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シャーシャンのお話し  作者: 織風 羊
8/12

よろしくお願いします。



 中等生になったシャーシャンは、見た目がどんどん変わっていった。

ずんぐりむっくりだった身体つきは細く高い背丈になった。

今も二番目のお姉さんに格闘技を習っているシャーシャンを虐める子供達はいない。

それに一番上のお姉さんから、みっちり勉強を教えられているので中等校での成績もまんざらではない。

友達もいっぱいできたし、シャーシャンは青春というものを感じ始めていた。


 そんなある日、お父さんが倒れた。

村には診療所が一つだけだったし、お医者さんもお父さん一人だけだったので、村のみんなは、お父さんを家まで運ぶだけが精一杯だった。

でも、家に帰り着いたお父さんは、もう呼吸もしていなかったし、あの優しい声で喋る事もなかった。


 お葬式の前の日、家族みんなはお葬式の準備の為、泣きたいのを我慢して一生懸命働いた。

でも、シャーシャンだけは耐えきれなくなり、大声で泣き出した。

その泣き声を聞いて、みんなも耐えきれなくなり四人で精一杯泣いた。

一番最初に泣き止んだのはお母さんで、一番最初に笑顔になったのもお母さんだった。

お母さんは、いつもの優しい笑顔に変わっていた。

そして、まだ泣いている三人の子供達を集めて、両手でそっと三人を包み込むと、三人の子供達それぞれのおでこにキスをした。

三人は、大きくなっても素直で、とても聞き分けのいい子達だったので、お母さんの笑顔に合わせて笑って見せた。


 四人で笑い合った後、お母さんと長女はハンカチで涙を拭き、次女はスカートの裾で涙を拭き、シャーシャンはシャツの袖で涙を拭いた。


 これから四人で生きていかなければならない。

お父さんは一生懸命働いてくれていたので、生活は、切り詰めれば何とかなる。

この日から四人は慎ましい生活を覚悟した。

ありがとうございました。

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