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11 招かれざる客

領地運営は順調だ。

おかげで俺達の仕事という仕事がない。

ミエード領内はとてつもない発展を遂げている。

特に王都へ売り出されていくガラス細工にレンガなどは

室の高さを認められ、王城への献上品にもなっている。

これで時間スキップしたらミエードが世界の覇者になるのではないだろうか?

ちょっと怖いのでもう少し様子を見よう。


勇者パーティー(魔王含む)がミエード領主として

セキルやギルタの街にも受け入れられてきた。

防衛力が高く、生産品の品質も高い

現状でハゼルの王国内で最も栄えていると称されている。

人、物、金が放っておいても集まってくる。

防衛力と言えるかどうかはわからないが、フレイムもいるのだ。


人の流れがあるということはよからぬことを考える輩も当然いるのだが

その都度ミエードの誇る騎士団が撃退している。

騎士団というのは普段は開墾や魔導探求をしている者達が

有事の際に結成する防衛部隊だ。

そんなわけで、本当に何もすることがない。


「マインちゃん、これからどうしようか?」

神の使い、天使としての活躍(?)ぶりから

あまり建設的な言葉が出てこないのは自明の理ではある。

「私は~コルタくんと一緒なら何でもいいよ~」

デスヨネ~

「ハリス、デスタ。何か意見はあるか?」

実は有能な魔王軍

「わしは有能な人材を育て、今後の働きを見守りながら

 エリート集団を作りたいと思っておりますじゃ」

「私は剣術のバリエーションも既に教え終えております。

 特に何もない場合はこのまま街の発展を見守るだけでよろしいかと」

言い終えるとバチバチとハリスとデスタの間に火花が散る。

そりゃそうだよね?

一方はまだ教え足りないと言い、一方は教え終えたと有能ぶりを自慢しているのだから。

「セリナは?」

「え、ええ。今のところは問題ないと思いますわ。

 ですが、今後他国からの間者が増えることも間違いないでしょう。

 何事もなければよろしいのですが」


そう、俺には一つ考えていることがある。

ミエードが繁栄することで他国や王都を刺激していないだろうか?

人というのは嫉妬、妬み、嫉みがつきもの。

王都はセリナによる監視がされている。

砂漠、森を背後にした国教の境目のミエード領

間者というより俺なら工作員を差し向ける。

むー・・・

「眉間にシワが寄ってるよ?コルタ君」

明るい声のマインちゃんの言葉が胸にしみる。

なるようになるかと気合を入れ直した。

ただし、やっぱりやることはない。


現在無駄な魔力を消費しないようにコピー体は使っていない。

館には身の回りの世話を是非にと言われ雇ったメイドさん達がいる。

一挙手一投足にものすごい視線を向けるマインちゃんを

相手にもしない鉄の心を持っている。


そんなメイドさんが俺のところに書状を持ち込んだ。

 隣国ハゼルの領主殿

 これからお前のところを手始めにハゼルを手中にする予定なので

 首を長くして待ってろよ

         マルタ共和国大統領 シード


大統領のくせにすごい雑な文章だった。

領内の防衛は万全なのでなにかするべきか悩むんだけど

どうするかな~


結局俺はフレイムのところに立ち寄った。

「おっ?俺様のところに来るとは

 何かあったか?

 俺様の出番なのか?」

どうやら暇すぎてイベントを欲しているようだった。

「ちょっと飛んでくれんか?

 熱いのは我慢してやるから。」

「それなら熱気を抑えることもできるぞ?

 俺様は火に属する全てを操れるからな?

 優秀であろう?」


やたらとアピールしてくるけどそんなのは完全無視

せっかくなのでマインちゃんと空中デートと洒落込みましょう。

空駈ける龍の背中

「はい、コルタくん。あーん」

空中のお弁当イベントとか俺得でしかない。

「俺様の背中でそんな事するやつは初めてだぞ?

 俺様を偉大なる龍だとわかっておるのか?」

そんな龍すらワンパンだからそよ風のごとく

というか実際言ってることは分かるけど

空で風をきる音がうるさすぎて

フレイムの声など届くわけもない。

聞こえてるのはなぜか?

神だからだよっ!


10分ほど飛び山を超えた所で

イラッとする文章を送りつけてきた共和国と

その兵士の行軍が見えてきた。

え?もう出陣してる!?

防衛力を見せつけるチャンスだと思っていたけど

見つけたものは仕方ない。

「フレイム!、薙ぎ払え」

フレイムドラゴンの体内で圧縮された

フレイムブレス(そのままのネーミング)で

兵士全てに吹き荒ぶ炎の嵐が敵を囲み、燃やし尽くす、

「全滅させていいとは言ってねーよ!」

ドラゴンの背中を殴ってやめさせる。

「痛いではないかぁぁ!

 言われたとおりにしただろう!」

叫ぶフレイムに

「いいから降りろ!」

フレイムは加減を知らないことを覚えておこう。

俺とマリンが戦闘態勢を取りながら、敵の指揮官の前に降り立つ。

「俺がミエード領主のコルタだが、何の用で領地に軍事侵攻してきた!」

そう叫ぶ時、指揮官が前に出た。

「我らは・・・マルタの兵だ。

 シード大統領の支持で宣戦布告したから攻め滅ぼせとの命が下っている」

「そうか」

時間停止

指揮官の目の前に移動して

時間停止解除

アッパー

ヒィ

なぜかフレイムが悲鳴を上げていた。

「うぐぅぅっ」

きれいに決まったアッパーに恐れおののく周りの兵士たち

「じゃあ、その大統領のところまで案内してもらおうか。

 マインはフレイムと一緒に先に帰ってくれ」

マインちゃんは天使なので、誰かにやられることもない。

それでも心配になるのは

やっぱ俺って優しいからだな

ニヒルの似合わない男コルタが俺なのだ。

「わかったよコルタ君

 心配してくれてありがとねっ」

フレイムが俺の意思を汲み取りマインを背に乗せ

大空に舞い上がる。

こんな光景を目にしたら攻める気も失せるというものだ。


戦争の抑止とは

軍を持ち、使用できる状況にあり

攻めればただでは済まないぞと威嚇することにある。

大空を舞うフレイムドラゴンを見た兵士は

二度とこんな国を攻めようなどとは思わないことだろう。

指揮官とともにマルタに到着したのは3日後だった。

やることは決まっている。

共和国というからには議会制なのだろう。

議会があるならそこに乗り込むのみ

特に大都市とも思えない首都で

はっきり言って戦争しか考えてなさそうな国だった。

ハゼルの王都のほうがよほど国としてまとまっている。


議事堂のような場所はすぐに目についた。

入るなりやることは決まっている。

一番偉そうなやつをぶっ飛ばす。

「隣国のミエード領主コルタだ!

 大馬鹿者に制裁だ~~~~!!」

時間停止

わかりやすく綺羅びやかで豪華な装飾品を身に着けた

コロセウムのような場所の一段高い場所にいる男を捉えた。

時間停止解除

顔面パーンチ!

「うぎゃぁ~」

わかりやすく吹っ飛んだ。


ぎょっとした視線が全方位からこちらに向けられる。

魔法発動、イメージは鎖に拘束されたこの場にいるもの全て

「う・うごけんぞ!

 どうなっている」

あちらこちらからそんな声が聞こえてくる。

「静かにしろ!」

俺が言うと皆黙る。

「お前たちの決定で俺の領地が脅かされた。

 俺たちに喧嘩を売るってことはこの国を消してもいいってことだよな?」

一斉にうつむく。

こんな脅され方初めてだろうしな。

「で?お前がシードとかいうアホな手紙をよこしたやつで間違いないな?」

「我がシードである。貴様如きがぶはぁ!」

顔面パンチ

「貴様ごとき?

 お前が俺のことどう思おうと勝手だがな。

 この国、俺の領地の騎士団だけで制圧できることを忘れるなよ?」

「只今を持ってシード様の大統領の不信任案を発議します。

 賛成の者は起立を」

ガタガタッ

幻術に縛られているはずなのに素早く全員が立つことになった。

「貴様らっ!我がどんな思いでこの地位まで!

 よくも・・・よくもぉお」

「うるさい黙れ!」

口にガムテープ

「議会としてはお前の退任を議決したみたいだな?」

頭を振る。

「誰が大統領でもこっちに攻め込んでくるならお前らも潰すからそのつもりでいろよ?」

そう言って書状を投げ渡すと時間停止

コロセウムの入り口に立つと

時間停止解除

「い・いないっ!」

「あそこだ!」

もはや興味もないしどうでもいいので無視してミエードに帰る。


テレポート

瞬時にミエードの館に戻る。

その後シードとかいうバカがどんな目にあおうが知ったことではない。

攻め込んだら痛い目にあうことは理解できただろうし

むしろラッキーだったと言える。

どのみち自分で指揮を取ろうともしない臆病者が

共和国の大統領なんて無理がある。


しかし、事はこれで終わらなかった。

マリンに一目惚れしたらしい指揮官

グレッグがミエードの街に少数の部下とともにやってきた。

マリンちゃんファンクラブなるものを掲げて


なにこれ?

部下も馬鹿だったってオチ?

ミエードに住み着いた彼らはギルドを立ち上げ

魔物を狩ることで街に貢献した。

コルタ様のように強ければマリンちゃんが振り向いてくれる

がスローガンの彼らは街の苦情を引き受けては解決していった。

バカとハサミは使いようと言うが

紙一重で天才かもしれない彼らは一気に街の人気を得ていった。

グレッグは事ある毎に街の問題解決の報告と称して

館に立ち寄ることになる。

無駄な努力だね。


だって当のマリンちゃんは

「最近付きまとわれて気持ち悪いから

 コルタ君退治してくれない?」

などとおっしゃっております。

ちなみにだが、マリンちゃん親衛隊は

その規模を拡大させ、ギルドの職員として

街の治安維持兼なんでも屋として活躍している。

学校の頃から密かに想いを馳せていたらしい生徒達が合流して

いまや結構な人数に上っている。

心底どうでもいいわっ!


そんな中気になる情報がセキルからもたらされた。

傭兵を統率する盗賊がセキルの街を目指しているということだ。

退治のために騎士団を編成させて

全員捕縛したところ

案の定シードが混ざっていた。

セキルで対処できない人物の場合ミエードに連行されてくる。

捕縛されて身動きの取れない元大統領シードは

そこで、グレッグと再会し

マリンに会うと1000年の恨みをかき消されたらしく

今はマリンちゃん親衛隊兼ギルマスに就任した。

もう馬鹿ばっかでお腹いっぱいです。

思いつきで書くので

敵が居ない無双状態にしても面白くないし今後どうしようかな~

神様に勝てる存在作るって悪魔とか魔王?

仲間にしちゃってるし・・・

しょうもない悩みを持つ書き手の私は一生小説家になれそうにもありません。

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