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The World Times:サン・フロワール攻防戦

毎週木・金・日、15時~20時の間に投稿予定

 破竹の勢いで進撃を続ける香軍は、遂にベルジュ帝国の首都サン・フロワールがあるフロワール州に侵入した。香軍はフロワール州での戦闘において、新兵器である飛行船を大々的に使用し、帝都に壊滅的な被害をもたらしている。しかし、これは飛行船が直接破壊したわけではない。飛行船はとある生物を運搬するキャリアーだ。その生物とは、粘液系生命体、通称スライム。スライムとはあらゆるものを、身体を拡張し、覆い被さるようにして取り込み、消化してしまう生物である。これを飛行船は大量に運搬し、天馬が登っていけない帝都上空5,000メートルから投下した。投下されたスライムは瞬く間にサン・フロワールの市民、兵士、魔動車、馬車、魔導列車、街灯、家、避難キャンプ、野砲を呑み込んだ。スライムは単体、もしくは少数なら武装した人間にとってはさほど脅威ではない。しかし、今回帝都に投下されたスライムは約50,000体。それに対して兵士は大半が前線に駆り出されており、帝都に駐屯していた兵士は1,000人ほど。50,000のスライムを殲滅するにはまるで足りなかった。サン・フロワールの市民は料理用の包丁やフライパンを片手に持って戦うか、天使に祈る以外に選択肢を失ったのだ。


 いま、サン・フロワールに人間はいない。草木の一本さえも生えていない。ただ無数のスライムだけが跋扈する、地獄の大地だ。スライムを殲滅する手段はない。スライムを運んでくる飛行船を墜とせる武器も兵器もない。対魔連合軍の到着にはまだ時間がかかる。帝国のまだ無事な都市では各新聞社がしきりに戦意高揚を促すプロパガンダを流してる。だが、それももはや無意味になるだろう。いま帝国に最も必要なのはプロパガンダでも、帝国臣民の愛国心でもない。武器であり、弾薬であり、兵士であり、援軍だ。


 この戦争は、絶望的なのか?

お読みいただきありがとうございます。


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