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海の禁足地へ!

ーコウ視点ー


「えー?どうして分からないんだろう…」


今、俺はゼンさんにお願い事をしている。

勿論、海の禁足地への対応だよ。


宿屋へ戻った俺達の話し合いには、途中から食い違いが生じた。

主に俺と他の皆んなとだ。


海の色があからさまに違うのに皆んなには区別がつかないらしい。

なるほど。

それで禁足地だと分からないんだ。


いや、理解までは早かったけどその後がね。


対策となると目印がいるよね。

海の目印って何だろうと考えて俺は思いついた訳よ。


『浮き』


プラスチックがあれば簡単だけど、この世界ではガラスで代用と。

そこで分かりやすく絵を描いたんだ。

海を丸く浮きで囲う。かなり太い縄で結ぶところまで描いたんだよ。


ゼンさんは首を捻るばかりでさ。

あ!もしかして具合がまだ全開じゃないのかも。


俺は急いで台所へ走ったよ。

料理しか出来ない。でも料理だって凄いんだよ。


ほら『医食同源』って言うだろう。

また、ナット君が曖昧に頷いたなぁ。

最近のナット君は俺の諺に時折、愛想笑いをする。むーん。大人への階段なのか?


よし!

無駄口してたけど、中華粥作ったよ。

麗と出会った森で取った『木の実』が袋から出てきてさ。在庫がまだあって良かったよ。


急いで部屋に持って行くとゼンさんの柔らかな笑みを見た。

お?

もしかして…


「はい。『浮き』なるものが理解出来ました。オリド殿が硅砂などの材料集めに奔走しておられます。無論、高温で溶かすのは私の魔法が最適かと。」


あ!またルスタフが作ってくれたんだ。

最近、仕事が早いよな。

『ミニミニ浮き』可愛いぞ。


部屋の皆んなは必死な形相で中華粥を食べてる。

美味い?


あー、最高の褒め言葉だよ。

空の皿ってさ!!


カリナからお許しが出たゼンさんが、翌日簡単に『浮き』を作ってくれたんだ。

早速、船を一艘出して禁足地へ。

俺が案内するつもりで乗り込んだら、チビ助が乗り込んでいて。


うーん。どっかで見た事あるような。


「煩い!!妾は此奴と行くと決めたのじゃ。

全く、単なる人間の癖に生意気な。」


5歳くらいの可愛い女の子は、生意気な口を聞きたいお年頃みたい。

まあまあと、苦笑いしたら怒られたけど。


「お主!お主がそんなじゃから、妾は。」


あ、泣きそう!!


「ごめん。じゃ一緒に行こうか。」

反対するバリー達を他所に船はもう禁足地へと。


説明しながらの作業は少し時間がかかったが、 それでも満足いく出来で安心した。


船を戻そうとすると、浮きで囲われた海の表面が泡だらけに!!

まるで汚れをこっちに追い払おうとする様子に慌てた俺はまた袋を漁る。


何か、何かないかなぁ…

船長さんが必死に操る船は、泡から出る波には逆らえずグラグラと揺れる事!揺れる事!


掴んだぞ。

と、赫い石を握った俺の手のひらから全く予測外の品物が泡の真ん中に。


ぽちゃん。



『重曹』



アク抜きやケーキ作りに欠かせない俺の材料。

分かってる。

前世じゃ掃除にも使われてた。



でも、これは無いかな。


海の色が!!


青くない。緑じゃない。


キラキラの金色に輝くとかは、ファンタジー過ぎて怖いわ!

ほら、言わんこっちゃない。

キラキラの海から蟹がくるし。



ラスボスか?

(相変わらず美味しそうだけど…)



「許したくない。許さない。

そう言いたいが、この状況ではな。禁足地『ムーン』の主であるワシが認めよう。

海へと出てヨーゼストへ渡るが良い。

あの『鍵』を大切にせよ。」


蟹の姿が、ゆっくりボヤけてやがて消えた。


や、やられた?重曹に除去されたとか??


「お主。さては馬鹿じゃな。

あれは元々は別の姿を持つ者。仮の姿でお主に助けを求めておったのだ。

さあ、ヨーゼストに渡り『琥水』の謎を解け。」


女の子は、声はすれども姿が見えなくなっていて焦った。まさかの転落か?


そこに青白い顔のカリナが正体を告げた。


「あの御方は、こちらの海の○○であ○○ます。

ですから転落ではございま○ん。」


所々聞こえにくいが取り敢えず成功でいいか!




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