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海賊GAME  作者: niyuta
荒くれ者の集まり
45/73

持たざる者たち

相手が民間船でも、この人達には荷が重いと思っていたのに、まさか本物の海賊とやり合うハメになるとは!?


そして奴らは行動が速い!!


船が接舷をするかどうかの時点で、すでに何人かがこちらの船に乗り込んで来たのだ!!


あまり大量に敵が乗り込んで来ては太刀打ち出来ない!!


「投下して下さい!!」


私はマストの上に立つ第四部隊に指示を出した!!


私は五十人程の仲間を一部隊約十人程の五部隊に分けていたのだ。


そして少しでも腕っ節の強い者、剣の腕に覚えがある者を第一部隊から第三部隊に振り分けた。


さらに身軽な者を第四部隊にして、そちらはマストの上から手投げ弾を投下する部隊にしたのだ。


そして、それ以外を第五部隊にした。こちらは船を接舷したり、戦闘中に船の操作が必要になった時の為の部隊だ。


そして第一部隊から第三部隊には、さらに三人ずつでチームを組ませる。


絶対に一対一で戦ってはいけない。三人がかりで一人の敵に攻撃をするのだ!!


これなら、敵が強くてもそうそう遅れを取る事は無いだろう!!


しかし、三対一で戦いたくても敵の数が多い時はどうするか?そんな時は銃だ。


一つのチームに二挺ずつ銃を持たせていた。どうしても苦しい時は銃を使う。しかし、それは奥の手である。銃は出来るだけ温存すること。


そして、一発しか弾を撃てなくても、撃ち終わった後に銃を手放さない事。


ただ構えているだけで、じゅうぶん敵には牽制になる。


乱戦になれば、誰が銃を撃って、誰が撃っていないかなど分かる訳がない。


敵はこちらが銃を向けるだけで警戒する事だろう。


私の掛け声に合わせて、第四部隊が手投げ弾を敵船に投下した!!


タイミングはバッチリだ!!


ボッゥッ!


ドンッ!!


あちらの船で火の手があがる!!


「第一、二、三部隊は掛かって下さい!!」


向こうの船からこちらに乗り込んで来たのは五、六人程度!


これならいけるか?


第一部隊から第三部隊は一部隊12人である。三人のチームが四つだ。


つまり、こちらが36人で敵が6人。


普通なら袋叩きである。


しかし……


ドッシーン!!


あちらの船とこちらの船が接舷された瞬間に大きく船が揺れた!すると情けない事にこちらの人員はよろけたり、ひどい者はコロンと転がってしまう。


しかし、向こうは本職の海賊だ!!船と船の接舷の瞬間は、うまくバランスを取り、よろける者などいない。


それはそうだろう。命のやり取りの最中なのだ。こんな時に悠長にコロリと転ぶのは落ちこぼれのおっさんぐらいのものだ。


第一部隊から第三部隊で、こちらは36人、向こうは6人だというのに、何故か不利になってしまう。


落ちこぼれのおっさん達に、敵海賊が襲い掛かる!!


早くもピンチだ。


「撃てぃ!!」


ズドッンッ!!!!


ドッンッ!!


私の掛け声で銃を持っている者達が発砲する!!


「があっ!!」


「うぅっ!!」


よしっ!!やった!!


銃の効果は凄い!


敵の六人を瞬く間に戦闘不能にした。


襲うつもりが逆に海賊に襲われたことで、こちらのおっさん達は慌てまくったようだが……しかし、銃の力で敵の第一陣はどうにか退けた!


敵の第一陣は退けたが……


しかし、この様子では、こちらから向こうに乗り込むのは危険だろう。


どうするか?


船を引き離そうにも、そちらに気を取られては応戦が不十分になる。


私が迷っていると、さらに続々と敵海賊が乗り込んで来る。


「応戦して下さい!!」


まずい!!数が多い!!


いきなりだがあれを出すしか無い!!


私は言う。


「ラム酒を一杯発動!」


これは私が「オーバー・ヒート」を発動する時の掛け声だ!!


私は乗り込んで来た敵の中に突っ込みシャムシールを振るう!!


そして、自分の力に驚く。


これは凄い!!


ほとんど無敵では無いか!!


これが「オーバー・ヒート」の力か!?


ゲーム・バランスが最悪の逸品とはよく言ったものだ!


素晴らしい。


「カナエ!」


「カ、カナエ」


あたふたとしていたおっさん連中が私の活躍により落ち着きを取り戻す!!


私のシャムシールの一振り毎に敵が一人倒れる。


しかし、いくらなんでも敵の数が多過ぎる。周りを囲まれてはたまらない。それにステータスMAXといえども、敵の攻撃を受ければ傷も負うのだろう。


オーバー・ヒートを停止した時に「体力(HP)」が「0」になっていればそれで終わりだ。


特に私は「知力(INT)」以外のステータスが極端に低い。気を付けなければいけない。


「どんどん投下して下さい」


私は第四部隊に手投げ弾をどんどん投下するように言った。


ドンッ!!


ボッウッ!


手投げ弾が相手の船にどんどんと投げ込まれる!!


これで向こうが消化活動に人員を取られれば、少しは楽になるかもしれない。


しかし、それでも敵の数は多かった。第一部隊から第三部隊まででは荷が重いか?


こちらは人数的には36人だが三対一でしか戦える程の実力を持っていない。


つまり実質、こちらは12人しかいない事と同じだ……


第四部隊と第五部隊も斬り合いに参加させるべきか?


ちなみに第四部隊は合計六人。


第五部隊は11人である。


しかし、剣をまともに扱えそうな者は全て第一部隊から第三部隊に振り分けたのだ。


今さら第四部隊と第五部隊を投入しても大きな戦力にはならないだろう。


しかし、手投げ弾も底を尽きたようである。いないよりはマシか。


「第四部隊、第五部隊も斬り合いに参加して下さい」


総力戦である!!


全く太刀打ち出来ないかと思われたが、落ちこぼれのおっさんのパワーは凄かった。


陸で落ちこぼれて海に出たおっさん達は、持たざる者達である。もう失うものは何も無いとばかりに剣を振るう!!


そこに私の「オーバー・ヒート」が加わる。


相手が本物の海賊とはいえ、一方的にやられることにはならなかった。


私達は船首に固まり、周りを囲まれるのを防ぐ。


そして私が先頭に立つ!!


正面から掛かってくる者は私の「オーバー・ヒート」の餌食である。


もう、私に正面から掛かってくる者はいない。


そして先頭にいる私を避けて、背後に回り込もうとするなら、持たざるおっさん達に袋叩きだ!


このおっさん達はタチが悪い。私が指示した事ではあるが、一人に対して三人がかりで掛かってくるのだ!!


うまく数人がかりでおっさんとやりあおうにも、おっさん達は人数的に不利になれば、すぐに銃をぶっ放す!!


しばらく小競り合いが続いた後、戦いは睨み合いの膠着状態となった。


あまり膠着状態が続くのもこちら的にはまずい。


私たちは船首に固まって周りを囲まれるのを防いではいるが、しかし飛び道具を持っているのは私達だけではないだろう。


もし、パウル側が銃や、手投げ弾などを用意するとまずいことになる。


しかしパウルの子分達はそれらの物は用意しなかった。


代わりに出てきたのは……


なんとも可愛らしい少年であった……

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