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異世界行ったら健康体  作者: 宮村
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「うん、まぁ……そろそろだよね」


 ミツキは己のステータスとスキル、アイテム一覧を睨めっこしながら、すっかり増えてしまったひとり言をこぼす。


 時計やカレンダーはないものの、転移してきてから小石を詰んだりして日にちの感覚だけは掴んでいた。


 今日で31日目、まぁ元の世界でいうところのひと月が経過していた。


 その間ミツキがしてきたことと言えば、ひたすらにレベル上げ、であった。


(なんか修行僧みたいな生活だったなぁ…)


 とはいえ、それほど苦ではなかったあたり、ミツキはこの世界での生活に(というより森での生活に)向いているといえるのだろう。


(いようと思えば、まだまだいれるんだけど)


 それでは本末転倒な気がしてきた。何のためにレベルを上げているのかをもう一度よく考えなくてはならない。


 うっかりレベルを上げること自体が楽しくなってしまって、目的を見失いつつある自分をミツキは感じていた。


(反魂花もあらかた摘んじゃったし、潮時だよなぁ…)


 そりゃ毎日摘んでアイテム化していれば、こうなるのも当たり前である。


 さすがに全部摘んでしまうのは気が引けたので、少数は残しておいた。反魂花にも咲く季節とかあるんだろうか…というかそもそもこの世界に四季はあるんだろうか…など、とにかくよくわからないなりに気を遣った結果である。実を結ぶかどうかはわからない。




(そもそもは幻視スキルを扱えるようになるのが目標だったわけだし)


 そう考えると、そろそろ街を目指して森を出てもいいかな、という程度には上達したと言っていいだろう。


 スキル自体もなんと15まで上がっていた。正直なところこんなに伸びるとはミツキ自身思っていなかった。


 成果も上々である。ミツキ本人の目で見ても、ステータスの偽装は視認出来るようになっていたし、それはスキルとアイテムに関しても同様である。


 アイテムの方も、このひと月でだいぶパンパンになっていた。同じアイテムは99個までしか持てないらしく、効果の小さい薬草などは最早採ることさえしなくなっていた。


 食料の方も同様で、アイテム化すれば腐りはしないが保管場所に困るようになっていた。


 そこで役立ったのが調合スキルである。このスキル、食べ物でも応用が可能だったのだ。




 幸い森に生息するモンスターのうち、何割かはミツキでも食べられるものを落とすものがいた。


 その中には塩やら骨やら卵やらがあった。それらを使って適当に調合してみたところ、いくつか成功するものがあったのだ。


(理屈はわかんないけど、食べられるものが出てくるんだから有難い話よね…)


 例えば骨と水でスープ、だとか。塩と卵で卵焼き、とかである。


 ちなみにこれもスキルが上がるごとに調合出来る幅が増えていくようだった。同じ塩と卵で調合しても、レベルが上がった状態だとオムレツを選べたりもするわけだ。


 これによって食料の方はだいぶ整理することが出来た。この先旅をする予定があるだけに、ストックの数が多いのは非常に助かる。ミツキの栄養面に於いても、だ。




 水魔法に関しても成長はあった。


(…とはいえ、MPが低いせいであんまり多様は出来ないわけだけど)


 それでも顔を洗ったり、汗を流したりする程度の水は扱えるようになっていた。今のミツキのMP量だと満タンの状態にしてようやくシャワー一回分、といったところがせいぜいだが、それでも自分の意志で水を出せるようになったのは大きな収穫だった。


(結局イメージだけでなんとかしてしまった…)


 もう、なんていうか力業である。だが結果良ければすべてよし。



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