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緑と十の育成法   作者: 小市民
第一章 召喚
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プロローグ

(12/05/11)文章修正

 それははるか昔の出来事。


 世界は未だかつてない脅威にさらされていた。

 その脅威は世界の滅亡を予感させるのに十分過ぎる程の力を持っていた。


 世界に住む多くの者たちは混乱した。

 このまま死に逝く運命を受け入れなければならないのか、と。


 だが、そんな人々にも希望の光はあった。

 絶望的状況の中でも、立ち上がる者たちがいたからだ。

 それは勇者や覇者、賢者、学者、他にも多種多様な特別な力を持つ選ばれし者達。


 絶望的な状況を打破できる、人々の最後の希望。

 彼らが立ち上がり、それぞれの力を駆使してその脅威に戦いを挑んでいった。


 多くの人々は思った。

 これで再び世界に平和が戻る。

 また明日からいつも通りの日常を迎えることが出来るのだ、と。


 ……しかし、脅威が消えることはなかった。

 脅威は闇ではなかった。

 圧倒的強者や難解な謎、未知の生命体でもなかったのだ。


 それは『死』に近しいモノだった。

 彼らの特別な力でも、どうしようもないモノ。


 全ての人々が絶望した。

 最後の希望が絶たれた。

 彼らの力をもってしても、どうしようもない死の運命。


 一人、また一人と諦め、死の運命を受け入れ始めた時、奇跡は起きた。

 ある人物の手によって脅威が消え去ったのだ。

 人々は歓喜した。しかし同時に驚いた。


 その人物は勇者ではなかった。

 覇者でも賢者でも学者でも、他の何者でも無かったのだ。


 その人物はどこにでもいる『ただの人間』だった。

 何も特別な力を持たない『ただの人間』だった。

 しかし、そのただの人間の手によって脅威は去った。

 誰もが持っている、誰にでも可能なその力をもってして世界を救ったのだ。


 人々は思った。

 私たちはいつの間にかこの力を、誰もが持っているこのごく当たり前な力を忘れていたのだ、と。

 そしてだからこそ、我々はあのような脅威にさらされてしまったのだと、人々は理解した。


 こうして世界は『ただの人間』によって救われた。

 そして同時に人々も救われ、そして思い知った。


 私たちは忘れてはいけない、と。

 あの人を。この力を。私たちは誰でもあの人に慣れるのだ、と。


 そして人々は世界を救った『ただの人間』を忘れぬ為、『ただの人間』に称号を与えた。

 いつの日か自身もその人物に慣れるよう、人々は感謝と敬意を込めてその人物をこう呼んだ。


 その者の名は……


読了、ありがとうございます。

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