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海賊GAME  作者: niyuta
海賊の生活
34/73

限界を越える

俺は何度も何度もカナエを攻撃するが、全て弾かれてしまう。


くそっ!なぜだ!?


いったいどれほど斬り結んだだろう。カナエが突然、俺と距離を取って独り言を言う。


「もうそろそろかな……」


なんだ?


「……海賊の眼発動」


なんだ!?海賊の眼とは?何も起こったようには見えないが……


うん!?しかし、カナエは俺の頭の上あたりを見ている!


どうもこの雰囲気……あのアイテム……虎眼石の指輪を使っているな。それで俺のステータスを見ているのだ。


「うん……もうそろそろだな」


また、カナエは独り言を言う。


俺は推理した。奴はプレイヤーだ。「オーバー・ヒート」の仕組みを知っている。


この状況で気になるのはやはり相手の海賊力だろう!!


カナエは俺の残りの海賊力を見た。そして、後「1」か「2」しか無いのを確認したのだ!!


俺の海賊力が尽きて「オーバー・ヒート」が解除されたら勝負をかけるつもりなのだろう!


確かにその方法が一番正しい。


「オーバー・ヒート」発動中の相手にはいくら傷を与えても「体力(HP)」が「0」にはならないし、減りもしない。そんな相手に攻撃を繰り返しても、自分が「体力(HP)」を消耗してしまう。


もちろん、自分も「オーバー・ヒート」を発動しているので、「体力(HP)」を消耗してもMAXから減りはしない。


しかし、問題は「海賊力」が無くなった後だ。「オーバー・ヒート」が解除された時に「体力(HP)」が通常の状態に戻って一気にツケが回ってくるだろう!!


ようやくこの【海賊GAME】のゲーム・バランスが最悪と言う意味が分かって来た……


俺は最後の力を振り絞ってカナエを攻撃する!!


しかし、カナエに全く歯が立たない!!


何故だ!!


このままでは、こちらの「海賊力」が尽きて、その瞬間にカナエにズタボロにされてしまう!!


俺は少し不安になってきてしまった……


カナエの海賊力は残りいくつなのだろうか?


俺は現在「1,265」ピース・オブ・エイトを持っている。


「ピース・オブ・エイト」を「100」で「海賊力」「1」と交換出来るから、つまり俺は「海賊力」を「12」増やす事が出来る。


今が残り「1」か「2」だとしても「海賊力」を「12」追加出来るのだ。


しかし……もし……


カナエの残りの「海賊力」がそれ以上だったら……


結局は先に「海賊力」が尽きるのは俺であって、カナエでは無いかもしれない。


一心不乱にカナエを攻撃していた俺だが、一度、俺はカナエと距離を取った!!


俺は大きく後ろに下がるが、カナエも深追いはして来ない!!


カナエとしてはただ時間が過ぎるのを待った方が良いからだ。


俺はカナエに向けて言う。


「コガン発動」


これは俺の虎眼石の指輪発動の言葉だ。


ハルバードのサガから奪った虎眼石の指輪が三つで、使ったのはブルグンとベルンの二人。


後一つ残していたのだ。


カナエの残りの「海賊力」を確認しなくてはいけない。


「12」以上あったら勝てないからだ……


カナエの頭上にパラメーターが浮かび上が……


なっ!?なんだとぉ!!


嘘だろ!!


どういう事だ!!

________________

《カナエ》

【ステータス】

Lv : 11

HP :67

STR :67

VIT :67

INT :67

AGI :67

LUK :67

PIR :23

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

なんだ?「67」って?


MAXは「60」では無いのか?


俺が驚愕していると……


「虎眼石の指輪ですか?では私のステータスを見ましたね……」


「……」


「……そういう訳です。これが他のプレイヤーを倒した時の特典です」


カナエは楽しそうに言う。


他プレイヤーを倒した時の特典?


「プレイヤーが他のプレイヤーを倒すとステータスのMAXが1ポイント上がるのです」


なんだと?そうなのか?


つまり、始めはステータスのMAXは「60」だが、このオンライン・ゲーム上で他のプレイヤーを倒せば一人倒す毎に「61」、「62」と増えていく訳か……


という事は、カナエは今までに七人のプレイヤーを倒しているわけだな……


俺が衝撃を受けていると……


「貴方があのアイテムを持っているのがめんどくさいですが、倒させて頂きますよ!!」


しまったっ!!


カナエが大上段から、シャムシールを俺に振り下ろす!!


カナエのステータスが俺より高い事に衝撃を受けて反応が遅れた!!


ズシュッー!!


「があっー!!」


カナエの剣が俺の肩から脇腹を斬り裂いた!!


がぁっー!!うぅっー!!うぅっ……


俺は……甲板の上をゴロゴロと転がりながら苦しむ!!


痛いっ!!


これは駄目だろう!!もう、ゲーム・オーバーだ!!ゲーム・オーバーにしてくれ!!


「……」


カナエは苦しみながら転げ回る俺を静かに見ている。理由は分からないが、何故か追撃はしてこない。


ゲーム・オーバーになりたい俺は小声で「オーバー・ヒート」を解除した。


苦しんでいる俺を第二の苦痛が襲ってきた!!


よしっ!!急に身体が重くなったぞっ!「体力(HP)」が元に戻ったのだ。


……しかしゲーム・オーバーにならない!?


「体力(HP)」が元に戻ったはずなのに!!


これでも、まだゲーム・オーバーでは無いのか?


こんな大怪我を負っても、まだ「体力(HP)」が「0」では無いと!?


どういうゲームなんだ!?もう、ゲーム・オーバーでいいから止めさせてくれっ!!


俺が呻きながら苦しんでいるのを見てカナエが言う。


「どうやら、海賊力が切れたようですね」


カナエはそう言うと深く息を吐いた。


その後、大声で叫ぶ!!


「不死身の海賊ジークを討ち取ったぞっ!!」

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