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海賊GAME  作者: niyuta
海賊の生活
31/73

反撃開始

俺が相手の船に乗り込むと、想像以上の敵がいた!!


いったい、何人の人間が船倉に隠れていたというのだ!?


俺は敵を斬って斬って斬りまくった!!


身体中に敵の返り血を浴びながら、俺は次々と敵を屠る!!


そしてブルグンとベルンを見た!


二人とも自分の役割を完璧に果たしている!!


ベルンは着実に敵を一人、また一人と倒している!!そして一人にかける時間が信じられないほど短い!!


恐ろしい!!戦う為に生まれてきたような奴だ!!


いろいろな意味で恐ろしい……


女性ファン獲得の為に【海賊GAME】がやたら、ベルンを可愛いキャラにしてしまった!!


その可愛い容姿のベルンが無表情に黙々と敵を殺害していく!!


その光景に俺は薄ら寒いものを感じる。


そして、真正面から敵船に乗り込んだブルグンとブルグンの手勢は、周りを大勢の敵に囲まれながらも孤軍奮闘している!!


ブルグンが大勢の敵を引きつけてくれるので、俺とベルンが囲まれる事も無く、敵を各個撃破出来ると言える。


もう、俺はかなりの敵を倒した。まだまだ敵は多いが、俺は一度、「オーバー・ヒート」を解除する。


残りの「海賊力」が心配だったからだ!


そして激戦の中ではあるが、俺は懐からスマホを出して、自分のステータスを確認した!!


くそっ!!残りの「海賊力」は「5」だ。


この後、山場は来る!!それまでは「ショーテル」のステータス「100」だけでノラリクラリと凌ぐしか無い!!


敵を倒すスピードは格段に落ちるが仕方が無い!!


俺はショーテルの剣技だけで黙々と敵を倒す!!


このゲームの「体力(HP)」と「生命力(VIT)」と、実際のスタミナ、つまり疲労との関係はよく分かっていないが、疲れによって能力は低下する。


出来るだけ疲れないように敵を削らなければいけない。


しかし疲れ切ったとしても、俺には奥の手がある。「体力(HP)」がゼロにさえならなければ……死にさえしなければ最強になれるのだ!!「オーバー・ヒート」で……


俺はこの船に乗り込んでから、いったい何人の敵を倒しただろう?さすがに疲れてきていた……


俺は右手にショーテル、左手にスマホを握る例の戦闘スタイルで戦い続ける。


しかし、スマホの画面を見る余裕は無い。俺も徐々に敵に囲まれ始めたのだ!!


ベルンとブルグンを見る!!


やはり、あいつらもかなり疲労しているように見える。


動きに精彩が無い!!


しかし、あと少し!あと少しだ!!敵はかなり減った!!


ここを乗り切れば巻き返せる!!


俺は、ここがターニングポイントと思い、「オーバー・ヒート」を発動しようか迷っていると……


「ジークさん!!大丈夫ですか?」


この声は?


カナエがやってくる!


敵に囲まれた俺を心配しての事だろう。


……


…………俺は「オーバー・ヒート」を発動する。


ドタドタとやって来たカナエはシャムシールという武器を振り回し、俺を囲む敵をかき分けて俺の隣に到着した。


「カナエ!よく来た!大丈夫か?」


「大丈夫です!!後少し、頑張りましょう」


カナエはいつものニコニコ笑顔で力強く言う。


俺とカナエは背中合わせで戦う!


もうインテリ海賊とジーク軍とではあまり戦力差は無いように思える!


しかし、周りを囲む敵はニヤニヤと俺を見て笑う。


その笑い方が嫌に不気味だ!


それに先程まで、どんどん攻撃を仕掛けてきた敵が、なぜか攻撃の手を休めているような気がする。


なぜだ……


むっ!!


何か背後の気配が変わった!!


周りを囲む敵達の視線が、全て俺の背後に立つカナエに集まっているような気がする!!


俺は剣を構えながら、背後を振り向く!!


キュッイーン!!


俺は自慢のショーテルでカナエの攻撃を受けた!!


やはりっ!?味方であるはずのカナエが俺に攻撃をしてきたのだ!!


すかさず、俺はMAXパワーで目の前のカナエに反撃をする!!


ギンッ!


なんと、カナエはMAXパワーの俺の攻撃を弾いた!!そして背後に跳んで俺から距離を取る!!


「……」


「……」


カナエはいつものニコニコ笑顔で俺を見ながら言う。


「よく、今の攻撃を受けられましたね。もしかして最初から、私の事を疑っていましたか?」


「……ああ、やはりお前は俺を騙していたのだな?」


「はい……しかし、よく分かりましたね?」


カナエは不思議そうな表情で聞く。


「最初から何かおかしいと思っていたさ」


そう、俺は最初からカナエが何かを隠している事に気付いていた。


「どうして分かりましたか?」


「お前が最初にベルンに会った時だよ」


それを聞いてカナエは目を丸くする。


「確かに私はベルン君を初めて見た時に、かなり驚いてしまいましたが、それだけの事で?」


「お前は最初からベルンを知っていた。しかし、嘘を付いた」


「どうして、私が元からベルンさんを知っていたと思うのですか?」


俺はカナエの質問に答える。


「俺が、お前にベルンと手合わせをしてみろと言った時だ。お前は『とてもベルンにかなう訳が無い』と言った……」


「……」


「……なぜ、初対面なのにベルンのとんでもない強さを知っている?」


「確かに……それは失敗ですね」


カナエは苦笑いをしながら言う。


「それと、ハルバードのサガと戦った時だ」


「まだ、あるんですか?」


カナエは言う。


「俺を助ける前、お前はかなり遠くにいた。しかし一瞬で俺の元にやってきた。それはお前の素早さが高い証拠だ……」


「あの時ですか?」


「しかし、お前は普段の戦闘でそれを隠している」


「……」


「それはお前が、俺たちに本当の強さをばらしたくないからだ」


カナエは観念したかのように笑う。


「お前はインテリ海賊の仲間なのだろう?だから、この航路で俺達がイースラント港に戻るように仕向けた」


そしてそこにインテリ海賊が待ち伏せていたのだ。


「そこまで分かっていながら、なぜ、私の言うルートでイースラント港に向かおうとしたのですか?」


カナエは不思議そうに聞くが、俺としてはカナエがなんとなく怪しいと思っていただけで、何かの確証を得ていた訳では無い。


だから、無理にこのルートには反対をしなかったのだ。


それにこちらには反則技の「オーバー・ヒート」がある。


どんな罠に掛かろうとも、最後に勝つのは俺だ……


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