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テーレントの歴史とは…

ーコウ視点ー


おー!

高い山が2つ。


とうとう、到着したぜ!

ふー。(何もしてないけど)やれやれだぜ!


山の麓にキャンプを構えて作戦会議中でして、当然俺は、欠席のつもりが…。


「コウ殿のお知恵をお借りしたい。」と長老。


おー!分かってるねぇ、君!


なんてギャグやっても、いい案なんてないよ?

何?ラゼまで鼻で俺を押し出して。

はいはい。参加します。

しますけど…。


ほら!

もう難しい話になってるし!!


「ですから、コウ殿。

簡単にテーレントの歴史をご説明しますから聞いていて下さい。」

お?ミゲル…ついにキレたか?

ヤッベ。


長老の話を聞いてなかった俺にミゲルが話し始めた。

よーし!今度こそ真面目に聞くぞ!!


「昔、獣人の姿で暮らす民がこの地におりました。

身体的に優れた特徴を持つ民は、驕り高ぶり遂には人間の国へ戦争を仕掛けました。

幾多もの森を荒らし、とうとう神秘の森と呼ばれた場所へまで手を伸ばしたのです。

当然怒りを買う事になりました。

怒りは大変なものでした。


山も森も失い民にも変化が。

それは、獣そのものに変化。

それは同族同士を餌と見る人の心を失った獣。

それから、テーレントはまさに地獄でした。


滅亡すると思われていましたが、一部の民は戦いに参加せず人間と仲良く暮らしておりました。

その者達のみ獣になる事から免れ、獣人化が一部のみに!

そうです。獣そのものにならなかったのです。

それが今の我々の先祖になります。」


お?皆んなの目が俺に集中してる?


そうか。

それって前世でも良く聞いたぞ!確か…昔話的な教育されるシーンがあったような…。


「でもさ、怒りはもう少しで解けるんじゃないかなぁ。

だってさ、この場所とか普通は来られないでしょ。きっと満期が来たんだよ!」


何度も頷く俺にミゲルは眉毛を下げた情け無い顔してるぞ。


「それより、あの道へ行く手段が問題じゃねぇ?」


高い山は、単なる崖しかなく登るとか無理だから!あれって登る用に出来てないから!


でも、昨日偵察に行ったところ。

2つの山の間に道があるのを発見した。


だけど、その道が問題。

物凄い風なんだもんな。


「あの意味が分かれば。

『高い太陽は上に。低い太陽は下に。それが止まる時その道は開かれる。』とは何のことか。」


長老はずっと調べていたらしいけど、太陽は高きゃ上だし。低くきゃ下に決まってるし!!

あーー。何のこっちゃ。


太陽…一個だよね。

偽物なんて無いよね。


色んな意見が出たけど、その日は結論も無いままで。トラッデの人達に焦りが出てるけど。

焦るといい案出ないよね。


こんな時は…。


俺は小麦粉を捏ね始めた。

その他、肉を細切れにして貰うようにお手伝いのトラッデの人達に頼んで野菜と混ぜる。


小さく丸めたら、平べったく伸ばす。

肉と野菜を混ぜたものを包んで、ヒラヒラ。


焼いたら!『餃子』


ラー油とか無いけど美味い!

皆んなを見てたら、殺気立ってて怖いよ。


俺のモットー。

美味いものは、世界を救う!!


あー、良かった。皆んなも笑顔になったし。

ラゼまで喰いついるし。


そう言えば、ラゼは動物だから人間のご飯は駄目だよと、俺の主張に長老がめっちゃ反対してて。

長老ってば、動物好きなんだよ。


俺の料理をあげると超喜ぶもんな!

なるほど。

長老がこっちをジッと見てる。

うん!ラゼは癒しだよ。



夕飯も終わっても珍しく眠くならない俺は、焚き火の側に腰かけた。

ヘレが火の番をしてた。


「いつも美味しい料理をありがとうございます。」

真面目ちゃんめ!

ヘレはいつもこの調子だ。


「しかし、風が強まりましたね。夕方から山から吹き降ろす風が強まり寒くなりましたね。」


ふふ、○○おろし。

懐かしい気がする?


おろし?夕方…。


あーーー!!!!


「長老!俺。分かったかも。

太陽が高いは、昼間。太陽が低いは夕方。

上とか下とかは、風の事だよ!

と、なれば風が止まればあの道は通れるとすれば。。。『日蝕』しか無い!!」


おー!

俺…本当は出来るヤツか?


へへへ。

皆んなが慌てて出したよ。


と、言うわけで。

おやすみなさい。


いやぁ。久しぶりに頭を使ったら急に眠気がさ。



夢の中で、獣の唸り声が聞こえた。

なぜか『早く。もう無理かもしれない。』と言っているように思えて夜中に目が覚めた。



うっすら汗をかいて目が覚めるなんて。


レイバン。



俺はそのまま、眠らずに山の方を見つめた。




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