇さんでは、イヤだな。
ピューッ!
ってね、
獲物をみつけてね、殺したいの。
ははは。
おまえはすでに、あたしの掌の上さ。
とかなんとか、
いっちゃって、
あいつなんて、もう、いいわよ。
あたしが、蛇なら、あいつは、野菜さ。
あんなヤツ、食べても美味しくないし、
海原雄山先生もおっしゃってたわ。
この世界に、美味しいといえる野菜は、
新鮮なトマトだけだ、と。
ほんとうに美味しい新鮮なトマトは、
それじたいが、スイーツになり得る、
みたいなことをいうエピソードがあったのよ。
あ、でも、なら、
あいつが、そのトマトだったらどうしよう?
いや、どうもしないんだけどね。
てか、どうも、できない、というか……。
でも、あいつ、たとえ野菜だとしても、
先生ご推薦のトマトのような気がするなぁ。
ま、もう、終わったヤツなんだけどね。
でも、ちょっとは、カッコよかったし、
心根の優しいところもあったりしたし、さ。
ダメッ!
なにいってんの、あたし!
振り返るなッ!
決して、振り向くなよ。
な?
わかるでしょ?あたし。
長くないとかなんとかいってたけど、
恨み節にはならなかったと思いたいんだけれども、
このあたりで、
ボロがでないうちに、
って、もう、ボロ、
ぼろぼろぼろぼろ、でまくりだね?
でも、もう終わらせる、よ。
てか、もう、終わってるし。
いまこそあたしは、1匹の蛇になって、
ピューッ!
って、あたしの『未練という名の心』を
咬み殺すために、
ピューッ!
って、跳ぶ、よ?
あたしのやわくてよわくて、
それはそれはまっしろな心を
この怒りと憎しみの牙で、
咬み殺すために、
跳ぶよ?
ええ、跳ぶわよ。
そして、長〜い恨みの歌をもう、
綺麗さっぱりわすれてしまうことにする。
うん。
するんだ!
お読みくださり、誠に有難うございます。
またお会いできる日を楽しみにしています。
でわ。




