人が居なければ商売は成り立たない。
更にその下には『インベントリの方に必要最低限のものを入れております、何かの助けになれば幸いです。』と書かれていた。
確認してみるとまずは水そしてこの世界の通貨らしき硬貨が入っている後は衣服なんかも入っていてこれだけあれば後はショップでどうにかなるだろう...
地図なんかも入ってたしなんならこの家毎移動できるようにインベントリに入るようにしてくれている、まさに多機能インベントリ様様だ。
ショップはこの世界の硬貨を入れて購入する様だ
能力上の虚空にあるショップに入れた硬貨がどこに行っているか少し気になるがそこは管理者の方がやってくれるのだろうととりあえず全額入れてみる。
この世界の硬貨はメルと言う単位らしい。
入っていたのは一万メル通貨が10枚千メル通貨が50枚と計15万メルだがこの世界の物価がまだ分かっていないからショップで確認してみよう。
ショップを開くには念じるだけでいいのは楽だな、出てきたウィンドウには
~ショップリストLV1 →購入 売却~ 残高150000M
と書かれている。LEVEL1には見覚えのある商店名が並んでいる。
江戸の米助と水籐商店だ。
江戸の米助は幅広く種類の穀物を仕入れることの出来る卸売業者で農家の方から直接仕入れてるお米以外はここから仕入れていた。
水籐商店は駄菓子と玩具の卸売りのお店だな。大きな倉庫に物凄い量の駄菓子があるのを小さい頃両親に連れられて見学して年相応にはしゃいだのを覚えている。
リストで確認したが、ショップで買える物は基本的に1メル=1円で値段が変わっていないと思うがあとは現地の商店次第になるな。
何はともあれ人気のある場所に行かないとな、売る相手もいなければ買う相手もいなさそうな森の中から抜けないと...
自身に結界を張って有害や敵意を持った物を遮断するようにして後は普通なら無理だろうと思う自宅をインベントリに収納して出発だ。
地図を見る限り完全に森のど真ん中だが太陽の位置から見るにこのまま東の方へ歩いていけば街道に出られそうだ。
店を継いでからはなかなかこういうアウトドアな機会に恵まれなかったから新鮮でいい気持ちだ。
深呼吸して森の中を進むと何やら木の実のなった木が見える、現地の物で初めて食べられそうな物だ。
近くの太目の枝で木の実を落としてつぶれないようにキャッチする、インベントリには鑑定の機能も備わっているので一度インベントリに入れると「ミカの実」と出てくる。
-ミカの実-森林地帯によく実る柑橘系に分類する実、爽やかな酸味と甘みがあり老若男女問わず人気
これはミカンかな?案外名前も似通ってて助かるぞ、ミカの実だけかもしれないけど...
その時インベントリに文字が浮かび上がった。
-インベントリに初めて現地の物を本人が収納した為拡張機能が加わります。-
実績解除的な事もあるんだなぁ...お金とか収納した物の数とかだろうか?少し楽しみが増えたね。
拡張機能は目視鑑定と遠隔収納レベル1だった、わざわざインベントリに物を入れなくても見て念じるだけで鑑定できるようになったのと大体半径5Mの距離にあるものは触らなくても収納できるようになったみたい。
よし、この調子で進んでいこう!