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繰り返しの高校生  作者: りんた
繰り返しと不登校
10/10

10話

「おーい平井ー」

齋藤先生が坂本の帰ったあとの教室にやってきた

「古澤もいるか?」

きっと相談部の話をするのだろう…

「はーい」

後ろの扉に入れずにいた古澤先輩が入ってきた

「良かった。相談部の顧問の話だが引き受けるようになったぞ。ついでにここの教室を放課後に部室として使っていいからなー…でもお前らまだ2人だからもう1人入らないと部活にならないか…」

そうだった…

この学校では部活の最低人数は3人と決まっている…

「あ、あのー相談部ってなんですか?」

まだ教室にいた小林遥香が質問する…

そうだ…小林遥香がいた…

「相談部に入らない?」

古澤先輩は俺が誘うのを分かっていなのかあまり驚いていないが小林遥香は目を大きく見開いている。

「まって…相談部ってなんなの?」

急ぎすぎて説明をしてなかった…落ち着こう。

「相談部って言うのはね簡単に言うと学校の何でも屋みたいな感じでとりあえず依頼が来たらこなすだけ」

まだ自分でもよく分かっている訳では無いが何となくで説明すると

「あーなるほどね」

と頷き

「別に入ってもいいよ」

と意外と簡単に了承してくれた。

「ありがとう」

そう言って小林遥香の手を握ると

「ど、どういたしまして」

とそっぽを向きながら答えた。

少し小林遥香の顔が赤く見えたのは光の反射だろう…

「よしじゃあ部長は古澤でいいか?」

齋藤先生がそう聞いてきたから

「俺はいいですよ」

「私もいいです」

と俺と小林遥香が答えて

「おっけー私がやるよ」

と古澤先輩が言った。

「じょあ部活の申請書とか色々渡しとくね」

そう言って紙の束を古澤先輩に渡した齋藤先生はそそくさと職員室に戻って行った。

あの人のやることだろ…

「じゃあ速く書類書いて帰ろっか」

そこからはノンストップで夕日の射す放課後の教室で3人がせっせと書類を書いていた…

「終わったー」

「こっちも終わりました」

「俺の方も終わりましたよ」

「じゃあ帰ろーう」

皆が終わったのを確認した古澤先輩が1番に教室を後にする…

学校から出て2番目の角で俺たちは別れる。

「じゃあさよならー」

小林遥香が手を振りながら角を曲がる。

「バイバイ」

古澤先輩がそれに応えるように降った手を俺にも向けてきた。

「さよなら」

俺は会釈で応える…


次の日放課後になると小林遥香が話しかけに来た。

「ねー相談部?って普段何するの?」

聞かれて思った…何するんだろう…

「さ、さぁ?」

これが俺の限界の答えだ…

「やっほー我らの後輩たちよー」

今日はなんだかテンションが高い…高すぎる古澤先輩が教室に入ってきた。

「古澤先輩、相談部って普段何しているんですか?」

俺にした質問とおなじ質問を古澤先輩にもする。

「依頼を待つ…それだけ…」

え?まじ?

何もすることないじゃないか…

「何もしないってことですか?」

直接的な小林遥香の質問に

「ま、まぁそうなるか…」

と古澤先輩が答えた。

「そんなことより君たち部活の時間だよ、初めての部活の時間だよ!」

普段よりも活き活きした古澤先輩が言う。

だからテンションが高いのか…

「残念ながら今日から1週間テスト期間だぞ」

教室を出かけていた齋藤先生が教室に集まった俺たちに向けて言った言葉に古澤先輩が膝を地面につけて悲しんだ…

この学校ではテスト1週間前になるとテスト期間となり、部活が原則禁止なのだ。

つまり今日から1週間は部活が出来ないと言うことだ。

せっかく初めての部活だとウキウキだった古澤先輩は目に見えるほど肩を落として悲しんでいる…

可哀想…

「げ、元気だしてください…テスト前なので勉強を頑張れていいじゃないですか」

フォローになっているのかが曖昧な言葉が小林遥香の口を出る。

「そ、そうだね…勉強沢山できるね…」

古澤先輩は自分に言い聞かせるように言う。

「そうだみんなで勉強会をしよう」

それまで死んだような顔をしていた古澤先輩がいきなり笑顔になった。

「え?今からですか?」

小林遥香があたふたしながら質問する

「もちろん」

何がもちろんかは知らないが古澤先輩はやる気満々だ。

「待て待て…学校に残ったりしたらめんどくさいから学校の外でやれ」

まだ教室にいた齋藤先生が外を指さしながら話した。

「分かりましたー」

古澤先輩が元気よく答えて教室を出る。

「2人とも行くよー」

そう言って廊下を抜けていく。

「どこ行くんですか?」

やっと追いついた俺と小林遥香が質問をする。

「ここの近くにある大型スーパーのフードコートだよ」

そのスーパーとは駅とは逆の方向にあり、ほとんどの生徒は寄らない。しかしそのスーパーにはフードコートがあるからテスト期間になるとよっていく生徒もいるらしい…

「よし…着いた」

俺の近所だが来るのは初めてであった。

「でか…」

俺の漏れた声に反応した古澤先輩が

「だろー」

と自慢げに言うが古澤先輩が自慢するようなことではない…


フードコートには俺たちの他に数組の同じ学校の人達がいた…

そんことを気にも留めていない2人はすぐに席を見つけ「翔太くん早くー」

と俺を呼んでいる。

「よし勉強するかー」

グーと思い切り伸びをした古澤先輩は何がとは言わないが凄かった…

「痛っ」

思い切り俺の足を小林遥香が踏みつけた…何故だろう…

「翔太は頭いいの?」

毎日は机に向かってはいるから頭はいいほうだと思う…

「まあまあかな。小林さんは?」

そう聞くと小林遥香はいきなり不機嫌そうな顔になった…

「その小林さんって呼び方やだ」

え…そんなこと…

「じゃあ小林遥香」

「やだ」

「遥香さん」

「やだ」

「遥香」

「許す」

その様子を見た古澤先輩は

「私も古澤先輩はやだ」

「古澤さん」

「やだ」

「古澤瑞希」

「やだ」

「瑞希先輩」

「やだ」

これ以上は出来ない…

「瑞希先輩」

「もー仕方ない…許す」

「はい…」


遥香は頭が悪かった。別に特段悪い方に分類される訳では無いが学校を休んでた分遅れてしまっている…

「ここは?」

また遥香の質問だ…疲れる…

「そこは公式を代入すれば大丈夫だよ」

瑞希先輩は目の前で寝ている…

勉強を初めてまだ30分しか経っていない…

いくらなんでも早すぎだろ…

「古澤先輩起きて下さい」

「…」

「瑞希先輩起きて下さい」

「はーい起きましたー」

本当にめんどくさい先輩だ…

「瑞希先輩が誘ったんですから勉強して下さいよ」

「はいはーい」

そう言って瑞希先輩が鞄からお菓子を取り出すと

「まずは糖分補給から…」

そう言ってお菓子を食べだした…

瑞希先輩を呆れた目で見ている俺に気づいた瑞希先輩は

「…もー少しだけだよ」

そう言ってお菓子をほんの一欠片だけ俺に渡してきた…

「…呆れてるだけですよ…」

一欠片を食べながら答えていると

「翔太ここはー?」

遥香がまた質問をしてきている。

「ここは公式を少し変形させるところだよ」

早く自分の勉強がしたい…


7時頃になりやっとみんな勉強に集中してきたところで

「そろそろ帰ろっか」

と瑞希先輩が言うのに遥香が

「はーい」

と元気よく返事をした。

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