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初めての未知との遭遇...だったんだけど

さっき取ったミカの実を剥きながら東へ歩いていく、中々甘みと酸味が丁度良くて美味しい。


これだけ果実が美味しいのだからこちらの物で御菓子を作っても満足いく出来栄えの物が作れるだろう。


そんなことを考えながら森を進むと突然ビタン!っと何かが引っ付く音がした。その音に目を向けるとそこには水色の半透明に蠢く何かがいた。


「これは...あれかスライムとかそういう...」


鑑定を向けると-ブルースライム-との結果が


-ブルースライム-レベル1


森林や草原に生息するスライム種

人間に危害を加える事は殆ど無いが好奇心と食欲は旺盛で

食べ物を持っている物に引っ付いて満足すると去っていく

スライム種は色によって性質が全く異なるため注意が必要


なるほど...ミカの実目当てで飛び込んできたのか。

まぁ敵意はそこまで感じないし一房やってもいいか...


ミカの実を投げてよこすと器用にキャッチして体の中に取り込むブルースライム


味覚とかあんのかな...?とぼーっと眺めていると


-ブルースライムが仲間になりたそうにこちらを見ています-

の文字が浮かびあがる。


「ええと...そういうシステムもあるのね?」


せっかくこの世界で初めて会った生物だし仲間に入れてみるかな。


「おいで、名前を付けてあげよう、君の名前はリンだよ」


-ブルースライムのリンが仲間になった!!!-


なんてお決まり文句を見ながらリンを眺める、ちなみに名前の由来は有名なスライムの名前から取ってる、ネームセンスがないのは見逃してくれ。


リンはなんだか喜んでるように感じる、これは気のせいじゃ無くて仲間になったお陰なのか繋がった感覚があるからだ。


「よしさっそく新世界の仲間が出来たことだし、張り切っていきますかぁ!」


ぷるぷると震えたリンを肩に乗せながら街道へと歩みを進める。


しばらく進んでいると森を抜けて軽くだが舗装された道に出た、ここが街道だろうか。


「森がこっちで出てきたのがこの辺りだから...こっちかな!」


でた道を左に進む、この先を進めばアグの街だ!異世界の街は一体どんな感じなのだろうか楽しみだな。


街道を進んでいると後ろから馬車みたいな物が走ってくる音がする、馬車かと思ったのだが曳いてるのがふわふわの鳥...らしき生物だ。


危険なので少し道の端に寄ると目の前で減速し御者台から声をかけてきた。


「一人でこの街道を徒歩なんてお兄さん冒険者かい?」


地図で確認したがさっき居た森はまだ未開拓地域の様でかなりのド田舎になるから気になったのかもしれないな。


「いやぁこれからアグの街で商いさせてもらおうと思ってるんです。」


「そうかい、良かったら乗ってくかい?一人で暇してたんだ。」


おぉ、この鳥の事も気になるし丁度いいな。


「助かります、御幾らお出しすればよろしいですか?」


「お代なんかよしてくれ、話相手が欲しかっただけなんだよ」


「それならまぁお言葉に甘えて...お邪魔しますね」


後ろから乗り込むと荷台には色々木箱が積まれていた。


「行商の途中ですか?」


「あぁ定期的に王都からぐるっと回っていてね。これでもそこそこ大きい商店なんだよ」


ダリアの街から更に北へ進んでいった先に王都ロスアンシアがある為そこから回っているんだろう。


「兄ちゃんは何を売りに行くんだい?見た感じ手軽そうだが」


ここでふと悩む、穀物は小麦があるから売れるだろうが...菓子はどうなんだろうか


「インベントリに全部入れてます。麦や米なんかもありますが...主に御菓子でしょうか」

ここで探りを入れてみるのもありだろう。


「インベントリ!!へぇ珍しいねぇ!俺ら商売人からしたら喉から手がでる程欲しいスキルだよ。」

と驚いて見せると


「おっと自己紹介がまだだったね、俺はグルセル商会のグルセルってんだ。」


「こちらこそ失礼しました、桐谷 麦と申します、麦が名前です。」


「苗字があるという事は貴族様でしたか?これは大変失礼しました」


成程王都があるから若しかしたらと思ったが貴族が存在しているんだな...


「いえ村の方で家ごとに付ける習慣があっただけなので平民ですよ」


「そうか、それは助かった、少し冷や汗をかいたぜ」


豪快に笑ったグルセルさんは40代後半ぐらいのワイルドな顔立ちでひげを摩りながら続けて聞いてくる。


「お菓子っていうもんだから良いとこの育ちかと思ったぜ。この辺りじゃ砂糖菓子もあんまり見かけねぇからな。」


グルセルさんは笑いながら説明してくれた、砂糖の希少価値がなかなか高く菓子はあまり街には出回らないとの事らしい。駄菓子には砂糖を多く使っているものもあるから売る物は気を付けないといけないな...


「甘い物もそうでないものも色々ありますから、試しに一ついかがですか乗せてもらった駄賃替わりという事で」


「おいおい駄賃代わりなんて程安くないだろうよ、が甘くない物には少し興味があるな、どんなものなんだ?」


「小分けにしているのでそこまで高価でもありませんよ。そのまま触ると手が汚れるので袋から少しずつ出して食べてみてください。」


現地人に初めて出す駄菓子は...種類も沢山あって安いあれだな!

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