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ルーズリーフとキャンパスノート  作者: 夜桜ユウト
2/3

2、零の義務

うっす。

よさです。


つづきです。

右翼とは、別人の話になっております。

二枚目



「陽巳ぃ!お前、早く来いよぉっ!」


聴いたことのある声がする。

小学5年の頃だっただろうか。

同じクラスに、荻野とかいうやつがいたな。

恐らくあいつだろう。

背が高く、好きなやつと近づくために小学校のバスケクラブに入り、中学に進学した今も、バスケ部のエースとして、活躍してるとかいないとか。

当時は、互いの家に遊びに行くほど仲良くしたものだが、小から中への小さな変化で、彼も、俺も見違えるほど変わってしまった。

今更、悔やむことなんてしないが、一つだけ気になることがある。

俺は、こうやって脳内に鮮やかにあの頃が映せるが、彼はどうなのだろうか。

俺のことなんて忘れ、周りのやつらとの今の記憶しか残っていないのだろうか。

もしくは、映せたとしても、ひどく傷つけられたDVDを読み込んだ時の様に、世界が崩壊し、画面なんか見えたものじゃない状態なのか。

聞いてみることすらもできなくなった俺は、臆病者で、半端者だ。

小学のときから、性格やキャラが180度も変わってしまった俺に、彼と同じようには生きられない。

友達が大幅に減り、一人で、寂しく図書館で借りた大量の小説を読む日々だ。

晴れで、男子のほとんどがグラウンドでドッジボール等をしているときも、雨で女子たちがトランプやウノをしているときも、アニメ化されているラノベや父が借りてきた本しか読まない。

誰かに、話しかけられることもなく、話そうとも思わない。

こんなクラスには、さすがの俺もなったことすらないから。


障碍者へのいじめ。


こいつらは、ただのいじめをしているわけではない。

教師に見つからないようにするだけではなく、いじめグループ以外の人間にもその実態を察知させないような卑劣な手段を用いる。

先日の水泳の授業中のことだ。

体調が悪く、保健室で休んでいた俺が全員より一足先に教室に戻っていた時の話だ。

4人くらいの気配と随分と気持ちよさそうな笑い声を感じたもので、ドアの窓から相手に見えないように覗き込んだ。

そのときだろうか。

初めて、「このクラスが嫌だ」と感じたのは。

小学のときも、そんなこと思わなかったのに。

障害を持つ女子のバッグを敢えて砂のつけた運動靴やスパイクで、踏みつけているのを目撃した。

だけでなく、そいつといつも一緒で付きっ切りの女子のバッグも視界に入った。

彼らには、障害も、障害を擁護する者も、同じように敵対し、一方的ないじめを行っていた。

更にたちが悪いのは、


この学校では、いじめによって、障碍者と、その友人が一人ずつ死んでいる。


俺らの学年が入学するときには、それが起きた学年はすでに卒業していたが、それを受けて教師たちが黙ってはいないのを、彼らは知っているはずなのに。

どれだけ、愚かな行為でも、彼らには、一時期の楽しみと、笑いを優先するらしい。

それから、もしなにか関わることがあっても、早々に自分から切り上げることが多くなった。

世には、「陽キャ」「陰キャ」という言葉があるらしい。

間違いなく、俺は「陰」だろうが、それを誰かに言われたって構わない。

無理して、「陽」になろうとして、一番愚かな行動をするのは言語道断だ。

彼らに、憎悪が沸き上がり、担任に報告…彼らは「チクる」とでもいうのだろうか。

自分も行動しなくてはならない。

自分が信じる正義のために、あいつらのような悪を懲らしめるために。

ただ、やつらの態度で、その志も絶えた。

担任には、以前からいじめの報告があったらしく、彼らを集め、話をしたそうだ。

(どうせ、説教を喰らっても、そのうちあのいじめは再び起こるのだろうな。)

そんな呑気なことを考えていた。

実際彼らからは当然のごとく、反省の意は見られなかった。

後に、担任から聞いた話によると、


「嫌いな人がいて、何が悪いんですか。先生だって、この世で嫌ってる人いるでしょ?僕らは、彼女が嫌いなだけなんです。嫌いな人を無理に隙になれって言うのは、重症のアレルギー患者に、アレルギーのある食材を無理やり食わせるのと同じですよ。」


屁理屈、と決めつけるのは間違っているだろう。

屁理屈と決めつけてしまえば、自分が相手を認めたことになる。

どうにもならないことだと分かっていても、その時の自分はそれを認められなかった。

小さいころから特撮に感化されて育った俺は、走れメロスのメロスのように正義を信じ悪を嫌う性格だった。

いじめ以外にも悪行を重ねていた彼らに、口止めをされたときから俺はまずこいつらと関わらないことを決めた。

下手に干渉すれば、自分の身を亡ぼすことも、彼らが調子に乗り、より悪に染まることを恐れたからだ。

それ以降、一年の時からの友人や、いじめグループ以外のメンバーとしか話さなくなった。


いじめグループに参加していたが、どうも明らかに不本意なやつとは一度話したことがある。

「お前は、友達が多くていいな。」

ふとした会話から展開し、自然に聞き出していた。

そいつは、少し俯き聞こえるかどうかわからない声量で伝えてきた。

「陽巳たちは友達じゃねぇよ。今じゃ、俺はクラスの中心みたいなポジションにいるけど、あいつらと一緒に行動して、一緒の考え方じゃなければ、首の皮一枚でつながってた見せかけの友情も切られちまうからな。」

左胸に、裁縫箱の針よりもよほど太く長い、抜けにくい棘を、思いっきり刺された感覚の様だった。

これ以上は、聞き出せなかった。

俺が、聞くのが怖かったのと、そいつが伝えるのが恐れていたように見て取れた。

ただ、それからというもの、彼からは、音楽の面白さを教えてもらった。

世間が騒ぐ、米津玄師の存在も、彼の口から知ったものだった。

このクラスはあと、2か月ほどで、二度と戻ることのないよう、解散となる。

このクラスになってよかったことは、雀の涙よりも少なかったが、彼からのものは広大な海よりも大きいものだった。

それだけだ。


授業の終了のチャイムが鳴った。

そういえば、この時間で、今日は終わりだったか。

全員が起立し、適当に挨拶を済ませた後、教科書をしまいに行く者、どこかに遊びに行く者、早々と帰宅準備を進めるものに分かれ、時間は過ぎていった。

また、あいつが来た。

「陽巳!!はよこい!ほら行くぞ!!」

彼らには、俺が映っていない。

本当なら、映っていてほしかったのに、

心情の変化をもたらしたのは、自分ではないことに、少々いらつきを覚えた。

うっす。

よさです。


今回は少し長くなってしまい、更には文がよくわからないように混沌と化してしまいました。

まだまだです。精進します。

今回の二枚目は、右翼の人物とは、違う人物の視線となっています。

以降。同一人物が登場しても、その人目線かどうかは読まないと分かりません。

この「ルーズリーフとキャンパスノート」はそのような小説だということをご理解ください。


この主人公目線の彼は、前の詩のこの人かな?

のように、考察しながら読むのも面白いかもしれません。

こんな文章で、考察なんてできるかわかりませんが。



今回、初めて人が過去に亡くなっている事実が発覚しましたが、凶吉では、どうなるのか、

そこも注目していただけると、より楽しめます。


それでは、拙いこの文章で、お目を汚してしまう前に、筆を置かせていただきます。



それでは、



しばらくっ



<今日学んだことは、平行執筆なんてできないこと  夜桜>

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