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海賊GAME  作者: niyuta
乙女の野望
64/73

変わった趣味

「やっぱり、ジェニー様受け、シヴァ様攻めの単一よね」


私は同人誌を読みながら言う。


ジェニー様、シヴァ様とは私がよく読む海賊モノのネット小説の登場人物である。


今、私が読んでいる同人誌は別にそのネット小説の同人誌では無いが、俗にいうボーイズ・ラブな同人誌だ。


「……」


「凜もそう思わない?」


私は同じ部屋にいる凜に聞いた。


「えっ、ああ、そうかな?」


私の問いかけに凜は無難に答える。ちなみに彼女はボーイズ・ラブ愛好者では無い。私が通う学校のクラスメートだ。私と仲の良い彼女はよく私の部屋に遊びに来る。


しかし彼女にはひつこくお願いをして私が愛読している、その少しオタクな海賊小説を読んでもらった。


彼女曰く、面白い人には面白いかもしれないな、だそうだ。凜らしい無難な回答だ。


もう、なぜ分からないの。この良さが!超可愛い男の子が海賊の船長で、たくさんの仲間を従えて、そしてその少年はとある国の王子様だったのよ!!


周りの仲間も美形ばかり!!それが海賊で敵をバッタバッタと倒すの!!


もうソソられて堪らないじゃないの!?


私が萌えまくっていると凜は言うの。「荒唐無稽」だなって。


コートウムケイって何よ?


そりゃ、現実の海賊は酷い環境だったって知っているわ。しかし、ボーイズ・ラブはコートウムケイじゃ無いわよ。


私が読んだ文献によると……長い間、船上で生活をする海賊。ストレスは計り知れないだろう。もしかしたら、ストレスのはけ口として同性愛も存在したかもしれない……って書いてあったのよ!!!!


もう、決まりね!!ジェニー様受け、シヴァ様攻めの単一で決定よ!!


ああ、自分が絵さえ上手かったら自分で描いちゃうのに。


美少年海賊、美少年親衛隊……戦い……そして、真実の愛……


私が悶えていると……


「なんだ、これは?海賊GAME?」


ケータイを見ていた凜が独り言を言う。


なぬ?海賊とな?


「え?凜、どうしたの?」


私は素早く凜に聞く。


「由紀。ちょっとこれ見てみな。なんかあんたが好きそうな感じのゲームだよ」


私は凜のケータイを覗き見る。

________________

【海賊GAME】

「無料(ゲーム内課金有)」

『ゲームバランス最悪!!ただ面白いだけのどうしようもないゲーム!!』

《今ならゲーム内通貨1,000ピース・オブ・エイトをプレゼント》

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

おおっ!超美形や!!


【海賊GAME】と書かれたそのゲームアプリは超美形なお兄さん海賊と、超可愛い男の子海賊が向かい会って見つめ合うグラフィックが描かれていた。


おおっ!おおぉっ!!


そして可愛い男の子は少し潤んだ瞳をしてお兄さんを見つめている。それが海賊の衣装なのか、二人とも半裸だ!!


おおおおっ!!うぉっ!!


うん?美形のお兄さんの方に吹き出しが出てきた……「俺が全てを奪ってやる」ですって!


な、な、なんですってっー!?


「俺がお前の全てを奪ってやる」ですってっ!?


そんなん、ありですかっ!?


本気ですくゎあ!!


私はすぐにその【海賊GAME】というアプリを自分のケータイにダウンロードする!!


横から凜が話しかけて来るが私は彼女にも【海賊GAME】をするように勧める。


そしてゲーム開始!!

________________

【ステータス】

Lv : 1

HP :15

STR :13

VIT :13

INT :18

AGI :23

LUK :41

PIR :10

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

あまり私はゲームをやらないけど、これはステータス画面というヤツで、これは私の能力を示しているのよね……


なんか異様な偏りを感じるけど、これが普通なのかしら?


次は「スキル」の画面?無視、無視。次は?


名前?自分の名前を決めるのかぁ~。


どうしようかなぁ?ユキ?うーん……まあ、適当でいいか。


ヤオラーにしよ。


……ヤオラーは間延びしてるわね。ヤオラでいいか。


次は海賊の種類?どれでもいいわ。


次、次!!


次は特殊技能?これは一つだけしか選べないようね。


次、次!!

________________

キャラクターを選択

◯キャラクターを作成する

□年齢

□性別

□見た目


◯まんまいく

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

キャラクターの作成か……


どうしよう?年齢は十六歳のままでいいわよね。


性別?海賊になるゲームなのよね?女海賊でもいいけど……ボーイズ・ラブ、ボーイズ・ラブ……


私は自分の性別を男にする。


次は見た目か……


別に私自身がボーイズ・ラブしたい訳では無いからなぁ~。


私は、画像を次々と見ていく。


まあ、ここは適当でいいか。


私はメガネをかけた、ちょいカッコ良さげな男の子の見た目にした。


よし、確定!!


あ、あれ?ね……眠い…………


私は睡魔に襲われベットに倒れこむ。


薄れゆく意識の中で凜が私を呼ぶ声だけが耳に届く……

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