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異世界行ったら健康体  作者: 宮村
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「今の私に必要なのは、この世界の知識を得ること、だよなぁ…」


 手っ取り早く誰かに説明してほしい、とも思う。けれどその誰かとはいったい誰だ?


「信頼できる人を見つけることから、はじめないと」


 道行は険しい。そもそも何をもってそんな判断が出来るというのだろうか。


「絶対に裏切らない、嘘を吐かない、そんな人っているのかな」


 いるなら是非会いたい、とミツキは思う。そんな人間いるわけないと知りつつも。


 しかし遠くない未来、そんな人間の存在を知ることになるだろうとは、その時のミツキは想像もしていなかった。






「とりあえず、今はこのくらいで様子見かな」


 今回ミツキが習得したスキルは以下の通りである。



 ・アイテム採掘


 ・食料調達


 ・薬草採取


 ・コイン入手率上昇


 ・アイテム入手率上昇


 ・調合


 ・逃走補助



 アイテム採掘と調合スキルは200ポイント消費、他はすべて100だった。


「残り9000……か」


 ぶっちゃけ戦闘系のスキルは流し見程度である。今の段階ではそれほど必要とも思えないし、この先の保険と言うことで敢えて残しておいた。


 スキルを軽く鑑定してみたところ、コイン入手率上昇は戦闘時にモンスターが落とすコインの額を増やしてくれるものらしい。アイテムもまた然りである。


 後で確認してみたところ、アイテム一覧のウインドウの下の方に所持コインの欄があった。


 現在の所持金は150000となっている。これが多いか少ないかはわからないが、初期装備にしては額が多い気もする。きっとヴェルナーを倒した時に入手した分も含まれているのだろう。


「気が重いけど、それなりに戦闘にも参加しないとダメな感じかな…」


 働かざるもの食うべからず、とも言う。モンスターを倒さねば経験値だってアイテムだってコインだって入手できない。


 たとえ他の方法があったとしても、現時点ではモンスター討伐がいちばん確実で手っ取り早いのは確かである。


(アイテム生成でもある程度経験値はもらえるだろうけど、それだけでコインは入手できないし)


 それにいざという時戦闘の経験があるのとないのでは、結果が違ってくるのは目に見えていた。ヴェルナーのこともあるし、できれば殺したりしたくないとの気持ちもあるけれど、こちらに攻撃してくるようなモンスターとは戦っていく必要があるだろう。


「武器、なんとかしないとな」


 さすがに全部手刀というわけにもいかない。触るの気持ち悪い系もいるだろうし。




 陽が出たら、何か探してみよう。そう考えている間に、うつらうつらしはじめていたらしい。


 気が付くとミツキはまた、睡魔に襲われていた。火の番を代わってくれるかのようにヴェルナーが傍に寄って来てくれた気配を感じながら、ミツキはゆっくりと、意識を手放した。



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