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#2 相棒を探す

冒険者になることを宣言したら宰相が横でごちゃごちゃと言っているのを聞き流していたら

一緒に召喚されたマリカという女性が


「素敵な殿方と出会って、愛されて幸せな結婚生活を送りたいの。」


と異世界なのにお花畑な発言をしたから思わず笑ってしまった


「せ、聖女様?」


「いいね!自分の人生なんだから好きなことをしたらいいじゃない!

マリカだっけ?気に入ったわ。私のことはエリーと呼んで!

困ったことがあったら私を呼んでね」


きょとんとこちらを見上げるマリカに笑いかけて


「さてと冒険には仲間か相棒がつきものよね~

宰相がいるってことはここ王城よね?

騎士団いるんでしょ?どこにあるの?」


「ありますが、聖女様何をしに行かれるのですか?」


「決まっているじゃない…手合わせとスカウトよ!!

そこのあなた案内してくれる?」


宰相があっけに取られているところをよそに部屋を出ていく

慌てて先ほど声をかけた武官が追いかけてくる

私の一歩前に出て


「聖女様、こちらです」


案内役をスマートにしてくる…こやつやりおる


そんなことはさておき、案内されている間に頭の中でマッピングを作る

これはゲーム内で地図をゲットするのが終盤だったりすると頭の中でマップを覚えていないとえらい目にあう…

何度 GAME OVER になったことか…

騎士団に行く途中で他の階段にはいなかった衛兵が立っている

お宝がありそうだから後で行こうかな

そんなことを考えながら歩いていると


「聖女様、こちらの階段を下がってもう少し歩いていただいたら騎士団に到着します」


「失礼、考えごとをしてたわ」


エスコート役の武官に謝罪し、後をついていく

これから楽しいことをするのよね…

これからのことを考えると血が騒いでしまう…バレないように舌なめずりしながらついていく


「聖女様、こちらが騎士団の詰所です」


「案内、ありがとう」


武官にお礼を伝え、騎士団の詰所に入ると驚愕した

詰所内で騎士団がダラダラとくつろいでポテチらしきものを食べて談笑している

どういうことかしら…騎士団とは規律正しいものではないのか


「お、可愛い嬢ちゃんじゃねぇか、俺が色々案内しようか?」


「このお方は聖女様だ!無礼な…」


下卑た目線を向けてくる男を大きく振りかぶってーーー

心を込めて殴ってやった


「せ、聖女様ぁぁぁーーー???」


騎士団全員が立ち上がり、殴られた本人は起き上がってこない


「てめぇ!可愛い顔して何しやがる!!!」


「ぬるい!ぬるい!ぬるすぎる!!!!

私のパンチ一撃でのびているなんてぬるすぎる!!!

ここの騎士団は鍛え方がぬるすぎる!!!

私が鍛えなおしてやるから全員表に出ろ!!!」


「はぁーーー?表に出ろはこっちのセリフだ!!」


「聖女様、無茶は無茶はしないでくださいぃぃぃ。

騎士団の皆様、聖女様にお怪我だけは!!」


「私がこのボンクラものに遅れをとるとでも?」


「なんだとこのアマ!!可愛いからといって甘い顔していたらつけあがりやがって」


「聖女様、煽らないでくださいぃぃぃ」


「事実だろう?」


互いに罵っている間に演習場っぽいところに移動する

騎士団の団員は残り9人か案外少ないな


「さぁーて、どいつから私の糧となる?」


「俺から行くぜ」


上半身がっちりめのちょっと機動力がなさそうなパワータイプが前に出てくる

意外とこういうタイプが機動力あったりするんだよねー

その辺りを念頭にいれ、どう攻略するか考える


「それでは模擬戦を行う、双方模擬刀を取りに来てくれ」


騎士団の一人が指揮を取る…こいつは少しまともそうだ

大柄の男と共に模擬刀を取りに行く


「戦闘の勝利条件は相手が気絶するか、戦えない状態になること、またはまいったと相手が宣言したときだ」


二人ともうなずき、定位置につく


「それでは、始め!!!」


大柄の男が走ってこちらに向かってくる

速いかなと思っていたんだけどそんなに速くない…見た目通りでつまんないわ

こっちからしかけるかな…と


男に向かって走り出すいつもの必殺技を使おうかしら…


秘技…人間は急に止まれない!!!


こちらに向かってくる男に対して体勢を低く入り、相手の脛を蹴って転ばせる

素早く上体を起こし、背中を蹴って受け身の体勢を崩す

相手の首元に模擬刀をつきつけ一言


「さぁーて、これから楽しい楽しい時間よ」


これから始まるショータイムに心を躍らせて横たわっている男に伝えると


「ま、まいったぁぁぁーーーー!」


「そこまで!」


「なんだーつまらないの」


「お前卑怯だぞ!!模擬刀を使わずに攻撃してくるなんて」


「んー?手加減してあげたんでしょー感謝しなさいよね。

模擬刀なんかで脛を思いっきり打ったら骨折するわよ」


「それはそうだけど」


「それとモンスターや賊が正攻法な戦闘してくれるわけ?」


「んぐ…」


「あんたたちホントにぬるすぎるわよ。

モンスターも賊も待ってくれないわ。

面倒だからもう全員まとめてかかってきなさいよ」


「あぁ!?俺らをおちょくりすぎやしないか!

いい度胸じゃねぇか…泣きづらかいても知らねえぞ」


「是非ともそうして欲しいわね…準備体操にもならないわ」


残りの騎士団の団員が模擬刀を持って襲い掛かってくる

一人振りかぶってきたところに腕を蹴って模擬刀を落とさせ、

体を回転させて相手の首に足をかけそのまま地面に落とすように回し蹴りをする

素早く着地をして模擬刀を取り他に向かってくる相手に投げる

くるくる回転した模擬刀が眉間に HIT!そのままノックダウン…あと六人

投げた方向にいる騎士団に向かって入りだし、間合いの内側に入る

相手に顔を近づけ一瞬ひるんだすきにぐーぱんで頬をそのままぶん殴る

もう一人近くにいたため、殴った体勢の際に模擬刀を振りかぶられる

そのまま前に転がってよけ、手を地面について片方の足を伸ばして相手の足をすくう

体勢が崩れたところでかかと落としをお見舞いし、そのままノックダウン、あと四人

反対側にいた四人中二人がこちらに向かって走ってきている最中なので

近くの二人が持っていた模擬刀を投げて相手が払った隙に素早く近づき、歯を食いしばって胴を殴る


カハァ…


相手から何か出てきたけれども無視無視

模擬刀を払い終えたので私に向かって模擬刀を大きく振りかぶってきたので今倒した相手を盾にする


「あらあら仲間を攻撃するなんてひどい人ね」


「な、てめえ卑怯だぞ!」


「戦いに卑怯も何もないのよ!勝てば官軍負ければ賊軍!」


「なんだそれえええええ!!!」


情けない最後の断末魔を聞いたのでサクッと回し蹴りで胴を蹴ってノックアウト

さぁーて後は二人…どうやって遊ぼうかな…


「待て、迂闊に飛び込むとやられるぞ!」


「あぁ!」


「あら、騎士団にもちょっとまともな人間がいたようね…だけど」


「な…」


「作戦を立てるならもっと前に立てないと」


一瞬で近づいて、お腹に拳を入れる!


ぐはぁ…


その心意気は買うんだけどねぇーちょっと状況対応力がないわね

さてと残りの一人も背後から膝カックンしたところで踵落としをお見舞いし、終了


「ホント、骨のない人たちね。準備体操にもならなかったわ」


「聖女様、お怪我はありませんか?」


「ないわよーとりあえず、この人達のために医務室とか医者とか呼んで上げて」


「はい!」


「私はその辺散歩しているから」


「わかりました!!!」


勢いよく返事して医者を呼びに行く武官をよそに散歩に出かける

ここにきた当初に聞えた咆哮のもとに

私の勘だと大型モンスターがここにいるはずなのよね…

本格的に運動したいし、ちょっと遊びにでかけましょうか

先ほど衛兵が立っていた階段までいき、降りようとしたところ


「お待ちください、聖女様。ここは立入禁止です。」


「なんで?」


「なんでもです。」


「そう?じゃぁちょっと眠っていてもらえる?」


ニッコリと笑ってパンチとキックをお見舞いする

衛兵たちも弱いなー平和ボケしているのかな?

そんなことを思いながら下に降りていく


階段を下った先には…宝物庫ではなくて薄暗くてじめじめとした牢屋がいくつか広がっている

今は囚われている人がいないようだけどなんで表に衛兵が立っているのかしら…

そう思いながら奥に進んでいくと扉が見えた

そことなく冷気が漏れている気がするけど気のせいかしら…

扉に手をかけて開けてみると


開けた部屋に白銀の竜が佇んでいた…


「すごく美しい…」


その美しさに思わず見とれていると


『何しにここへきた』


「何しにってそうね…好奇心のおもむくままに来たけど目的は今決まった!

あなたを私の相棒にする!!!」



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