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01. プロローグ

初投稿です。よろしくお願いします。

2021年7月、加筆しました!

「えー、そんな難しい話良くわかんないし。そんなことよりぃ、先輩の彼氏さんの話もっと聞かせてください。」



「ごめん。君は1人でもしっかりしてるけど、彼女には僕しかいないんだ。僕の子も身篭っているっていうし、分かって欲しい。」



「プロジェクトお疲れ様でした。さすが主任。次のプロジェクト立ち上げもまた頑張りましょうねっ」




………………………………


恋も仕事もひと段落したので、休みと貯金を使えるだけ使った1人旅。

きれいな景色見ながら1人でふらふら旅行するのも悪くないな。


恋人はお花畑思考な年下の女の子に走ったし、仕事もプロジェクトがひと段落したし、今後の人生どうするかゆっくり考えよう。


どうせアラサーな私より年下の無垢で可愛い女の子に靡いただけのくせにあの男!自尊心を程よくくすぐられたからって簡単に乗り換えやがってこんちくしょう!



品の良い調度品に囲まれたカフェのテラス席で、ジャガイモとベーコンの香草炒めと黄金色に輝く麦酒(ビール)を楽しみながら心の中で元恋人に悪態をついていた。


本当に、しっかりして生きてる女より脳内お花畑な女の子の方がいいって男多いよね。そのお花畑が人工的なモノだって気づかないでさ。

ていうか、本物のお花畑ならそれはそれで地雷なのよ。ふんっ。

もう、知らない。しばらくこの国を拠点にフラフラしてやるんだから。



それにしてもジャガイモは美味しいな。どこの国に行っても変わらない味。地味にビタミンCも豊富で痩せた土地でも良く育つ。人類の救世主と言っても過言ではない。


…何故かジャガイモの美味しさに目覚めて各国のジャガイモを食べる日々。


美味しいご飯があれば、人間なんとか生きていけるのよ。恋人なんていつ裏切るか、分かったもんじゃないんだし。



ご飯を食べて、綺麗な景色で心を浄化して、新しい人生を歩むんだから。

充電期間が終えたらまた、バリバリ働いてやるっ!


そんな風に旅行を楽しんでいたはずが、


あれ、なんかすごく眠い。

ちょっと瞼を閉じても…いいよね。








◇◇

「ソフィア様、ソフィア様」


声が聞こえる。しかも割と近くで。


「ソフィア様!大丈夫ですか?」


「へっ?」


目を開けると、見知らぬ部屋のソファの上に居た。

部屋の中を見渡すと、天蓋付きベッドにソファに、文机に。

なんかやたらと本棚もあるな…。

家具は程よく装飾が施されており、なんというか、広さも相まって貴族の部屋っぽい。


なんだか体も頭もスッキリしているような…?


声をかけてきたメイドは、紅茶の準備をしながら心配そうに話しかけてくる。


「うたた寝なんて珍しいですね。ソフィア様。明日からの学園生活、緊張しているんですか?」


…メイド?

…ソフィア様?

…学園生活?


…ていうか、なんで私、見知らぬ部屋のソファでくつろいでいるの?


ちょっと情報量が多すぎる。ちょっと待って。何が起きているの?

とりあえず、せっかく入れてくれた紅茶を飲みながら落ち着こう。




あー、良い香り。


ふと、視界の端に自身の髪が映る。

光にあたってる部分がほんのり薄紅色に輝いている。これは、いわゆるストロベリーブロンド。




そうだ、ソフィアってわたしだ。

ソフィア=フレデリクソン。15歳。

ちょっと珍しい、ストロベリーブロンドの髪を持つ、子爵令嬢。


待って?ストロベリーブロンドの髪?子爵令嬢?

もしかしてこれって、異世界転生ってやつ?

しかもよりにもよって、ヒロインポジションに?

あの脳内お花畑、自分史上主義でちょっと痛い系なあの、ヒロインポジション?



「絶対いやだぁぁぁぁぁぁぁ!」



おもわず頭を抱えて唸ってしまった。


そんな人生、死んでもごめんだ。

話の通じない脳内お花畑娘は嫌いなんだ。大嫌いだっ!

打倒、お花畑思考。ウェルカム、論理的思考。

自分の人生、自分で切り拓くんだ。逆ハーなんか興味ねぇ!



「ソフィア様?どうされたんですか?」


メイドの焦った声が聞こえる。


けど、まずは状況を整理だ。

傷心旅行中に意識を失ったと思ったら、子爵令嬢に華麗に(?)転生。


そっか。文字通り第二の人生がはじまったんだ。

前世に未練もないわけだし、とりあえず前を向いて生きていくしかない。

お肌つやつや、髪の毛つるつるなピチピチ15歳。うん、なんか希望が湧いてきたぞ。

貴族ってことは少なからず資産があるはずだし、前世知識活かして快適生活めざしそう。

自立した女になって、地に足つけてたくましく生きていくんだ。


「やったるでー!」

拳を突き上げ堂々宣言。

うん、落ち着いてきたし、紅茶の続きでも飲もうかな。


ふと、紅茶に手を伸ばそうとしたらオロオロしながらこちらを見ているメイドと目があった。


「ソ、ソフィア様?どうされたんですか?大丈夫ですか」


そっか、うたた寝した(と思われた)り、頭抱えて呻いたり。かと思いきや拳を振り上げて何か宣言し始めたり、そりゃぁ心配になるよね。


使用人達が気持ちよく働ける職場を作るのも主人の務め。上司への不信感が高まると離職者増えちゃうし。

よし、ここはメイドを安心させるために、


「大丈夫。ソフィアさんは正気よ。」

親指グッ★っとしながら、ドヤァって効果音がつきそうな良い笑顔で諭してみた。


うんうん。これでこのメイドちゃんも安心してくれ…


「ソフィア様の様子がっ。だれか、お医者様を呼んでぇぇぇぇぇぇ」


どうしてだろう。血相を変えて叫びながら出て行ってしまった。


うーん。どうしよう。

まぁ、とりあえず紅茶の残りを飲んで、考えますか。




その後、メイドとお医者様が部屋に駆け込み、寝台に寝かされたのは言うまでもなく…。




こうして、傷心旅行アラサーOLのヒロイン転生物語の幕が開けた。

出来るだけ、定期更新したいと思います(続けられる範囲で)。

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