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01 旅立ち

スルタ村出身

まだ村の外に出たことはない。

18歳独身コルタ(身近に同年代の女の子皆無)

名字なんてものは存在しません。

だって・・・村人口60人


そんな木製の柵から一歩も外に出ない引きこもりやってます。


「コルタ、お前に仕事をやろう」

とは父の言

「働いたら負けって言葉が流行りだって聞いたんだけど?」

一般的にそうだよね?

「正直言うて、面倒見きれんから自活しろ」

何もできないし才能もない俺にどう生きろと?

「仕事は簡単だから、すぐ終わる。

 しかもな?80万もの大金が手に入」

「行く!!」

「ならばここから北に向かい王城を目指せ

 わかったな?」

なんて簡単なお仕事でしょう。

80万といえば大金

遊んで暮らせる・・・1年は、多分。


旅立ちの日

「お前には言ってなかったが、お前は勇者の血を受け継いでいる」

しょぼい装備品を渡された。


うん・・・びっくりするけど

実感ってできないよ?いきなり言われても普通は


爽やかな青空

木の香りしかしない村と木造建築

道路と呼べるものはなく雨が降ればぬかるみだらけ

そこで明かされた新事実

勇者の響きにマッチしない装備品

魔王でも倒してこいってか?

「いや、魔王とか聞いたこともないし、いたとしても無害だけど?」

<<コルタは父を睨みつけた>>

<<父はダメージを受けなかった>>

「コルタ・・・面倒だからとりあえず王城まで行け。

 もう話すのも疲れたし説明嫌いなんじゃ」


シッシッっと追い払う我が父

それでも人の親か!親の顔がみてみたいわっ!

※注祖父母はまだまだ元気です。


えーえー行きますとも

行けばいいんでしょう?

面倒だが80万は欲しい

扉もな~んもない村の出入り口をくぐる。

門番なんていませんよ?

世界にモンスターはいるけど寄ってこないし

棲み分けは大事です。


サクサク進めば、ま~夕方には王城かな?

時計も時間もないこの世界は実にアバウトだ。

朝日が昇りはじめて夕方頃到着予定

と・・・聞いてます。

地図?ないよ?

真っすぐ歩けば着くって言われたし。


さて・・・特に何もなく到着しました王城

なんか雰囲気がイメージと違う?

何ていうかおどろおどろしい雰囲気とでも言えばいいのだろうか?

えーーーーっと・・・王様っているの?

何かおっかない銅像がそこかしこに鎮座していて

いわゆる魔王城的な?


「ごめんくださーい」

「・・・・・」

「・・・・・」

門も門番もドアもないので

入ってもいいのかな?

80万、もらわないとだしね?

夕日が奥から差し込んでくるので

それほど恐ろしい感じもない。

階段とかあるけど無視して真っ直ぐ歩く。

勝手に二階とか行くのってどうなの?って判断で


だだっ広い謁見の間のような場所に出た。

意外と入ってすぐだった。

ガサガサ!

ん~何かいるよね?

「すいませーん」

声が反射してエコーがかかる。

「ムッ!何だ貴様は?まだ準備中だから後にしろ!」

声だけが聞こえる。

何かやっているようだ。

「どれくらい待ってればいいんでしょう?」

待つのは嫌だ。早く帰りたい。

「すぐ終わるから少しだけ待ってくれ」

からの~~~

「・・・・・」


なんか面倒になってきて

足が勝手に床を踏み鳴らす

カツカツカツカツ


「ええ~い!何だという・・の・だ?

 貴様!勇者か!!」

「は?」

貴様勇者か?

何、こいつ馬鹿なの?

「お使いできたんですけど~?」

ソロリソロリと周りで音がする。

普通に靴履いてるとここの床って結構響くはずなのに。

「仕方ないな・・・いでよ!マスターデーモン」

こいつ色んな意味で危ないやつだな・・・

と思ったら?

何か影が浮き上がってくる?

何あれキモッ!

「及びでしょうか、我が主」

影が喋ったっ!?

「ヤツを滅せよ」

「かしこまりました。では」

ドクン!と大きく弾ける心臓と全神経が麻痺を起こしたような・・・

あっこれ

刺されたわ・・・死んだ。


あっけない生涯を終えた。

ニート歴18歳コルタ

職業ニート・・・勇者?(仮)

享年18歳

さようなら我が人生。



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