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72)青春絶望歌
その人生の青い春
さざめく波の奥の方
とおく夢みた船旅と
宝の島と静かな寝室
こんや寂しく独り寝の
こまどに映る赤い星
ゆらりゆられてくるまれて
夕べみた月ひとりきり
友と呼べるあの人を
殺して始めてながれたわ
妬みのこころの奥の棘
痛い痛いと泣いたのよ
どこへ逃げればよかったの
あたしのあの人すきだった
いつか産まれる赤ちゃんよりも
あたしあの人すきだった
間違ってないなにひとつ
昨日の嵐が嘘のよう
波も立たないこの大海に
どいつが星空見上げているの
罪というなら罪を知り
罰というなら罰を受け
死ねというなら死んでやると
それだけ怖くてできなくて
ああ それならいっそ
あの人こそあたしを縊り殺して欲しかった
それだけの愛情もなかったというの
そんなことだから彼は叫んだんだ
ああ青春は、絶望しか無え!




