ゲームをする理由
ジークさん達が、一生懸命捜してくれたにも関わらず凜は見つからなかった。
まあそれは、現実世界に戻った時に凜に会って、どこにいるのか聞けばいいので、そんなに焦る事は無い。
「ジークさんは、なぜこのゲームをやってるんですか?」
私は結局、ジークさんの海賊船に乗り込み一緒に航海をしている。
「俺?暇つぶしだよ」
そうか、暇つぶしか。そうよね。普通はそうだ。
「お前は?」
「えっ、私?」
やばいな、本当の事は言えないし……
「……私も暇つぶしです」
私は適当にお茶を濁して、本当に聞きたい事を聞く。
「ベルンさんとは、どこで会ったんですか?」
「あいつ?そうか、もう俺が仲間にしたから現れないんだってな。あいつは元々パウルの仲間だったんだよ」
ええっ!?そうなの?
じゃあ、私がベルン君を仲間にする事は出来ないのね。それは残念だわ……
「このゲームの中の人達は、みんなあんなにかっこいいんですか?」
「えっ?」
私の質問を不思議と思ったのか、ジークさんは変な顔をしてこちらを見る。
「いや、みんな、ブルグンみたいな感じだよ」
ガーンッ!!
あんまりだわ!!
「そういえば、いたな。凄いハンサムが……」
ジークさんが思い出したかの様に言う。
えっ!そうなの?
「トゥルルだったかな?カナエっていう海賊の所にいる奴なんだけど、奴はハンサムだったな」
ふん、ふん。トゥルルね。
なんか道のりは遠そうね。もっと、一つの中にドッカン、ドッカン美少年が集まってるような海賊は無いのかしら?
ベルン君と直接、会話をしてみたいな……
海賊っていうのは私の想像とは違うのかしら?
私は甲板の上をテクテクと歩き、ベルン君を捜す。
おお、いたいた。ベルン君は一人で剣の稽古をしているようで、汗をかきながら剣を振るっている。
滴る汗がカッコイイ!!ソソる!ソソるわぁー!!
私が横からジッと見ていると、それが気になったのか、彼は剣の稽古を止めてしまった。
そして不思議そうな顔で私を見る。
「何か用ですか?」
「えっ?私」
どうする?あまり素直に聞いてもまずいかしら?ちょっと遠回しに聞いた方がいいわよね?
「べ、ベルンさんは好きな人とかいますか?」
私のこの質問にベルン君は目を丸くする。
あら?唐突すぎたかしら?
「別にいませんよ」
うむ、少し顔が赤いような気がする。
よし、ズバリと聞いてみようかしら。
「ベルンさんは、その……」
いや、ダメダメ!そんな事を聞いてはダメだわ。絶対変に思われる。
「何ですか?」
私がモジモジとしているとベルン君が聞いてきた。
……いや、もう聞くしか無いわね。
「ベルン君は、その男の子が、男の子を好きなのをどう思いますか?」
「えっ!!?」
やばい、ベルン君が驚愕の表情で私を見てる!!