封じられた奥の手
これにはジークの愉快な仲間達が衝撃を受ける!!
「ジークさんっ!?」
「ジークさん!?」
ベルンやブルグン達が叫ぶ!!
悔しい!!悔しいが俺は痛みの為に動く事もままならない!!
「まず、武器をおさめろ!!お前達!!」
カナエは叫ぶ!!
「よ、よくもジークさんをっ!!」
ものすごい勢いで、ベルンがカナエに掛かって行く!!
トゥルルがそれを食い止めようとするが!!
「こいつは手強いっ!トゥルルさんはあっちを!!」
カナエはブルグンを指差して言う!!
カナエは未だ「オーバー・ヒート」発動中だ!!ステータスは全て「67」である!!
それに比べてベルンは一体何十分戦い続けたのだろう!?
もう、疲労の為に、いつものスピードある動きが出来ない!!
それでもベルンは粘った!!
いったい、何合斬り結んだだろうか?
しかし、カナエは延々と能力が落ちないのだ。
勝てる訳が無い!!
結局ベルンもカナエにはかなわなかった。こうしてベルンもカナエにやられてしまう!!しかし、仲間にする為か殺されはしなかった。
最後のブルグンは可哀想だった。いつもの十名ほどの手勢と共に粘った!!粘りに粘った!!
しかし多勢に無勢だ!!そこにベルンを倒したカナエも参戦した。
こうしてブルグンもやられてしまったのだ。
最後にはジークの愉快な仲間達は皆ボロボロの状態であった……
するとカナエは大急ぎで仲間に指示を出す。
「すぐに戦利品をこちらに回収して下さい!」
そして、カナエが動けないでいる俺の近くにやって来た。
その後ろにはカナエの子分に囲まれたベルンとブルグンが連れてこられる。
「あなた達の船長はもうすぐ死にます。私が勝ちました。よって、あなた方には私の仲間になってもらいます」
「……」
「……」
カナエは二人に仲間になるように言うが、ブルグンとベルンは何も返事をしない。
しばらくしてから、カナエが不思議そうな顔でもう一度言う。
「次の船長は私です。あなた方には仲間になって頂きます」
「お断りだ。あんたの仲間になんかならない」
ベルンが言う。
その言葉にカナエがびっくりして言う。
「おかしい……そんなはずは無いのですが……普通は仲間になるのに……」
しばらく考え込んだカナエが言う。
「……信頼度……本当にあるのか?そんなパラメーターが……」
しばらく考え込んでいたカナエだったが、深くため息をついて言う。
「仲間にならないのなら、用無しです。申し訳無いですが死んでもらいますよ」
ベルンはカナエの脅しを聞いても怖気付く事なくにこやかに笑う。
「くっ」
今度はカナエはブルグンの方を見て言う。
「ブルグンさん。あなたは分かりますよね?」
「……」
「私の仲間になるか?死ぬか?二つに一つです」
俺は思う。ブルグンはカナエの仲間になりそうだな。
「仲間になります。だから命だけは助けて下さい」
そらきたっ!!
ブルグン!お前はそういう奴だよ。
「カナエ様と呼ばせて下さい」
「……」
しかし、カナエはブルグンの言葉を疑っているようだ。
「では、ブルグンさん。証拠を見せてもらっても良いですか?」
「証拠?」
ブルグンが不思議そうにカナエに聞く。
「あなたが、ジークさんにトドメを刺して下さい」
そう言うとカナエはブルグンに剣を渡す。
やばいっ!!
ブルグンに殺されてしまう!!
俺は奥の手を出す事にした。
ずっと左手に握っていたスマホの画面を見る。
画面は「ピース・オブ・エイト」を「海賊力」に交換する画面だ。
持ち金の1,200ピース・オブ・エイトを全て海賊力に交換してやる。
俺は「確定」ボタンをクリックした!!
ぬははははっ!!
反撃の時は来た!!
カナエめ!!今度こそぶっ倒してやるっ!!
……
…………
………………あれっ!?
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【エラー】
ピース・オブ・エイトが足りません!!
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あれ、あれ?
なんで?どういう事だ?
「もう、あなたはピース・オブ・エイトを持っていませんよ」
カナエが俺に言った。
ちっ!!ばれていたかっ!?
しかし、なぜだ!?
なぜ、俺は「ピース・オブ・エイト」を持っていない?
「私が先ほど回収しました」
なんだとぉ!?
そういや、さっき仲間に「戦利品をすぐに回収しろ」と指示を出していたな!!
やばい!やばい!やばいぞ!!
信じられない程、あっさりと奥の手を封じられてしまった!!
こんなん有りかっ!?
ゲーム終了だ!!リセットだ!!リセット!!もうゲーム・オーバーでも終了でもどっちでも良い!!
俺はスマホを操作して、前に見つけたゲームを終了する為のボタンである「航海をおわる」をクリックする。
……
…………
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戦闘中はゲームを終了できません!!
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なんだとぉ!!そんなん聞いてないぞ!!
「さあ、ブルグンさん」
カナエは、ブルグンに俺を殺すようにけしかける。
ブルグンは冷めた目でこちらを見ている!
こいつはやばい!!