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繰り返しの高校生  作者: りんた
繰り返しと不登校
7/10

7話

その明日は来なかった。

朝起きたら日付を確認する。

「またかー」

これで3回目だ…

たぶん小林遥香を学校に来れるようにしないと明日は来ないだろう…


学校へ行くと

「おはよー」

と陸矢がいつも通りの挨拶をするから

「おはよー」

と俺も返すと

「数学の宿題見してくれ」

と例によって言われたからすぐに渡すと

「翔太俺が数学の宿題やってないこと知ってた?」

とスムーズに行き過ぎた俺に聞いてきた。

「なんとなくだよ」

と笑って誤魔化している。

クラスの後ろの方でカースト上位勢が固まっている。

その中に例の坂本もいるのを確認して話を聞きに行くのを辞めた。

仲良く友達と話している時に来たやつに丁寧に受け答えはしてくれないだろうからな。

決してカースト上位勢が怖い訳では無い…きっと…


そのまま昼まで話す機会がなかった。

カースト上位勢の壁は俺の想像よりも厚く強固だと分かった。

まぁただ単にみんなずっと一緒にいるだけだけど…

昼になってやっと1人になった坂本に俺が話しかけに行く。

なんて声を掛ければいいか分からない…

向こうはカースト上位で顔は可愛くて髪は金髪でピアスを開けているような派手派手女だぞ…

「坂本」

それしか出てこなかった…

「は?なに?」

スマホから目を話さず答える

なんでもう不機嫌なのー?

せめて目は見て欲しい…

「あのさ聞きたいことがあるんだけど」

もうチビりそう…

「なに?」

まだスマホを見ている。

もう少し優しく話せないのかなぁ?

「小林遥香ってなんでテニス部辞めたの?」

冗談も言える雰囲気じゃあないし今すぐ逃げ出したい雰囲気だから単刀直入に聞く。

「は?知らない」

席を立ち上がってクラスを出ていく。

怖かったぁー…

けど何も分かんなかったぁー…

「お前怖いもの無しかよ」

陸矢が驚いた顔をして俺を見てくる。

「正直もうチビりそうだよ」

ガチである…

陸矢は冗談と受け取ったらしく笑ってくれている。


放課後になり

「翔太くんー」

そう言ってクラスの前までやってきた古澤先輩の元へ駆け寄り

「少しクラスで待っていてください」

とだけ伝えその場を去ると

「え、ちょ、何?」

と後ろから聞こえるが一旦無視をして坂本に一直線で向かい

「坂本ちょっとクラス残ってくんない?」

できるだけ強気でそう伝えると周りにいた派手派手な女子たちが

「告白じゃない」

「さすがあいりだわ」

と騒いでいるのから坂本の下の名前があいりだと知った。

「は?すぐ済ませてくんない」

良かった…とりあえずクラスには残ってくれるらしい。

「ありがとう」

とだけ伝え古澤先輩の方へまた向かうと

「私を置いて他の女の子と楽しそうに話してたね」

どこが楽しそうなんだよ。って言いたいが言えない雰囲気を醸し出す古澤先輩に気圧され

「すみません」

としか言えなかった…

「もー今回は許してあげるからなんか訳があるんでしょ?」

優しい先輩だ!!

「落ち着いて聞いてくださいね」

と言いつつ落ち着いていない俺は話を続け

「実は俺今日を何回か繰り返してるんです。それで今日相談部に相談される内容が小林遥香って子を学校へ連れて来ることなんです」

切れた息を深呼吸で回復して続ける

「その子が不登校になった理由とさっき話俺がしてた女の子が関係あるかもしれないので話を聞きたかったのでさっき呼び止めていました」

早口でしっかり伝わっているか微妙だが古澤先輩は

「分かった」

とだけ言ったのできっとしっかり伝わっているだろう…


坂本が席に座ってその前方に俺たち2人が坂本のことをじっと見つめている配置はこの前見た刑事ドラマの取り調べの様だった。

「小林遥香がなんでテニス部やめたか知ってるだろ」

言った後に本当に取り調べみたいだなーと思った…

「なんにも知らないって言ってんじゃん」

少し苛立ちが見える…

本当は何か知ってるんではないか…

「テニス部で小林遥香とは仲が良かったんじゃないのか?」

なんか坂本の取り巻きがいないと強気になれる気がした。

「あいりは、あいりは別に仲良くなかったもん」

いきなり声が大きくなった。

動揺しているのか??

「中2の時に何があったんだ?」

頼む答えてくれ…

「本当に知らないって言ってんじゃん」

まさかの逆ギレ…

「もう帰る」

そう言ってクラスを後にした…

坂本は小林遥香のことを何か隠しているだろうか?


「おじゃまします」

俺にとっては3日連続訪問である。

しかし今日は小林遥香と話そうと思っている。

少し前…

「小林さんに話を聞いてみたら」

古澤先輩がそう提案する…

しかし前回も前々回も話せてないのを知っている俺は

「無理です…部屋から出てきてくれないので」

そう言うと

「それは前回でしよ」

と古澤先輩は意味不明なことを言い出した。

続けて

「翔太くんや私が行動を変えたらもしかしたら小林遥香が部屋から出てきてくれるかもしれないでしょ」

なるほど…

その考えには至らなかった。

しかしどうすれば出てきてくれるのだろう…

そう俺が考えていると

「小林さんの好きな食べ物とかは知らないの?」

残念ながら食べ物の話は特に出てこなかった…

「んー聞いてないですね」

けど1つ小林遥香が部屋から出てきてくれるかもしれない作戦がある…あまりしたくないけど…

「確か小林遥香には中2の妹がいたはずです」

そう言うと俺が次の言葉を発する前に

「その子に協力して貰うんだね」

と古澤先輩が言うから静かに頷いて俺の母校であり、小林遥香の妹の小林久瑠美のいる平林中学校に向けて学校を出た。

酷いことでもコメントして貰えると嬉しいのでお願いします❤

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