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買い出し??実は…

ーレレベーナ観光の1日ー


翌朝、目覚めも爽やかに俺は、早速荷物の整理をする。

お金はオリドさんに『防虫煙玉』の代金として貰ったものを使うから大丈夫だ。

そのほとんどはラオに預かって貰ったから良かったけどそれでもかなりの金額…いいのか、オリドさん。

もしかして商売人に向かいないのかもな。

優しすぎるしなぁ。


そんなオリドさんは用事が入って、一緒に来てない。買い物のアドバイザーとして最高なのに残念だよ。



張り切る俺は、朝ご飯もソコソコに出発する!

マーラさんに案内を頼んだら馬車を用意してくれたけど歩きたい俺は、断った。

だってさ、歩きながら散策するのが買い物の醍醐味だろ!

リーさんの助言も有り、歩いて散策となる。



王宮から真っ直ぐ伸びた道は、整った感じがないんだよ。

石畳の道の脇には雑木林があったり、雑草の 広場があったり意外な雰囲気。

でも、俺は整った感じがあんまり好きでないからいいんだ。

道草しては、薬草っぽいものを摘んだり木ノ実を取ったり楽しーー!

マジいい道だよ…


ん?

何もなく後ろからザワザワした雰囲気がして振り返るけど、マーラさんが微笑んだだけか。


うーん。気のせいかな?


かなり歩きました。

正直、馬車を断った自分を殴ってやりたい気持ちになる程、足の裏がジンジン痛いよ!

でもそこは男の意地!痛くないフリを、と。


「コウ殿。良ければ治癒などかけましょうか?」


カ、カリナ!!

小声で助かるけど、バラすなよ!

口に手を当てしっ!とポーズしてから大丈夫と小声で。この際心の叫びは無視したし!


歩いている間にゼンさんからレレベーナの商店街の説明があった。


東西南北に十字に交差する道沿いにそれぞれ特徴のある店が並ぶらしい。

東側は、日用雑貨。

西側は、魚介類など海に纏わるもの。

北側は、米や和食系の食材。

そして南側が王宮に近く総合的商店。


観光客は西側と東側が多いらしい。

北側は庶民の台所。

南側は、王宮や他国の貴族とからしい。


この東側と西側に闇影獣の被害が多く今日行くのは北側らしい。

庶民の台所かぁ。俺の計画にぴったり!!


よーし!!

一丁やるか?



アーケードこそなかったけど、個人店が並ぶ商店は楽しいの一言に尽きる!

ミーファンを早く案内しようとするマーラさんを感じても、俺の計画ではこの辺りが最適なんだよなぁ。


あちこちで既にかなりの材料を買い込んだ俺は、ミーファンに行きたく前にマーラさんやリーさんに頼み事をする。


「突然で悪いけど、この辺りに闇影獣の被害を受けた地域ないかなぁ。」


キョトンとする二人に、ゼンさんが一言。


「それならば、東側の近くに破壊された場所があります。まだ片付けは始まったばかりでかなり厳しい様子ですがよろしいですか?」


ゼンさん…バレたかなぁ。

目的を誤魔化して着いた場所は、焼け焦げた臭いが漂っていた。

建物があったらしい場所は、焼けた木材やら焼けずにいた道具が転がっていた。


ここにいた人は無事なのだろうか。

俺のしようとしている事は、余計なお世話かも。

俺の迷いを消す如く、子供達が遊んでるのが目に入った。


必死に片付ける親は子供の世話が出来ないよな。

焼け焦げた物で遊ぶ姿は危険そのもの。


俺は、やろう!と決めた。

昨日から打ち合わせ済みのナットくんが近づいてきて囁く。


「やりましょう。この辺りがいいのでは?」とナット君。


既に更地になっている場所に俺はテントを設営し始めた。

二人で黙々と作業してると、目的に気がついた仲間達が手伝ってくれた。


そう、俺がやろうとしている事は…



題して『大試食会』!!



俺の考えた(まあ、前世の皆さんが考えたとも言いますが…)新メニューの紹介をしようと言うものだ。


海の物やこの国の特産品を使った料理。

ぴったりの材料をも買い込んだしな!



さーて作るぞ!!



まずはカレー。

だけど南の島バージョン。


ココナッツミルク入りカレー・シーフードカレー・タンドリーチキンなど。

ナンを添えてな!

勿論!ご飯バージョンもある。

夏ミカンみたいなフルーツを煮て添える。(これ、前世で食べた記憶があるんだ。ちょっと不安だけどさやってみようと付けた)


続いては米ペーパー。

これを作るのは難しいけど。

生春巻きは外せない。

野菜も肉も魚も何でも合うのが凄いよな。

甘酸っぱいソースが決め手だ(このソース苦労しました!!)


続いては南国フルーツだよな。

と、くればデザート。


ヨーグルトが袋から見つかった時から考えてた

ヨーグルトサラダ。

ふんだんに使ったフルーツが美味いと思う。


ババロアにもマンゴーソースなど(本当の名前は知らん。最近覚えるのがナット君担当なんだよ。)フルーツのピューレを使用。


子供達にマフィンやクッキーなども用意がある。

(南国フルーツジャム添えて…)


さあ、どうだ!

『田中食堂』の新メニュー!

ヨーゼストの特産品バージョンのご提案だよ!


もちろん、試食会だから当然『タダ』!!

試食に馴染みのないこの世界に人に広めようとこっそりと絵を描いてたら何故かルスタフが替わりに描いてくれた。

おお、絵も上手いじゃん!


最初は子供しか来なかった。

段々と集まる人に椅子やテーブルも出した。


片付けしてる人も休憩時間に来て食べてくれた。


段々と集まる人が、食べた後に片付けを手伝い始めたる人達が出たよ!

お代の代わりにね!と。


人が大勢集まって賑やかなになる。

口々に珍しいとか、美味しいとか言ってくれる

あー、いいねぇ。

美味しい物はみんなを笑顔にするから料理人はやめられないよ!


マーラさんが近づいて俺に尋ねた。

「コウ。ヨーゼストに来る前から考えてたの?」


「そうだよ。南国の特産品を聞いてからメニューを考えるのは楽しかったしな。」

俺の答えに返事はなかった。


試食会は大盛況でその晩遅くまで続いた。

そして、俺は新たな仲間を得たんだ。

それは近くの食堂の親父達!

この場所にこれからも『試食店』を続けてくれるって!!

ありがとう!!

勿論、材料もテーブルや椅子も俺が提供するからさ!


焼き焦げたオモチャで遊んでた子供達には、ルスタフの今までの作品をあげたよ。


あれは絶品だからな!!

ルスタフは戸惑ってたみたいで困ってだけど貰ったんだから俺のだろ!って。


その後、カリナの呼びかけで神官も参加して大規模な物になったらしい。



帰り際にゼンさんが、小さな声でありがとうございます。と。


さあ!明日からはいよいよ『琥水』探しだなぁ。

俺は改めて振り返って、また改めて元気を貰った。





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