表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/14

05 一路大国へ

難しい、ややこしい部分は読み飛ばしてください。

あとがきに一応簡単に説明は載せてますが

政治形態の話を盛り込んだので興味があればあとがきまでぜひご覧ください。

東の大国ハゼルは王政をしいているらしい。

王様がいるってことだな。

王政の場合王族は子を生むことを再優先事項とする。

でないと王政が維持できないからね。

だが、助かったこともある。

王政(君主制)とは王様がいる国で政治の中心が一人だからだ。

共和制だと議会だの何だのでトップに権力が偏りすぎない。

そのため

「俺たち、4人揃って、勇者パーティーでーす」

みたいなことを言っても、会議だの何だので時間がかかって仕方がない。

代表者にあって終わりってわけにはいかないのだ。

王政であっても大事な王族にどこの馬の骨とも知れない者がホイホイ謁見を許されるとは思えない。

しかし・・・

こちらには決定的証拠があるのだよワトソン君?


王国までの間に一晩眠る。昼夜逆転の魔王組は流石に辛そうだったが

魔族に睡眠って必要なのか?とかドSなこと言うと

マインちゃんに引かれそうでやめた。

夜の警戒は昼間休んでいた(影の中で寝ていた)デスタが見回りに立った。

とはいえ王国についたら影から出ないといけないので

そこは頑張れ!

何故か、神の奇跡は悪魔やら魔王やらには効果がないらしい。

回復しようとすると蒸発しそうだしな。

容姿は表面にフィールドで見た目をごまかしているだけなのだ。

ハリスをデブにしておかないと本体の3段腹が通行人にあたったりすると違和感を持たれてしまうからだ。


さて、遠目にハゼルが見えるわけだが、太陽は頂点にある真っ昼間だ。

睡眠は十分だろう?

「デスタ起きろ」

「ハッ、おそばに」

起きてた。ハリスより優秀だと思うに一票

「街の中に入ったらとりあえず王宮に行くからな?」

暗に余計なことをするなよ、と。

ハゼルの街並みは何ていうか全部石造りだ。

道路、建物、王宮の全てがきれいに整っている。

ふむ。スルタ村はド田舎だった。

空から一周してみた時そんな細かい部分まで見ていなかった。

「ね~コルタく~ん。

 あとで、一緒にお買い物しよっ?」

「じゃあ、早めに終わらせないとなっ」

こんな可愛いおねだり見たことも聞いたこともないんですけど?

18年生きてきて、ちっちゃな女の子も居たけど

基本引きこもってた俺と接点なんてあろうはずもない。

耐性も免疫も全くございません。


ってか・・・・お金は? 持ってないんですけど?

買い物どころか餓死?

ここまで来る道のりの食事は基本的に狩りと収穫

何か忘れてる気がする・・・。

そっか!俺神様だったわ。

食料も金も作り放題だった。

閑話休題


王宮は球形の頂点だけ天に高く線が伸びてるような形状をしていた。

きれいな模様が描かれており

国民街と大きく異なっている。

いつでもwelcomeな感じだったので

遠慮なく入っていくと列をなして順番待ちをしていた。

どうやら受付らしい。

何でこんなに人多いの?

俺のイチャイチャタイムは?

「マリン・・・時間かかりそうだけどどうする?」

「一緒におしゃべりしてよー」

とりあえず可愛いは正義という言葉が脳天直撃だった。

こうして待ってるのもなんだかワクワクするね

とか小さい声で言われたら

ここは天国か~ってなもんですよ。神様と天使だけど


しかし、なかなか列は減っていかない。う~ん・・・

どうしようかと思っていたら

デスタがスタスタ歩いて受付に話しかけた。

洗脳とかしてそうで冷や汗ものである。

「なっ!!!」

うおっびっくりした~

静かな空間で突然でかい声出されるとびっくりするでしょうが!

と思ったら急いで受付が駆け寄ってきて国王陛下への謁見が許された。

後で何話したか聞かなければ眠れそうにない。


謁見の間はハリスの魔王城より小さく、兵士がずらりと勢揃いだったが

柔和な笑顔のおじいちゃんが玉座についていた。

国王陛下の午前に並ぶよう支持されて従い

国王陛下に受付から小声で今回の件を報告された。

地獄耳って言うけど魔のものではなく

音波振動なのでいくらでも聞き取れます。聞きたい時だけね。


「そちらが魔王を倒し、聖剣を取り戻したというのは

 まことなのかいの?」

威厳のある話し方なのに語尾が残念で可愛いおじいちゃんだ。

代表して俺が答えるしか無い。

「はい。私はコルタといいます。

 一族が実は勇者だったと聞かされ魔王を退治に赴き

 何とか倒してこの剣を見つけましたのでお届けに上がりました」

意外と言葉遣いできてる・・・っぽい?

そう言いながら聖剣(だったの?)をくるんでいた布を剥ぎ取った。

「「「おおーーーー」」」

やたらと感心された。

街中で剣抱えて歩き回るとか危ないやつじゃん?

こんなに感激されるとは思わなかったけど


「本物に間違いないようじゃの」

ピリピリした空気の中で国王陛下の言葉に

どこかからホッとしたような吐息が漏れる。

恐らく受付の人だろうな。

偽物を中に通したとあってはシャレにならない。

よく通したよな?


「よーーーわかった。

 そちらには報酬と貴族の地位と領地を与えることとする」

え?いらないいらない

「運営にあたってはわしの孫娘をつけるでの~

 良かったら嫁にもらってはくれんかの~」

相手は王様です。

孫娘は王族です。

きちんと対処法を考えないとと時間を止めていろいろ考える。

神の知識は無限のパターンをはじき出してくれるが・・・

なるほど。強力な戦力を他国に渡さず監視付きで勇者の血を王族に入れておきたい・・・か

領地は体のいい厄介払いだな。

身近をうろつかれては怯えることもあるか。

話し方の割に頭のいい爺さんだ。

村にいたままだとこんな発想全く出てこなかったな。

「わかりました。嫁に

「ちょっと待ってください!コルタ君のお嫁さんは私ですよ?」

あちゃーーー

断る気だったんだけど?

あー、駄目だこりゃ。フシャーーってなってる。


「側室でよいぞい?

 運営の分かるものがおらんと不便であろう?」

仕方ない。

「嫁にというお話はお互いが納得すればですが、

 補佐していただけるのは助かります。

 田舎者なので」

こんなとこで収めるしか無いでしょ?

「ほっほ、そうかい。ありがたいのう~

 では、領地じゃが

 わしに反乱を企てておるらしい貴族がおっての~

 それをどうにかして追い払ってそこを任せてもよいかの~?」

不穏分子の掃討もしておかしな結託をしないか確認する・・・か

俺、神様じゃなかったら考えられない発想だったわ。

「わかりました。

 土地勘もありませんが先導していただけるのでしょうか?」

少し考え込むようにこちらを見てから

「孫娘が知っておるでの。王宮を抜け出して不穏分子を確認しに行っての

 ちょっと長旅じゃったが帰ってきた所じゃて」

「っ!?」

信じられんというような声なき声が一斉に響いた。

息を呑むってこういうことね。

「孫娘のセリナじゃ

 よろしくやっとくれ」

国王陛下の左に華麗にちょこんと座っていたのが

ドレスの裾を持って丁寧にお辞儀をした。

サファイアブルーの髪色でストレートロング

所作が美しい15歳位のお嬢様だった。

「かしこまりました」

隣ではマリンがむくれていた。

すっげー可愛いんですけど?

セリナ様・・・ごめんなさい

俺結構マジでマリンのこと好きかもしれん。

政治的な内容が多かったので豆知識

日本は立憲君主制という政治形態ですが

天皇陛下が政治に関わることはできないとされており

君主制(王政)かどうかは議論が分かれるところです。

簡単に言うと私達の法律とは別に皇室には皇室の皇室典範という厳しい法律があります。

これは、政治への鑑賞を禁じるもので、議会制を取っている日本は

象徴が天皇陛下、政治のトップが内閣総理大臣で、

国民主権なので選挙で代表者が出て議論するという方式です。

選挙で選ばれた代表者が税金をどの様に使っていくかを決めるため、

内閣総理大臣一人で全て決定することはできないということですね。

国民主権とは投票で代表者を選ぶ権利なので国民が否といえば当選しません。

選挙毎に政党の議席数が変わるので王政のようなスピーディーな決断はできないということですね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ