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忘却
私は歩いている。
真っ暗な道を。
どのくらい歩いているのか
何故歩いているのか
自身でも分からないまま足を動かす。
周りには人気もなく
音も聞こえず
裸足のような足音がその場その場に落ちていくだけ。
私は歩いていた。
道筋に沿って。
未知のような
懐かしいような
あいまいな境界線の上を意識が辿る。
……ふと、遠くから音が聞こえた。
上手く聞き取れないが、頭に響いてくるぼやけた音。
……前から、赤い光が点滅して近づいてくる。
何かが私を導く。
座り、揺らされて景色が変わる。
周りにいる彼らは、誰だ。
泣いている彼らは、誰だ。
…私は、誰だ?