表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緑と十の育成法   作者: 小市民
第二章 討伐
13/36

プロローグ

(12/03/10)誤字・脱字修正

薄暗い森の中を、一人の男性が走っていた。

その男は恐怖に顔を歪めていた。

まるで何かから逃げている様子のその男は、苦痛に顔を歪めて目には涙を浮かべていた。


「くそっ、くそっ!」


男はある任務でこの森へと入ってきた。

謎の失踪事件を解決するため、仲間と共に調査にやってきたのだ。

しかし結果は……。


自身ともう一人の男以外の仲間達は、全て奴らに殺されてしまった。

無事だったもう一人の男も自身を逃がすため、その身を囮として奴らに一人戦いを挑んでいった。


「何でこんな事に!」


何故こんな事になってしまったのか。

何故仲間達は殺されなければならないのか。

そして、何故自分だけ無様に逃げ出しているのか。


男は、理屈ではわかっていた。

このままでは、調査隊の全員が殺されてしまう。

それでは今さっき遭遇した失踪事件の真相を伝える事が出来ず、さらに行方不明となった自分達を探しに来た者たちにまで悲劇が。


理屈ではわかっている、しかし感情がそれを許さなかった。

それでも今こうして逃げているのは、調査隊隊長の最後の命令を忠実に果たしているからだ。


「必ず、必ず伝えてみせる。そして皆の無念を必ず晴らしてみせる!」


男は涙を拭い、自身の限界を超えて森を駆け抜けていく。

そしてついに森を抜け出し、男は自分達が住んでいた町へと向かっていった。


その様子を遠くの方から何かが見つめていた。

怪しく光るその瞳で男が去っていくのを見つめていた。


それも一対ではない。

無数の瞳が森の木々の中に浮かび上がっていた。

それは黒い羽毛に覆われた鳥達だった。


その内の一羽が鳴き声を上げる。

すると一斉に鳥達は羽ばたき始め、森の奥へと飛び去る。

……森の奥深くから、何かの唸り声があがった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ