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少女の居た場所

作者: 葉時
掲載日:2025/12/21

今日は晴れ

猫が居ない夜。

(あっ…猫…居ない)

少女はそのまま壁にもたれ、猫用に持ってきたおやつを食べる

ふと空を見上げると、星が瞬いていた。

(きれい)

そのまま横になり、

(明日は猫に会えるかな)

なんて思いながら、微睡んでいった



翌朝、けたたましく鳴る警報で目を覚ました

(そっか、外で寝ちゃったんだっけ)

(行かなきゃ)

そう思って武器庫へ走り出す

ガサッ

音に振り返ると、猫がいた

(会えた…)

「行ってくるね」

そっと猫に手を振り、再び走り出した。

猫は何の気無しに大きな口で欠伸をした



今日は曇り

今日も生きて帰って来れた。

やっぱり血は不味い

(夜は猫いるかな)

そう思って、いつもの場所に足を運ぶ

(あ、お風呂入れなかったから血の匂いがするや。これじゃ撫でさせてくれないかな)

そうして今日も夜空の下に佇む。

今日は星が見れなかった。

(ちょっと寒いかも…)

そう思い、猫の様に丸まって寝息を立てる



今日は晴れ

警報が鳴らなかったので、ゆっくり寝ていた。

目が覚めて大きく伸びをした。

猫が私に乗っていた。

「私、臭くない?」

息が漏れる様に呟き、猫の顎を撫でる

猫は眠そうな顔でこっちを向き、欠伸をする。

「今日は一緒に日向ぼっこしよう」

一人と一匹は、太陽の下でごろごろ1日を過ごした



今日は雨

流石に濡れたくないので、屋根のある所に行く

でも誰にも会いたくない

悪い予感は、よく当たる

「おい、出来損ない、お前臭いんだから雨で体洗えよ」

数人の同期隊員が私を笑いながら通り過ぎていった

「寒い…」

(猫はどこで雨宿りしてるんだろう)

(今日は何もないと良いな…)

突然、警報が鳴る

(やっぱり悪い予感ばかり当たる)

小さくため息をついて、腰を上げる



今日も雨

変な感じがする。

寒くはない

でもぞくっ、とする

きっと、奴らが近くまで来ている

何で警報が鳴らないんだろう?

そう思っていると、遅れて警報が鳴り始めた。

でもいつもと違う。

「敵生命体、第一防衛ラインを突破!」

切羽詰まった声がスピーカーから聞こえてきた。

(急がなきゃ)

走りだす。

(ちゃんと逃げてね、猫)

そうして今日も先頭に立つ



見えた。

今日の敵はでかい

「おい!出来損ない!今日は誰も死なすんじゃねぇぞ!」

いつもと同じ罵声を浴びせ、散会する同期達

私は敵性龍種と正面から対峙する

いつ見ても怖い

死にたくないし、誰も死なせたくない

私は自分の身長以上の剣を必死に振るう

散会した同期達が挟撃する

龍が同期を狙おうとしている

私は注意を自分に向けるため、また武器を振るう。


「今日はよく死なせなかったな、出来損ない」

そう言って帰路に着く同期の後ろにくっ付いて歩く。

(今日も生きて帰れる)

(猫に会えるかな)



今日は雪

滑って転んだ

「何やってんだ出来損ない!2人死んだぞ!」

(また私のせいで死なせてしまった…)

でも、私は敵の注意を引きつけることしか出来ない。

怖い

死にたくないし、これ以上死なせたくない。

龍の爪が擦り、血が出る

(痛い…はやくやっつけないと…)

焦りが膨らむ。

(早く…はやく…!)

傷が増えていく。

「止めぇっ!」

同期が龍の心臓を貫いた。

至近距離で戦っていた私はほっとして気を抜いてしまった。


気が付いたら私は空を見ていた。

(何…が…?)

龍が死ぬ間際に放った攻撃が私を貫いていた。

(あ、これだめだ)

(あーあ、負けちゃった…)

(誰か、猫におやつあげてくれるかな…?)

(あ…眠くなってきた…)

そうして、ゆっくり瞼を閉じた。

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