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ゴワ港町で武装集団に囲まれた?

ーコウ視点ー


『港を封鎖します。如何なる船の航行も禁じます。 港町ゴワ 代表リーズ』


はい!

ここまで来て詰んだわな。


封鎖とか全く聞いてないし。

と、相談してたら町の人も沢山集まって来て騒ぎ出した。


「なんの事だ?」「本気なのか?」「あり得ない!」口々に飛び出す言葉は間違いなく今知った人間の姿だ。


よく聞けばこの立て看板は昨日はなかったとか。


えー!今日?よりによって今なの?


肩を落とす我々に次なる脅威が迫っていた。

武装集団が町を取り囲んで何やら叫んでるらしい。


「コウ。取り敢えず宿屋へ向かえ。

ここは俺達に任せろ。」

ラオの言葉に反論するのは俺じゃないよ。


「いいえ。ここは私に任せて貰いましょう。ラオさんが出てはややこしいですからね。」

ゼンさんの言い方?

ちょっと、悔しそうなラオだよ。


とにかくカリナ・ウェスさん・ナット君・スタンさんとゼンさんの5人で武装集団に立ち向かいに行ったけどいいのか?

あのナット君だぞ!

俺の弟子に行かせるなら俺、俺だって!!


え?肩を掴まれて引き摺られてる?

宿屋へ一直線なのか?


あー、何かまたお説教の気配がする。

俺の勘は当たるからな。

昨日もニーハ村の件で散々お説教だったのに、八つ当たりか?


取り敢えず皆んなの無事を祈って『煙玉ミニ』人間用を渡した。

大丈夫だよ。毒草は入れてないからな!


得意げなの俺に胡乱げな表情のナット君に手渡すと俺は宿屋へと向かった。

まー、俺に出来るのは料理くらいだから美味いものでも作ろうと決心して。



ーゼン視点ー


予想外の展開だった。

まさかの封鎖とは。海がそこまで不味い状況とは暗澹たる心持ちになる。


これではリーズ代表にかなりの負担がかかってしまう。早急に対策をせねば。


焦る時には次々と厄介ごとがやってくるものだ。

町の入り口で貴族連合と門番が揉めていると言うのだ。

武装している人間を町に入れる訳もないが闇影獣を理由にして無理矢理押し入ろうと画策しているようだ。


とにかくコウ殿を宿屋へと思った時、ラオ殿が向かうのを見て、大人気ない対応をしてしまった。

とにかくマルスの馬鹿貴族を抑えられない王族に正直イラッとしていたから八つ当たりか。


とにかくカリナ達と入り口へ向かうと案の定、馬鹿集団がいた。

はー。ため息が出るよ。


「お前は余程自分の身が可愛くないらしいな。

ダルベルド様に楯突いて無事だった者はいないが良いのか?」

脅しに屈せず踏ん張る門番の前にカリナが躍り出ていた。


「何たる恥知らず。武装して町へ押し入るなど野蛮そのもの。それを権力を傘にして脅すとは!!それでは返って主人の名が穢れるというもの!!この様な道理すら分からぬとは。」

最後は小声になってたところを見ると結構きてるな。


「なんだとこのアマ。部外者がノコノコと。すっこんでろ!!」

胸ぐらを掴もうとしてサッと避けられてコケた。


不味いぞ。真っ赤な顔になっていて冷静さを失ったな。

カリナ殿に任せるとこれだからな。

ん?


「ダルベルド様とは、男爵閣下のお名前と存じますが、貴方様はどなたですかな?」

スタン殿が前に出た。


「俺か。俺はダルベルド様の部下でデレクという。お前は口の利き方を知ってるな。

そのアマに教えておけ。偉い人間との接し方をな!」


頷くスタン殿。

「なるほど。では私も礼儀を持って名乗りましょう。ボルタ国王族の一人スタンと申します。

この横にいるのはキヌル国親衛隊長のウェス。そのお隣がキヌル第四皇女のエマ様。

そして貴方が怒鳴られたのが女神セレーネ神殿の巫女姫カリナ殿です。」


おー面白いくらい目を白黒させているな。

では、押しの一手を残してくれたスタン殿に私からも一手を。


「申し遅れました。そして私はヨーゼスト所属ピピランテの長ゼンと申します。

お見知り置きを。

あ、そうです。我々もこのゴワ港町に滞在しておりますがそれでも押入られますか?

ピピランテを敵に回しても?」


それからの展開は一瞬だった。

ま、私としては『コウ親衛隊』と名乗りたかったのだがコウ殿のご負担になるのは気が進まない。


いつか名乗りをあげる日の為にもまずは『海』問題を解決せねば。。





ーテーレント とある場所ー




ピィーーーーーー。




あちらこちらでする鳥の声に、地上にいて見上げた者がいる。


それは『風鳥(かぜどり)』からの指令。

トラッデの長からの指令なのだ。

トラッデの一員なら理解している。


集合がかかったと。


まるで鳥に導かれる様に馬に跨り進む人間。

各地に存在してもこの広大なるテーレントでは誰の目にも気がつかれない。


しかもその馬は全く普通ではなかった。

その姿はまるで空を飛ぶように駆けるようでそれを見た者は例え馬に詳しいテーレントの民であっても驚いただろうが。


誰の目にも止まることはなかった。


集まる人々。


やがて1つの集団が出来た。


その中心にいる人物の名は『レイバン』だ。

楽器を背負い馬に跨る。

これこそトラッデの長の証し。


その楽器こそ、神器『モーリフ』だ。



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