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(ふむふむ、なるほどー、DEATHには聖属性の攻撃しか効かないわけね)
ミツキはロルフと別れてすぐに、その足で本屋へと直行した。わからないことはとりあえず、今は書物に聞くしかない。
以前購入したモンスター図鑑より、もう少し踏み込んだ内容が書かれている為か値段も倍の価格設定だった。ついでに属性攻撃についての本も購入し、ミツキは以前滞在していた宿の一室で、熱心に頁を紐解いていく。
結果分かったことは以下の通りである。ひとつめはDEATHの攻撃は即死系、呪殺系の闇属性攻撃のみで、闇属性による攻撃は反射、他属性含む通常の攻撃は無効だということ。
ふたつめは非常にパラメーターに偏りがあり、特に素早さに欠けているということ。その為戦闘は避けようと思えば可能であること。ただ捕まれば逃げることは困難で、一度でも攻撃を受けると何らかの状態異常は避けられないらしい。
そして最後に攻略の仕方だが、倒すには聖属性による強力な攻撃が必須となる。破魔系魔法を習得するか、もしくは武器に聖属性をつけての攻撃が有効とされている。
(推奨レベルは60以上、か)
ただこれも、ざっくりとした指針である。何らかの根拠があっての数値ではないような気がした。
(正直、本当に怖かった。出来ることなら、あんな思いは二度としたくない)
そう思うのと同時に、けれど絶対にそこから出てくるとわかっていて勝負を挑むなら、それは可能かもしれないとミツキは思う。
(要は、心構えの問題よね)
充分な準備をして、装備を整えてから挑めば、もしかしたらあの恐怖を克服できるかもしれない。
(……とはいえ、本能的な恐怖は完全にはぬぐい切れない気がするけれど)
そこはやはり、経験がものをいうのだろう。それは今の自分にとって、最も欠けているものである。
(どうしよっかな)
本音を言えば、五分五分である。怖い、と思う気持ちと、挑んでみたいと思う気持ち。
最も後者には若干邪な思いも含まれている。これだけの高額コインを一気に稼げる方法など、他にはそうないだろう。
(最終手段として、復活の花冠を売却することも考えてたけど…)
出来ることなら、それはあまりしたくないというのがミツキの本音であった。理由は色々あったが、いちばんは入手ルートを明かせない、という点に尽きる。
カーティスの道具屋には反魂花が売られていたが、かろうじて白、しかもやはり時間制限付きであった。さりげなく店主に話を聞いてみたが、反魂花自体道具屋で売られていることは少なく、入手するにはそれなりのツテが必要となるらしい。店に置いてある反魂花はあくまで見本のようなもので、取扱っているという目印の為のものであるという。
ミツキには鑑定スキルがあるので、そもそも反魂花とそうでないものとの違いがわかるが、一般の人間にそれを見分けることは難しく、また反魂花の咲く一帯には魔物が多く出やすい為、やはり入手するにはそれなりの人材が必要となるらしい。
しかも反魂花自体にはそれほどの価値はなく、加工することでその真価を発揮する。その為買い取ってくれない道具屋も少なくないという。




