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47)悲しい祈り

この詩は、ほんとのほんとで、まったくといっていいほど、覚えていない詩です。



週末、夜明けまえに電線にとまり

カラスが餌を探してキョロキョロとして

カラスよけのネットのないゴミのところへ行った。


タバコの吸い殻や

丸めたティシューが散らばり

食べものとしてのゴミの中にもはや

ドキドキとしない

小さな優勝トロフィーが転がる。


あ、それ、不燃だよ。

けっして、燃えないよ。


ひとつだけ聞きたいことは

「バカカラスと呼ばれ

白く塗られてもいいですか。」


やすっぽいうわさがこの街に

朝日とともに顔を出し

もそもそと話しかける僕は

ひとりでも朝食を作るために

つとめて明るい話題でやり過ごそうとする。


誰よりも黒い瞳が好きなくせに

カラスだけは嫌いだよというと、

「あたしの眼をみて

言ってごらん?」

と顔を近づけて

心縫いつけるやさしい笑顔で

そっと額をくっつける。


そして帰るべき家を持たないはぐれものは、

もうひとりの自称永遠のはぐれものと

その罪をごまかす愚痴を言い合いながら、


忘れられない新しい朝が

この街を白い光でくるみ

かつての寂しさを罪人の嘆きと詠じ


どこへ行っても眼に見えない圧力が

ささやき伝わり聞くところの灰色のマンションでも、

別のたいせつな子供時代の誓いに殉じて眼を閉じ、

そっとありがとうを言いたかったのだと

身振り手振りを大袈裟に使った

ジェスチャーゲームの達人のくせに

そんな泣き出しそうな顔しないでと

ただ純粋にこころから

愛おしいから祈ってしまう僕がいる。






お読みくださり誠にありがとうございます。

またお会いできる日を楽しみにしています。

でわ。

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