04 再度旅立ち
所変わってスルタ村
父から意味不明な発言が飛び出した日の朝である。
言われる前からわかってる話を聞かないといけない。
隠し設定としてマインちゃんは俺のことが好きすぎるってことにしてある。
(本人にも伝えていないので天使の記憶もあるけど
何故か俺のことが好きすぎることになる。フシギダネ~)
マインちゃんが俺の家に遊びに来るはずなので
親父が起きる時間を遅らせる。
俺にとってはマジでくそオヤジである、
「コルタく~ん、来たよ~。起きてる~?」
(おお!!設定効果は抜群だ!かなりクル物がある)
可愛いマイエンジェルマインちゃんが可愛い声を惜しげもなく俺に向けていることに感動した。
世界は希望で満ち溢れている。
ちなみに死ぬ前同様ニートではなく研究者として魔法を研究してることになっている。
フシギダネ~
「おはよう、コルタくん、おはようのチューして」
やっば・・・・可愛すぎてマジ天使(色んな意味で)
軽くチュってするとえへへと照れていた。
神様の力最高~
んでもって面倒なので早送りしてくそオヤジイベントスキップ
マインがついて行くと聞かなくてくそオヤジを困らせていたが
死んでもついていくと言ったら、本気で死ぬことになるかも
と冷や汗をかいていた。
俺の復讐はこんなもんじゃないけどなっ!
ただダラダラ歩いていたときよりも爽やかに腕組みしながらスキップだった。
「いいお天気で一緒に歩けると何かすごくいいよね」
話し方が完全別人だがマインである。
マイエンジェルマインちゃんはもはや俺しか見えていない。
途中でピクニック気分でマインちゃん手作りお弁当イベント発生
味は普通だった。
天使は料理をしたことがないだろうからそういう設定を細かくしないといけない。
いちいち設定変更するのも面倒なのでメシマズじゃなかったからよしとしよう。
今後の課題だな。
夕方に差し掛かる前には魔王城に到着していた。
時間を止めてゴソゴソやってた魔王の様子を見に行く。
あの時謎だったんだよね~
魔王は一体どこで何やってたのか。
<<魔王が現れた>>
<<魔王は着替えの最中だったようだ>>
<魔王の半裸姿を見て精神にダメージを受けた>>
先制の精神攻撃とはやるじゃねーか魔王さんよ~!!
<<コルタはブチ切れた>>
少し時間を進めてから入ることにしよう。
暗闇の中ライトの魔法をマインちゃんが使ってくれた。
明るいっていいわ~
謁見の間らしき場所に魔王が居た。
黒のローブのようなものを羽織っている。
さっき見た時は贅肉の塊でぶよぶよしてるような見事な三段腹に
何故か頭だけスケルトン仕様で骨しかなかった。
「よく来たな、勇者よ
ここがお前の墓場になる。
魔王は夜行性なのか?
寝起きで着替えてカサカサと・・・
プレッシャーなんて感じることもできない。
「何で勇者だって分かるの?」
素朴な疑問だった。
「貴様がこの時間に来ることは定められていた運命だ。
そして貴様が死ぬこともな! いでよマスターデーモン」
召喚キャンセル
「あれ? さっさと出てこんか!マスターデーモン」
召喚キャンセル
「・・・・・」
時間停止して魔王の前に移動して時間停止解除
「はっ!? 勇者がこれほどとは聞いておらんぞ!」
何か喚いている。
「で、何で、俺が、今日、この時間に
来ると、わかってたんですか?」
圧倒的な実力差に恐れおののく魔王
ってか、魔王なのに配下がマスターデーモン一匹だけなのか?
「予言があるからだ。わしら魔王は
勇者を倒してから国を滅ぼしていかねば
勇者によって滅ぼされると。
今日まで我慢してきたのにこれほどの強さだとは思わず
できれば許してもらえませんか?
まだ何もしておりませんので・・・」
許すわけ無いだろう・・・3回殺されてるからな
マインちゃんの分含めて4回倒すために蘇らせよう。
倒す、起こす、倒す、起こす、倒す、起こす
「何でも言うことを聞きますのでもう許して下さい。
わしは勇者の仲間になります。」
謎展開過ぎた。
「魔王はどうやって生まれてくるんだ?」
神様の知識にもそれはなかった。
「魔王は魔物を統べる者です。
魔王が倒れれば次席が魔王を引き継ぎます」
力関係の頂点ってだけかよ!
でもそうなると面倒だな・・・
魔王を倒しても仲間にしても結局魔王は現れる。
あっ、いや、それでいいのか。
一旦魔王討伐すると力比べ大会でもあるんだろう
魔界一武闘会敵な?
そのせいで、勇者が討滅後は魔物が活発に活動しない時期が来て
次の魔王が生まれたらまた討伐する感じだな。
神様も暇じゃない。
こんなことまで調べてたらそりゃ手が足りわけないわな。
きちんとフィードバックするつもりがある俺って
結構働き者の神様だと思う。
仮初の平和を与えるための勇者兼神様なら
これで正解なんだろう。
さて、俺の可愛いマインちゃんを殺した罪は重いが
どうしてくれようか(完全責任転嫁)
「コルタ君、許してあげよ?
魔物は魔物への転生でまた生まれてくるんだから
いっそ仲間にしちゃったほうがいいかもしれないしね」
マインちゃん優しい
「わかった。ただ、俺のマインに手を出したらお前、死ぬからな?」
きちんと脅しておく
マインちゃんの目はハートマークだった。
「そんな恐れ多いことはいたしません。
わしにできることはこき使ってください」
そんなわけで魔王ハリスが仲間になった。
部下はやはりマスターデーモンだけらしい。
デーモンの召喚して全魔力を吸われたらしい。
マスターデーモンのデスタも一緒に仲間になった。
あまりに目立ちすぎるので容姿を人間のデブと
マスターデーモンは俺に忠誠を上書きされてるので
イケメンにしてやった。
デスタは命令には従順でデーモンの最強だったが
魔王ハリスに破れた後に召喚されたらしい。
ハリスにすればデスタを服従させることで
魔王の立場を奪われないようにした格好らしい。
デスタの能力はなんてことのないもので、影を操り
自身も他者の影に異空間移動ができるというものだったらしい。
そりゃ気づく間もなく刺されるわ。
4人パーティーの勇者御一行様になったわけだが
待てよ?
どうやって魔王を倒したと証明すればいいのだろうか?
大都市で魔王を倒した勇者御一行様だ~ってもてはやされたいんだが
「ハリス!お前何か大都市から奪った国宝とかないの?」
責められると思ったのかハリスは萎縮して震え上がった。
「国宝かどうかは存じませんが、東の大国ハゼルの王宮で
なかなか良さそうな剣がありましたので保管しております。」
見せろと顎で指図する。
客観的に言ってこんな横柄な神様はだめだと思う。
すぐに持ってきた剣には豪華な宝飾が施されており
紋章のようなものが入っていた。
「お前これどうやった?」
「コルタ様の前の勇者が持ってきたものでございます」
あ~それで俺の装備がしょぼかった・・・
それどころじゃねーよ!
国宝級の装備ってことは国とのつながりまであって
勇者だって言ったら装備をもっとまともな・・・・・
わりい
俺、魔王よりくそオヤジが憎いわ
ハリスの能力は魔力をごっそり持っていかれた後
回復が遅々として進まず
簡単な魔法くらいしか使えないそうだ。
見た目も中身も使えないが
「国宝級装備はよく保管していた。そこだけはグッジョブ」
「ありがたき幸せ」
こうして一行はハゼルへと歩を進めた。