表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

#1 聖女とかマジ無理

オリジナル作品処女作ですのでお手柔らかに広い心で読んでいただけますと幸いです。

あなたの心の緊線に触れられると嬉しいです。


心がおもむくままに進む物語をどうかお楽しみください。

森の中を駆け巡り、ターゲットなる自分よりはるかに巨体のモンスターを仲間とともに追い詰める

指定したポイントまで誘導したところで一気に加速して双剣を獲物の喉仏に突き立てる


「チッ」


舌打ちをして攻撃範囲から出る…攻撃が浅かったようだ

血は出ているものの先ほどより鋭く動いている

どうやら敵の戦意を向上させてしまったようだ


「エリィとあろうものが情けないな」


一緒にきた仲間が私を煽ってくる


「うるさいわよ。楽しんでいるのだから邪魔しないで」


不敵な笑みを浮かべ、自分のターゲットに集中する仲間を見送って自分のターゲットを集中する


深呼吸して集中力を高める

右足を踏み込み、姿勢を低く一気に加速して敵の間合いの内側に入り、敵のアキレス腱を断つ

動きが鈍くなったところで腹に一撃を加え、最後に連撃を喉にいれる

最後の一撃で相手の首を落とす

相手が絶命したのを確認して、双剣をクルクル回して剣についた血を落とし、鞘に納める


「いつものながら見事だね」


「…自分のターゲットは?」


彼が指を指す方向を見ると既に絶命している敵がいた


「今日もボクの勝ちだね」


「言ってろ、いつかお前を倒す」


「はいはい。いつでもどうぞ、万年二位さん。

ところで次のモンスターも倒しに行く?」


楽しそうに笑う彼を横目に時間を確認する


「そろそろ仕事だから落ちるわ。続きはまた今度」


「それは残念…次は何の作品に出るの?」


「内緒。そのうち知らせるわ。したらね」


彼の返事を聞かずにログアウトする

頭につけていたゴーグルを外し、仕事の準備をする

色々なゲームをしてきたがVRゲームでは彼に勝てていない

色々な武器縛りでイベントもあるが…いつも世界ランキング二位!!!

悔しすぎて来る日も来る日も明け暮れた

色々な武器を使って敵を倒すのは勉強になるし楽しい

何よりスタントマンの仕事をしている自分にも大変参考になる


今日を撮影する作品は昔から憧れていた作品の実写版だ

大正時代に帯刀を禁止されている侍達の物語

撮影日だというのにわくわくして眠れなかった。

仕事に出かける支度をして、靴を履きドアに手をかけた瞬間に光があふれ出る。


足元から眩しい光が放たれたため、思わず目をかばい衝撃に備える

光が収まってきたため、徐々に目を開けていく

先ほどまでいたビルとは違い、どこか教会を彷彿させる部屋にいた

石造りの柱にとても広い部屋

足元には魔法陣が描かれており、周りには杖を持った長いローブを着た人間が大勢いる

魔法陣の中には私と同じくらいの年の髪の長い女性が同じように茫然と佇んでいる…


何が起こったのだろうか


状況把握とこれから起こるかもしれない出来事を想定して逃げる算段をつけている

魔法陣の円にそって配置されている魔法使いのような人達はぐったりとしているので

奥にある出口に走れば突破はできるだろう

だけど問題はその後だ

ここがどんな世界なのか、ましてどこの建物なのかわかっていない以上迂闊に動くのは危険だ…


「成功したのか?しかも二人も召喚できた…これは快挙だ!」


周りからそんな声が上がってきており、ますます困惑する

召喚されたということはここは異世界の可能性がハネ上がる

VRと仕事の合間に読んだ異世界召喚系の小説でもよく見かけるセリフだ

そして異世界に召喚された人間は何かしら役目を与えられて帰れない可能性が高い


ガォーーーーーーー!!!

叫び声とともに部屋が揺れている感覚に襲われる

咆哮とともに地震もあるのに皆慣れたように対処している…

これはよくあることなのか、あと重工な鎖の音も微かに聞こえる


ここには何か捕えられているのか…?

どうしようか考えていると、奥の扉が開いた


入ってきたのはいかにも偉い人物であろう人間が入ってきた

髪が長く人のよさそうだけれど胡散臭い丸い眼鏡をかけている。

なんせ周りにいた魔法使いっぽい人達が敬礼し始めたからだ。


「魔導士の諸君、楽にしておくれ。連日に渡る召喚の儀、お疲れ様でした。

また、異世界からいらっしゃったお二人、ようこそ。

状況を説明するために別室を用意したので、そちらまできていただけないだろうか。」


怪しさ満点だけれどもここは従ったほうがいいでしょう。

何せ状況がわからないのでは今後どうするか決められない。

状況を整理するために一旦話を聞いたほうが得策だな


「…わかりました」


そう答えるとほっとした表情を浮かべる偉い人。

一緒に来たもう一人も頷いていた


「では、こちらにどうぞ」


先導してもらって歩いた先々は赤いふかふかの絨毯がしいていることからかなりのお金を持っている施設であることが想像できた

今後起こる展開はなんとなく創造がつくが…予想通りになってほしくない

先導する男が扉を開けて先に入り


「さぁ、こちらにお座りください。」


言われるがまま座った瞬間に紅茶が用意される


「彼女たちがいれてくれるお茶は美味しいですよ。

どうぞお召し上がりください。」


あまり喉は乾いていないが一口つけるとほっとするような美味しさが広がる…


「ふふ…お口にあったようで何よりです。お名前をお伺いしても?」


「…ただのエリカだ」


「タダノエリカ様ですか。

それではお二人を呼び出した理由についてお話いたします。

この王国はリコリスラジアータといいます。

私は宰相のインカルナータと申します。

この国は慢性的にモンスターに襲われているため、王国全体に結界をはって侵入を防いでいます。

結界は聖女の祈りによって支えられていますが聖女の子供達は代を重ねるごとに力が弱まってしまうのです。

そのため、定期的に召喚しないと結界の力が弱まってしまうため、あなた達をお呼びいたしました。」


名前を誤解されているようだが、まぁいいか


「…つまり私たちに聖女になれと?」


「はい。勿論無料でとは言いません。

この国では聖女の地位は王族についで高いです。

聖女として日々の努めを果たしてくれる場合は衣食住の保証と王族または貴族との婚姻が可能でございます。

また、聖女たちにもランクがございます。

召喚された聖女はよつは、聖女の子供はみつは、孫はふたは、ひ孫と男児はひとはのランクがございます。

潜在している能力によって多少ランクは変わるものの待遇は変わります。

よつはは特別室が与えられ、世話係となる侍女が多くつきます。

よつはの仕事としては公的な場でのお仕事や聖女のとりまとめ、結界の維持、回復薬であるポーションの作成などがございます。

一人でしたら大変な仕事量ですが、今回はお二人がいらっしゃるので分担して努めていただけたら負担が少ないかと」


手を広げて光栄な職業であることを熱く語る宰相であるが…


「だが、断る!」


ハッキリと断言したところ、慌てた宰相が椅子から立ち上がる


「え、どうしてですか?なにか気に入らないことがございましたか?」


「気に入らないことだらけだわ、もっともらしいことを言ってただただ異世界から来た人間をいいようにしているけじゃない。

私は駒になるつもりはないわ。」


「最初は大変でもサポートとさせていただきますので、受けていただけないでしょうか?」


ものすごく低姿勢だけどこれは決定事項のように言われているため、ものすごく腹が立つ!


「聖女とかマジ無理!まぁただ、モンスターがいるってのはすごくすごく楽しそうね…

そのモンスターは私が狩ってあげるわ…」


たくさんいるであろうモンスター達を蹂躙することができるなんてなんて楽しそうなんでしょう

思わず頬を染めて舌なめずりした


「え、あの…聖女様は前線に立たなくていいのです…よ?」


困惑した顔を浮かべるインカ…長いから宰相でいいか…よそに高らかに宣言する


「後ろで怯えて控えているなんて私の性に合わないから冒険者になるわ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ