第一章 課題1のはじまり
俺の名前は櫻木周。黒髪短髪。身長は175くらいだろうか。まあ体格は中肉中背といったところか。
学校にはちょうど1年ほど通ってない。引きこもりってやつだ。
今日も起きて食ってゲームして食ってネットして食って・・・の繰り返しだ。
突然だが家族を俺は殺された。1年前の話だ。犯人はまだ見つかってない。おそらく迷宮入りするのではないかと言われている。
そして今日がちょうど家族が殺された1周年という訳だ。
正直今はそのことに対してなんの感慨もない。当時は俺もかなり荒れていた。今の生活もある意味荒れているが当時は今の比じゃなかった。
「あのときはマジで誰の声も耳に入らなかったからな。それに比べて今はコンビニ店員と会話できてるしだいぶ進歩したってわけよ」
桜木は外に出る。既にあたりは暗い。今は22時くらいだ。
晩飯を調達しにコンビニへと足を運ぶ。
「あの・・・ピザまんください・・・」
「ん?肉まんでよろしいですか?」
「いや・・・ピザまんで・・・」
「ピザまんですねー120円になりまーす」
大好きなピザまんを買食いながら帰宅しコンビニ弁当を手早くかきこむ。
桜木はこう見えて健康志向だ。寝るのは毎日11時頃。しかもれる前に筋トレは欠かさない。
「あーねみねみ」
いつも通り筋トレをして風呂に入り床につく。
そして・・・ふと涙がでてくる。
「あれ・・・なんでだろ・・・」
涙が止まらない。
それは俺の心の声を代弁してくれてるかのようだった。
「母ちゃん・・・父ちゃん・・・咲・・・」
母ちゃんが作ってくれた温かいご飯・・・父ちゃんのスーツの匂い・・・妹の無邪気な笑い超え。今でも忘れることができない。
結局桜木は過去にとらわれていた。
「なんで・・・どうして・・・。忘れたと思ったのに。」
桜木はそのままゆっくりと眠りに落ちていった。
桜木は夢をみた。
目の前で声が聞こえる。
誰がしゃべっているのかは全くわからない。
「家族を生き返らせたくないか?」
「ん?」
桜木は半分夢だと気がつきながらもそう聞き返した。
「家族を生き返らせたくないか?」
「なにを言っているんだ?」
「言葉そのままの意味だ。俺の5つの課題をクリアしたら家族を生き返らせてやるよ」
「ちょっとまて。お前は誰だ?」
「俺か?そんなことどうでもいいだろ。」
「は?」
「で?やるのか?やらないのか?」
変な夢を見るもんだ。
桜木はただ単にそう思った。
桜木はニヤリと笑い、
「いいよ、やる」
と半ばテキトーにそう返した。
「よし決まりだな。ゲームのルールを説明する」
「は、はあ」
「今からお前に5つの課題をこなしてもらう。だんだん難しくなっていくから覚悟しておけよ。では1つ目の課題の説明だ。今からお前には2つのシーンに行ってもらう」
「シーンに行く?」
「ああそうだ。実際にその世界に行ってもらう」
「は?????」
「まあ実際に行けば分かる」
「は、はあ・・・」
「1つのシーンはある男が女に告白しているシーンだ。もうひとつの世界は2人の男が決闘をしているシーンだ。ルールは簡単。この2つの全く関係ない世界がどのようにつながっているのかを見つけてこい。」
「どういうことだ?」
「それを考えるのもお前の仕事だ。ついでにお前はこの2つの世界を自由に行き来できる。」
と声の主は言い
「あと最後に大事なことだ。シーンを最後まで終わらせるな。 」
「あのさあ・・・いい加減俺にもわかるように説明してくれよ」
「例えば告白シーン。告白を終えて告白が成功するなり振られるなりしたらそのシーンはそこで終了だ 。例えば2人の男の決闘シーン。2人の男の決闘に決着がついたらそのシーンはそこで終了だ。それだけは絶対に終了させるな。意地でも阻止しろ。もし終了させたらゲームオーバーだからな」
「なんかよくわからんがわかったよ」
「じゃあ第一の課題、さっそくスタートだ。無事を祈るぞ」
気がつくと桜木は階段の前に立っていた。
「ん?ここはどこだ?」
と、ここで桜木は自分の服装に気がつく。見たことのない制服のようなものを来ている。少なくとも俺が1年前まで通っていた学校の制服ではない。
「どこの制服だろう。っていうかここはどこだ 」
櫻木は周りをキョロキョロと見渡す。
と、人が後ろを通りかかる。桜木と全く同じ制服を着ており、見たところ男子生徒のようだ。
「と、いうことはここは学校か?」
桜木は近くにあった窓から外を眺めた。外は薄暗くなりかけていた。夕方といったところであろうか。校庭と思われるものが見える。生徒らしきものも何人か見える。
そういえばさっきから低いブーブーという音が聞こえる。この学校には吹奏楽部でもあるのだろうか。桜木の通っていた高校には吹奏楽部はなかったからその辺はあまりよくわからない。
桜木は自分が最初たっていた場所、階段の前にもう一度立った。階段を上った先にはドアがある。
「屋上かなにかがあるのか?」
桜木は階段を上まで上った。
「これ、開けられるのかな」
そう言いながらドアノブを回した。ドアは予想に反して簡単に開いた。
少しあけたところでドアの向こうから男の声が聞こえた。
「君のことが好きなんだ!僕と付き合ってください!」
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