表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/29

ひとりじゃない

 女の子は、てくてくと夢のなかをあるいていきます。

 いつものように花のかんむりを頭にかぶせて、てくてくとあるきます。

 

 女の子のさきをいくように、ぱたぱたと二匹の鳥さんたちがはばたきます。

 ときおり、みちにある木々にとまりながら、じめんのはっぱをついばみながら。


 女の子はあるきながら、男の子のことをかんがえていました。

 夢からさめて、さきへとすすむだいすきな男の子。


 泣いていないかな?

 さびしがっていないかな?

 わらっているかな?

 

 でも。

 いちばんの思いは、男の子にあいたい、でした。


 涙がこぼれそうになると、オカメインコのかんたがかたにとまります。

 そして、はげますように、女の子のほっぺにとさかあたまをあてて、

 

「ひよ」


 となきました。

 はんたいのかたにも、セキセイインコのもながとびのってさえずります。


「ぴ」

 

 げんきをだしてね、とやさしく女の子のかみをくちばしでつっつきました。


 ありがとう、とそっと鳥さんたちにおれいをいって、女の子はふたたびあるきだします。

 涙をぬぐってまえをむいて。


 ここは、おうちからかなりはなれたところにある木々のおいしげる森です。

 たくさんの木が、あたりにはえていますがけっして暗くはありません。

 

 こもれびが、きらきらと女の子のあるくみちをてらしています。

 じめんはみどりのきれいなこけが、日のひかりであざやかなじゅうたんとなっています。


 耳をすませると、水のさわさわした音がどこからかきこえてきます。

 そして、木々のあいだを、たくさんの魚たちがおよぎまわっていました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ