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ヨーゼスト最古の図書館で、

ーコウ視点ー


『光る秘石』が光魔法を使えるようになるとか、聞いたけど俺自体は関係ない。

ハーフのバリー達が既に習得済みで他の皆んなも頑張ってるらしいけど、ピピランテの仲間は全滅らしい。


アーリアさん曰く「ハーフのみ習得可能」なんだとか。

狡くねぇか?


ハーフは、イケメンで能力も特別なのが多いし!

しかも、光魔法だよ!

ルスタフに、狡いよ!って言ったら奇妙な顔してたから、俺がせめてあの手彫り教えてくれ!って迫ったんだよ。


「まぁ。…今度で。」とか消え入るような声で答えたけど俺諦めないから!

絵の能力を活かせば…きっと出来る!


俺が燃え上がる横でルスタフとノーアが話し合ってたのは聞こえなかった。


「お前…適当な事言うなよ!あの絵じゃまず無理だろ。断れよ!」

「はー?じゃあお前なら断れるか?

あの笑顔で言われて。ニュアンスとか壊滅的なんだぞ!!なーにも伝わらない俺の苦労してみろよ!」


俺は、訓練があるからと、バリーに言われ除け者にされたから、パナヤ陛下にお願いして最古の図書館へ行かせてもらった。


よくは覚えてないのだけど、本の並ぶ様子を見ただけで眠気が襲ってくるのは前世の記憶だろうな。

でも、どうしても見たいものがある。


それは、料理本。


南国料理は、あまりレパートリーがない。

料理本なら眠気がない。

何せ絵が沢山あるからな。



えーと。

ちょっと…どこまで続くのこれ?


ズラーッと並ぶ本棚は、理路整然と並んでいて親切にも分かりやすく見出しや館内の案内が其処此処にある。


でも、料理本は見つからない。

ウロウロするのに飽きた俺は、パナヤ陛下がつけてくれた図書館の館長さんに場所聞こうと振り返ってびっくり!


いない!


あんなにずらずらと館長以下図書館の人達がいたのに。

ちょっと人数多過ぎと文句が口から出そうで困ってたのに。


どこ行ったんだよ!

まさかのまた、迷子?


いや、違う。

あっちが迷子だよ!

だっで俺を見失ったんだから!


あー虚しい。

相手に罪をなすり付けても無駄だな。


仕方ない。

山で行方不明になったら動かないに限る。

と、どこかで聞いた。


俺は目の前の本棚に目を移す。

暇潰しに読める本がないか探した。


なになに。


『ピピランテの創設とその意義』

『海の神の伝説』

『テーレントの謎』


ふーん。難しそうだな。

細かい字が俺のやる気を阻むぞ!

前から思ってたけど、やる気は大きな字と挿絵が欠かせないと思う。

だから本はにが…ん?


本と本の隙間に、何か挟まってる?


手を伸ばすと折りたたまれた古い紙。

埃だらけのそれをそっと床に置いて広げてみたら一枚の地図?


しかしその地図は俺の知ってるこの世界と違う。

国の境もない。

しかも、テーレントの場所が何か変…うーん、言うなればあり得ない湖やら山がある。

今、あそこには草原と砂漠しかない筈?


俺がその地図を袋にしまった途端!


「あーー!

居ましたよ!コウ殿を発見しました!!」


大声で叫ばれたと思ったら、どどーっと人が沢山押し寄せる。

つ、潰れます!


軟弱な18歳の男子なんです!!


叫びは、ようやく届いた時は俺はあっという間にパナヤ陛下の所へ運ばれた。


「良かったわ。ようやくラドフォードが来て親子の久しぶりの対面が叶うこんな時に行方不明になるなんて!

心の臓が止まりそうだったわ!」


隣でマーラさんが「大袈裟な」と憎まれ口を叩いてるよ。

仲が良いんだか、悪いんだか…。


ん?


えーー!!

義父さんがヨーゼストに?


久しぶりだから料理を作ろうと調理場へ向かった。


地図の事を忘れて…





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