旋律を奏でる蒼天
ちょっと確認
主人公のサクセスストーリーの始まり!!
第6章
任務
任務って言われても今のこんなモチベーションじゃやる気でねえよ。
今日もまた太陽が昇った。
時間はちょうど正午、俺は今さっき目が覚めた。
昨日のトーナメントの疲れを癒す為今日は1日自由時間になったのだ。
妹は学園へと帰った色々と用事があるみたいらしい。
「…ふぁ」
思わず欠伸をした。
他の皆もきっと俺と同じように今ぐらいに起きてるだろうな。
ようやく長い数日が終わったって感じだ。
夢みたいだったが、やはり部屋に俺以外のもう一人…すなわち相棒の姿はない……
もしかしたらと思った希望もあっさりと崩れた。
手術は終わったのか…?
考えていたら入り口のドアに一通の手紙が挟んであるのに気づいた。
「……なんだ?」
呟きながら手紙の内容を読む。
〈本日午後6時に第4会議室へと来てくれ。
詳細はその時報告する。〉
シャルム・ゼブラ
「6時ね……」
読み終えた手紙をごみ箱へと捨てて俺は部屋を出た。
行き先はとりあえず食堂、腹が減ったしな。
食堂へとついたが思ったより人もいなく静かだった。
まぁ賑やか過ぎるよりは幾分かマシだな。
「何にするんだい?」
いつもの食堂のおばあちゃんが俺に聞いてきた。
最初定食にしようと思ったんだがふとあいつの姿が思い浮かび俺はあいつの好きな馬丼を頼んでみた。
「あいよ、そういや今日は友達は一緒じゃないのかい?」
おばあちゃんの言葉に心がズキッときた。
別におばあちゃんには悪気はないんだ…よな?
俺はどう説明したらいいかわからなかった。
まさか
「刺されて今入院してます」なんて言えない。
困った……
だがおばあちゃんはそれ以上は追求せず出来上がった馬丼を俺に渡し
「冷めない内に食べな」と言って厨房へと消えて行った。
俺は適当なテーブルに腰を掛けて馬丼を食べてみた。
「………上手いじゃねえか……」
あいつが毎回これを食べる理由もわかる。
もっと早くから食べたら良かったな。
マイペースに食べていると食堂の入り口から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あぁ〜腹減った」
「1日自由って最高」
先に喋りだしたのがリュークで後がファラドだった。
二人はそのまま話しをしだす。
聞く気はないがいかんせん食堂が今日は静かだからどうしても聞こえてくる。
「しかし昨日のあれには驚いたぜ」
「だな、てか昨日はハプニングの連続だ」
リュークにファラドは頷きながら会話が進む。
やはり話題は昨日のことばかりなんだな。
食堂へ来る途中もそんな話題ばっかりが飛び交ってたからな。
ここでリュークの発言に俺は敏感に反応してしまった。
「1番はやっぱエルクのやつじゃね?」
「そうだね、天才の考えることはわからねぇよ」
まぁそりゃそうだな…
二人の意見に心の中で納得したが次の瞬間俺は二人の言葉に耳を疑った。
「まぁ馬鹿な天才とあのむかつく東洋人がいなくなってせいぜいするぜ強いからって調子乗った罰だぜ」
「ちげえね!
確かレイって言ったけな?…ありゃ偽善もいいところだ。
ああいう奴はくたばれば…」
そこでファラドは喋るのを止めた。
それは俺が二人を殴り黙らしたからだ。
だがそんなんで俺の怒りは治まらず続けて蹴りをいれた。
「テメッ!?
いきなり何すんだ!?」
リュークは自分がやられる理由も気づかず俺に怒鳴る。
それに俺は更なる怒りを覚えた。
「お前らそうやって影でこそこそ吠えてんじゃねぇ!!
最低だよお前ら!!」
闘気剥き出しで言う俺に二人は少し後退りをした。
こんな奴らに俺は落ちこぼれって言われてたのか……考えれば考える程苛立ってくる。
「次そんなこと言ったら俺が二度と喋れないようにしてやるからな…」
俺はそれだけ言ってその場を去った。
視線が痛いのもあったが何よりあいつら二人と同じ空間にいるのが耐えられなかったからだ。