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海賊GAME  作者: niyuta
海上の略奪者
13/73

パウル・ハウゼン登場

出たな!パウル・ハウゼン!!


信じられない程の凶悪顔だ!!


目は細く、まぶたははれぼったい。少し太った顔の下半分は髭がぼうぼうと生えていて、その不気味さを増している!!


このタイミングで出てきたかラスボスめっ!!


もう勝てないだろう!?こんな状態じゃあ……


なんといっても「海賊力」が「2」しか残っていないのだ!!


言うなれば、ロール・プレイング・ゲームで……万全の状態でダンジョンに乗り込むが、ラスボスのところに着いた時には、マジック・ポイントも薬草も全部使い切っているようなものだ!!


ラスボスを倒せる訳が無い!!


クソゲーめ。どうやってゲームを進めれば良かったというんだ!?


俺は考える。この【海賊GAME】なりのゲームの進め方があったはずだ!?


手錠を壊そうと、あそこで海賊力を無駄遣いしたのが失敗だったか?


いや、違う。もっと、こういうゲーム特有の何かが……


ダッンー!!


「うがっ!!」


なっ!?何が起こった!!いきなり敵海賊の一人が苦しみ出したぞ!!


その海賊は甲板の上を苦しみながら転げ回る!!


見るとパウルは銃を握り、その銃からは煙が上がっている!!


撃ったのか!?こいつ!!仲間を撃ちやがった!!信じられない!!


「どうしたぁっっ!?早く掛かって行かねえか!!」


パウルはけしかけるが、パウル勢は俺とベルンの達人レベルの戦いを見ている!!


さすがに恐れをなして俺には掛かって来な……


ダッンー!!


「がぁっ!!」


信じられん!!また一人、仲間を撃ちやがった!!


「お前らぁ~、そいつと俺と……どっちが恐ろしい!?」


パウルは煙の立ち昇る銃口を俺に向けて、いやらしく笑いながら言う!!


狂人だ!!狂人がいる!!


パウルは新しい銃に持ち替えて言う。


「次はどいつだぁー!?」


駄目だ!?やばい!!


「うぁー!!」


パウル勢の数人が変な叫び声をあげて俺に掛かってくる!!


「らぁ!!」


俺は気合いを入れて、掛かってくる敵を薙ぎ払う!!


やばい!!身体が言うことをきかない!!


これ以上はやばい!!


俺は右手でショーテルを持ち、左手でスマホを持つ。


剣を持つ手とは逆の手なので、スマホを持っていても、そんなには邪魔にならない。そんな事よりも、今は自分のステータスをいつでも確認出来るようにしておく方が大事である。


また、あらたに敵が俺に突っ込んでくる!!


ひぃー!


俺は内心で情けない声を出すが、敵に弱みを見せてはまずいと表面上は普通を装おう。しかしもう「体力(HP)」も、「生命力(VIT)」もほとんど残っていない。


今度こそゲーム・オーバーだ。


しかし、あの狂人には一矢報いてやる!!


自分の仲間を殺し、脅して攻撃させるとは胸くそが悪い!!


ゲームのキャラと分かっている!!そんなのに本気で腹を立てている自分は、もうこのゲームの術中にハマっているとも言える!!それが悔しい!!


しかし生理的に許せんものは許せんのだ!!


俺はジリジリとパウルに近づいて行く!!


使える「海賊力」はあと「2」ポイント!!


今までの感触ではラスボスを倒せる程の時間は無いだろう!!


しかし、あの海の悪魔に傷の一つも付けてやる!!


俺は少しずつパウルに向かって行く。その行く手をハバむ者はいない!!


パウル勢は、パウルに脅されはするが、怒りに震える俺の前を塞ぐ事も己の死を意味する!!


どうすれば良いのか、青い顔をしてアタフタするばかりであった!!


「パウルッ!!我が名はジーク!!」


パウルは俺を見てニヤニヤと馬鹿にした顔で笑う。


パウルは手に持った銃をまた持ち替える!!


いったい、幾つの銃を持っているんだ?


奴の服には幾つものポケットがついていて、その一つ一つに銃をさしていた。


おそらく、一つの銃で一発しか撃てないのだ!先ほどから一発撃つたびに銃を持ち替えている!!


奴は銃を構えているのだ。冷静に考えれば無鉄砲に近づくのはやばいだろう!!


本来なら、今さら銃なんて有りかよ!と叫びたい!!クソゲーが!!本当にゲーム・バランス最悪だな!!


しかし少ない「海賊力」を有効に使うには出来るだけ近づいて「オーバー・ヒート」でぶっ飛ばすしかない……


「お前は何を呑気にしている!掛かって行かねえか!?」


なんだと!?


パウルが、俺の右斜め前にいるベルンに銃を向けやがった!!


俺との戦いで肩に大怪我を負っていて、動く事もままならないというのに!!


駄目だ!!


引き金を引く!!


「オーバー・ヒート発動!!」


ダッーン!!


素早さMAXを生かし、俺は横っ跳びにベルンに飛びつき彼を助けた!!


間一髪!!


パウルの撃った弾はベルンをそれて甲板にめり込んだ!!


くそっ!!許せん!!


違う、違う!!こんなところで「海賊力」を使ってはいけなかった!!


俺はすぐに「オーバー・ヒート」を解除する。


「な、なぜ助けた?」


ベルンはビックリした顔で俺に聞く。


その質問に俺はビックリする!!


確かにそうだ!!


俺自身、あの部屋に捕まっていた男共やムンクを助ける為に、何人もパウル側の海賊をやっつけているではないか。


それをなぜ今更?


それも大事な「海賊力」を使ってまで!!


くそっ!!多分、戦いの最中にベルンと会話をしたのがいけないのだろう。それと中途半端に大怪我を負わせた事がいけなかった!!


何か助けなければいけないような気になってしまったのだ。


「がっはっはっ」


それとこいつのせいだ!!


パウルは俺の行為をどうとったのか、さも馬鹿にしたように笑う!!


絶対にこいつはぶっ倒す!!俺は心で誓う!!


それに俺には秘策がある!!


その名も「骨を斬らせて!骨を断つ!!」

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