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ーコウ視点ー社で料理作り中!

ーコウ視点ー


はー。なんちゅう大食漢!!


あれから何日も作り続けてるけど、まだ食べてるよ。

だからあんなにデカイのか?


『無限収納』にある在庫を片っ端から使って作るが未だにご馳走さまが聞こえないとは。


それにしてもいつの間にかナット君にこんなにも頼ってたのかぁ。

下ごしらえマジ大変!!

弟子の重要性に今更ながらに気づきました!

帰ったらよく感謝しようっと。


それにしても慣れって怖い。

あの不気味な『影』が周りを取り囲んでるのに気にならないとは。


海の神様曰く


『海で命を落とした者らの末路よ。まあ、生前に善行しておればこうはなるまいがのぅ。』


あーー。

聞きたくない!!


やっぱアレじゃん!!

ゆ○○いじゃん!!



恐怖に震えてたのに、料理作りを急かされて頑張ってる内に気にならないとは。

慣れてこのまま居続けるとかは困るよ。

でも、なんだか少し可愛く見えてもきた。


ウロウロして食べたそうにするからさ。

多分、記憶にある料理を思い出してるのかなぁ?


と、言うわけで海の神様の目を盗んでポイっとな。


ちょびっとずつ『おすそ分け』。


初めはおすそ分けのその後を全く気にする余裕もなかったから、気がつかなかったけどね。


食べると光るのよ。

ピカッとね。


で、ぼゃーっと消えてゆく。

だって数が減りつつあるから!


海の神様は相変わらず、無言で食べ続けてるけど様子が少し変なんだ。

少しずつ考え込む時間が増えていて。

もしかして反省してるのかも…


ここだ!

頼むなら今かも!!


「海の神様。お願いです。皆んなの所へ帰してください。」


もー土下座でも何でもします!!

ガバッと土下座で頼み込む俺に冷たい言葉が降り注いだ。


『愚かな。妾がお主を返すとでも思ったか!

お主はのぅ、永遠に妾とここにおるしか無い。』



永遠に…とか…そ、そんなぁ。

一筋の希望を胸に頑張っていたのに…。


ポタポタ……。


久しぶりに俺の両目から水分が溢れた。

帰りたい。

その一心だったのに。

頑張ってた心がポキっと折れた。


その場に呆然として座り込む俺は、だから目の前に起こっている事に気づくまで少し掛かった。


海の神様の周りをキラキラしたものと影がグルグルと取り巻いていたのだ。

何?なにが起きたんだ?


『やめよ!お主らなど束になっても毛ほども痒く無いわ!やめよ鬱滞しい!!』


海の神様が手をバサっと振るたびにキラキラや影は消える。

その意味が分からない程、俺は鈍感じゃ無い。


俺を助けようとあのゆ○○い達が加勢してくれているのだが、あの手が振られ消えるその意味は…

もしかして消滅では?


『ふふん。そうよ。此奴らなど消えても当然の悪人ども。このままの姿で彷徨うしかない者共だ。

消えたとて構うまい。』



な、何と言う事。

俺、俺を助ける為に…そんなのダメだよ。

消滅なんて。


「もう、やめてよ。

いいよ。何とか自分で頑張るからやめて!!」


必死の俺のセリフは誰にも届かない。


『お主の料理を食べた此奴らは、浄化され輪廻の輪に入れたのよ。

それを感謝しておるようだのぅ。愚かな。それも妾に逆らえば無駄となろうに。』


無駄…

そんな言い方ない!


こんな理不尽な事あるか!!

俺を勝手に攫ったクセに。

海の神様め…だからこんな場所に閉じ込められてるんだよ!!


身体がカッとして熱くなる。

俺が怒りに震えてる間もキラキラと影はまだ頑張っていた。


小さな、本当に小さな声が聞こえた。


『ありがとう。』『人として消えるから幸せだ。』


感謝が聞こえでは、シュッと音がして消えてゆく。

やめてくれ!耐えられないよ!



「や、やめろ!!やめてくれーーー!!!」



俺の渾身の叫びは、社もキラキラも影も遂には海の神様も揺らした。


俺はといえば、真っ赤に燃え上がるような感触を感じたつつ不可思議な現象遠くから見つめているような感じがした。

や、ヤバイ?

なんかやっちゃダメな奴のような…


でも途轍もない眠気が襲ってきて、ゆっくりと目を閉じようとしてたら、知らない声が聞こえて来た。


『やっと見つけた。愛し子よ。さあ少しだけ力を貸しましょう。』



キラキラ!影!!


意識が薄れてながらも、この世界の全てのものがキラキラ輝いて上空へと昇ってゆくのが見えた。


気がした…





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