2話
入学式が終わるとそれぞれのクラスで先生と顔合わせがある。
「えーこれから1年4組担当の齋藤新一です。よろしく」
あまり元気そうではない先生だが真面目そうではある。
「まーなんだ隣の人同士で挨拶するか?」
いやこの人はやる気がないな…
「俺は長野陸矢よろしくな。」
日焼けした肌に坊主…
どう見ても野球部の隣の席の長野くん?が挨拶をしてきた。
俺もする流れなのか
「俺は平井翔太よろしく」
顔合わせも終わりやっと帰れる
「明日は学校で色々とあるから遅刻はするなよ。じゃお前挨拶お願い。」
出席番号1番の奴が当てられた。
こういう時に出席番号が少し早いからって当てられるのは可哀想だ。
まぁそれで俺に当たらないならいいけどな…
「え、じゃあ起立、礼」
「さようなら」
よし帰ろう。
なんだかんだで女の子を助けて今日はだいぶ疲れたから帰って早く寝たい。
「君ー」
「そこの君ー」
「聞こえてるでしょー」
だに向けられているか分からない声が廊下を駆け巡る。
「やっと追いついた。」
肩を叩かれてやっと自分に向けられた声だと認識した。
「君見てたよ。」
キレイな長い黒髪に大きな瞳…
誰がどう見ても美人な人が俺に話しかけている??
分かったこれは美人局だ。
最近は学校でもやるなんて許されないな。
こういう時は
「お金を持っていないので失礼します。」
よし逃げるか。
「??お金は関係ないよ。」
「君が女の子を助けたのを見てたんだよ」
なんだ美人局じゃないのかー
てかあれ見てたのかよ
「すみませんどちら様ですか?」
「あーごめんごめん名乗るの忘れてたね。私は古澤瑞希」
「高二だよ」
驚いた…
まさか高二だとは…
「君の名前は?」
「…平井翔太です」
「翔太くんねふふふ」
少しにやけている。
「で古澤先輩は私に何か御用ですか?」
「もー「古澤先輩」って私達の仲なら違う言い方でしょ」
まだ出会って数秒の人に私達の仲とか言われたよ…
そろそろ周りの目が気になり始めた。
入学初日に美人に距離を詰められるモブ…
俺の高校生活に男の友達は出来ないかもしれない…
「古澤先輩すみませんが用がないなら失礼します。」
「ちょ待ってー」
階段まで逃げたあと下駄箱とは逆の方向に進み誰もいない廊下に行った。
「帰っちゃうのかと思ったよー」
「で要件はなんですか?」
「そうそう君入る部活決めてる?」
「特にきめてないですが」
「なら人助け部に入らない?」
「???」
初心者なので色々教えていただけると幸いです。