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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

我が愛の為に

「騎士様〜 私は何も持って無いじゃないですかぁ〜」


「クソがッ! 貴様が共和国や王国で薬物を流行らせてる元凶だと分かっている! それなのに、証拠だけが見つからないんだ!!」


 あぁ、怒りおる怒りおる。正義感が強いお方だねぇ。

そんなに探しても見つからないさ~


「灸に人の家に乗り込んできて、犯罪者扱いですか?

私は、しがない旅の薬売りでございますよぉ?

今、巷を騒がせてる薬なんて、知りませんぜ」


「必ず、尻尾を掴んでやる」


「次、令状無しに来たら、騎士団上層部に訴えますので」


「…チッ」


 せっかくの綺麗な顔が台無しだぁ(笑) だが、あの女騎士は感が鋭過ぎる。裏で薬をバラ撒き初めてから、すぐに俺を疑い始めた。


 俺が王国に入国するたび、自身や部下を必ず、付けて尾行してくる。俺のスケジュールを完璧に把握していると言う事は共和国にも協力者が居るのかね~


「今日も沢山の売上、ありがとうございますってな」


 俺がスキルで作る薬は表も裏でも飛ぶように売れる。表では風邪薬や活力剤、傷薬などなど。


 裏では依存性が高く、人を廃人にする薬や身体の感度を強制的に上げる薬。


 前者は庶民の為に安く数も多い。後者は高くし、買える人間も限定しての販売。


 最近は、王国の王妃サマがよく、廃人薬を購入してるけど、誰に飲ませてるんやろうね笑笑


 俺のことを騎士さまは犯罪者のように扱うけどよぉ、俺が売った薬で庶民は助かり、裏で売った薬は、腐った貴族でも狂わし、破滅に追い込んでる。


 俺からしたら、たかが前を横切っただけで、庶民を殺す貴族がよっぽど罪人だし、それを見逃す騎士団も同罪だよ。


 違うか。


 人間全てが悪人か。


神は

魔族に

天賦(スキル)

与えない


 300年前、勇者に討伐された魔王の一族は徹底的に蹂躙された。


 魔王とその王妃は四肢を切断され、首は晒し上げられた。息子達は実験体や公開処刑、娘達は各国の王族や貴族の性奴隷として扱われた後、軍に引き渡られたが待っていたのは更に邪悪な環境であった。


 殆どの魔王の一族は死に絶えたが、末の娘だけがある王族の子供を宿してしまい、生き残ってしまった。


 その末娘の孫が俺であり、人間と魔族の混血だ。母もスキルを手に入れることは無かったが、俺は授かってしまった。


 (ドラッグ・ファクトリー)…消費魔力に応じて、薬を生産する。

 (ゴーレム・クリエイト)…消費魔力に応じて、ゴーレムを生産する。

 (魔の王の系譜)…魔力量、魔力操作、魔法耐性を大幅に増大し、限界を失う。


 笑えちまう。ゴーレムクリエイトは王族の血統魔法。魔の王の系譜は魔王もしくは魔王の後継者に宿る呪い。ドラッグファクトリーは祖母や母が薬師をしていて、ガキの頃から手伝いをしていたから発現したんだろう。


 あぁ、魔族の死体の上に成り立つ、愛おしく素晴らしき世界よ!


 魔族の残滓たる俺が、(憎悪)祝福(破滅)を持って行きます。


 全ては、家族に捧げる我の愛の為に。


 

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