6話
朝学校へ行くと
「おはよー」
といつもと変わらない挨拶を陸矢からされた。
「おはよー」
と返すと
「翔太数学の宿題見してくれ」
と陸矢から言ってきた。
数学の宿題の提出は昨日のはずだが…
「数学の宿題昨日提出だろ」
と俺が陸矢に言うと
「は?さては翔太もやってないんだなー」
何がおかしい…
「陸矢昨日って何やってた?」
「何って昨日は日曜だから普通に部活だったぞ」
また始まったんだ…
あの女の子を救った時のように繰り返す日々が…
「今日翔太なんかおかしいぞ」
本当にそうだ…
今日が2回目なんだから…
「大丈夫だよ」
笑って返しておいた…
放課後になり前回と同じように先生と俺と古澤先輩の3人だけになった教室で小林遥香のことを伝えられた。
先生が職員室戻ったあと
「よし行くか」
と意気込み古澤先輩を止めて繰り返す日々の話をした。
「俺実は今日が2回目なんです」
「は?」
もっともな反応で良かった。
俺が気づいてないだけで俺の周りのみんなも2回目なんじゃないかと不安に思っている自分もいたからだ。
「この前の女の子を助けた時も何回も同じ日々を繰り返していたんです」
「だから翔太くんはあんなに迷うことなく女の子を助けることが出来たんだー」
もっと疑われると思っていた…
「信じでくれるんですか?」
「当たり前でしょ翔太くんがそんなくだらない嘘をつかないことぐらいもう分かるよ」
俺は本当に相談部に入って、この先輩に会えて良かったと心から思った。
「でもなんで私にそんなこと言ったの?」
「小林遥香のことで前回分かったこともあるのでそのことについて一緒に考えられるようにするためですよ」
「そっか…」
古澤先輩は少し悲しそうな顔をしていた。
どう答えるのが正解だったんだ??
「小林遥香の事なんですけど中学2年の時に多分いじめを受けていました多分その影響で学校に来れなくなっています」
前回の情報を要約して古澤先輩に伝える。
すると少し考えた古澤先輩は
「なんで中2の時のことが今更になって来れなくなったんだろうね?」
と言った…
確かにそうだなぜ今更学校に来れなくなってしまったんだろう?
「とりあえず中2のことも小林遥香の母親に聞きましょう」
「本人に聞かないの?」
「家に言っても本人は出てきてくれないです」
「あーそういう事ね…」
ピンポーン
相変わらず軽快な音を立てるインターホンを押して小林遥香の母親が出てくるのを待った。
「はーい」
居間まで招待された古澤先輩は前回と同じように写真を見て回る。
小林遥香の母親が階段を降りてきて紅茶と茶菓子を出してくれた。
「小林さんが中2の時変わった事が何かありませんでした?」
単刀直入に聞いてみる…
「さぁ分からないわ」
母親でも分からないのか…
「でも大好きだったテニス部を辞めちゃったわね。なんで辞めたのか最後まで教えてくれなかったけどね…」
これはいい情報を聞いた。
そう思って古澤先輩の方を見ると同じことを思ったのか古澤先輩もこっちを見てきている。
「その時の写真でも見るかしら?」
そう言って持ってきたのは前回持ってきた卒業アルバムではなく家に置いてあるアルバムだった…
前回と俺が別の質問をしたから変わったのかもしれない…
「これとかね」
そう言って小林遥香の母親が指を指した場所にはラケットを振る小林遥香の写真があった。
「可愛いですねー」
古澤先輩は写真に集中してまたも小林遥香の母親と盛り上がっていた。
「待っててね卒業アルバムも持ってくるから」
そう言って小林遥香の母親は席を立って卒業アルバムを探しに行った。
「写真を見た感じ友達とは仲が良さそうだけどね」
古澤先輩がそう言ったのを聞いて写真を見るとラケットを持った小林遥香とピースをしている女の子が映っていた。
確かこの女の子は見覚えがある。
中3の頃クラスが一緒でずっとたくさんの女子を従えていた坂本なんたらさんだ。
下の名前は思い出せない。
高校も一緒だった気がする。
「この子翔太くんのクラスにいた子じゃない?」
え?一緒のクラスだったの?
「よく見てますね」
「翔太くん知らなかった訳では無いよね?中学の同級生が同じクラスにいるんだよ」
「…知らなかったです」
面目ない。
なんで気づかなかったんだろう…
「人に興味無さすぎ」
その通りだ
「卒業アルバムあったわよ」
そうして持ってきた卒業アルバムにはもちろん俺も乗っている…
「瑞希ちゃんまた来てね」
「はい久美さん」
2人はまたも俺の写真で盛り上がっていた…
「お邪魔しました」
そう言って小林遥香の家を出ようとする。
「お願い遥香を学校に連れて行ってあげて」
真面目な顔をした小林遥香の母親はそう俺達に告げると
「任せてください」
と古澤先輩が元気な声で答え小林家を後にした。
その夜俺はまたも中学の同級生に電話していた。
「テニス部の坂本って知ってる?」
「あーあれだろいじめっ子の坂本」
「いじめっ子?」
「なんか気に入らない女子を見つけるといじめてたらしい」
それは知らなかった…
もう少し中学時代人と関わっていればよかった…
「顔は可愛いのにそんな性格だから彼氏の1人もいないらしいぜ、まぁ俺は高校でもう彼女できたけどな」
いらない情報までついてきたがいいことを聞けた。
けどあの写真だと小林遥香と坂本は仲良さそうに映っていた。
じゃあなんで小林遥香はテニス部を辞めたんだ?
謎が謎を呼ぶとはまさに今回みたいなことだろうとくだらないことを考えながら俺は布団に潜り込んだ。
あまり眠れそうにないが今寝とかないと明日が辛い
明日がな…
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