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海賊GAME  作者: niyuta
荒くれ者の集まり
49/73

欲しいのは……

「があぁっー!!」


「くっ!」


パウルの撃った銃の弾は私の頬をかすめる!!


そして私の撃った弾は……奴の右肩に直撃した!!


パウルは右肩を押さえて呻く。


さすが、海賊の親分である!見苦しくのたうちまわったりはしない。


しかし、奴はもう戦闘不能だろう。


私は一歩、また一歩とパウルに近づいていく。


パウルは苦し紛れに言う。


「ガハハッ!!若いのに、たいしたもんだ」


「……」


「しかし、俺には勝てねぇ!!こちらにはまだこれだけの子分がいる」


そう言うと、パウルは周りの子分達を指差した。


「……」


確かに、周りを囲むパウルの子分達が一斉にかかってこれば、私はどうする事も出来ないだろう。私にはもう「海賊力」が「1」程しか残っていないはずだ。


「選べ!!俺の子分になるか!?死んで朽ちるか……どっちだっ!?」


私は少しずつ、パウルに近づく事を止めない。


周りのパウルの子分達もかなりの緊張状態である。


「どうした?このパウル・ハウゼンの軍門に降るのか!?殺されてこの世を去るか……さあ、選べ!!若造!!」


私はパウルのすぐ近くに立つ。


右腕を負傷しているパウルは、剣を握ってはいるが、まともに構えれてはいない。


私は愛用のシャムシールを振り上げる!!


私の動作を見たパウルは慌てて自分の子分達に命令をする。


「お前達!!かかれ!!」


しかし、遅い!!


私は叫ぶ!!


「欲しいのは親分でも子分でも無い!!一緒に何かをやり遂げる為の仲間だ!!」


ズシャッー!!


私は剣を振り下ろし、海の悪魔パウル・ハウゼンを真っ二つにした!!


「があぁっー!!」


パウルは全身から血を流して……ゆっくりと前のめりに倒れる。


「……」


勝った……


海の悪魔と呼ばれる、パウル・ハウゼンに私は勝ったのだ。


……そしてたった今、「海賊力」が切れたようだ。


身体が重い。しかしかろうじて「体力(HP)」は残っているようである。ゲーム・オーバーにはならない。


しかし、周りを囲むパウルの子分達70人が一斉に掛かって来れば、ひとたまりもないだろう……


私は気力を振り絞って、どうにか周りをギロリと睨む!!


「……」


「……」


掛かって来る者はいないようだ。


「お前達っ!!」


私は周りの海賊を睨みながら叫ぶ!!


「パウルは死んだ!!」


「……」


「他に死にたい奴がいれば前に出ろっ!!」


駄目だ。倒れそうだ。とりあえず、一歩前に出てくる奴はいないようだ……


「死にたくない奴は……私に従えっ!!悪いようにはしないっ!!」


「……」


どうだっ?


「……」


どうする?お前達……


「……」


駄目、倒れそう……


「……お、おおぉっ」


「おっー!」


「おぉっー!!」


「おおー!!」


「おおっー!!」


歓声が上がる!!


よし。周りの海賊どもは私を新しい親分として認めたようだ!!


これが私が名実共に海賊になった瞬間であった。

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